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2019年06月16日17:04

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日本フィル 横浜定期演奏会@348(2019.6.15)インキネン、クーシストのシベリウス

2019.6.15 18:00〜 於:みなとみらいホール

(前半)
  シベリウス
   交響詩<フィンランディア>op.26

  シベリウス
   ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47

(ソリストアンコール)
  フィンランドのフォークダンス「悪魔の踊り」

  J.S.バッハ
   無伴奏ヴァイオリン パルティータ第1番より
   サラバンド・ドゥーブル 

(後半)
  シベリウス
   交響曲第5番 変ホ長調 op.82

指揮:ピエタリ・インキネン

ヴァイオリン:ペッカ・クーシスト

コンマス:白井 圭(A.コンミス:千葉 清加)
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団

昨日はシベリウスで一番好きな交響曲第5番を久しぶりに(しかもインキネンの指揮で)聴ける!という事で楽しみにしていた演奏会でしたが、朝から叩き付けるような横なぐりの大雨!定期会員はご年配の方も多いので外出を控えたのか、8割近くが会員の客席もやや空席が目立ちました。

最初は抑圧から解放への勝利のストーリーが明快なフィンランディア。日本フィルのダイナミックレンジをフルに活かしたシベリウスプロのスタートに相応しい演奏です。金管が大活躍するこの曲は吹奏楽でも有名ですが、やはり本家の方が味わいがある気がします。

次は、前半のメイン。フィンランド出身のヴァイオリニスト、クーシストさんがソリストをつとめるコンチェルトです。このソリストの演奏を聴くのはCDも生も初めて。
正直なところ、座席がサイドなのでヴァイオリンやピアノのコンチェルトは今ひとつのめり込めない葛藤があり、それほどは期待せず(平常心で)曲に臨みます。

ところが、最初の短いヴァイオリンの弱和音(オケ)の後に現われた彼の「音」は、遙か彼方で演奏されているのに間近ではっきり聞こえるようなクリアな「音」。油断していた心が一瞬にして惹きつけられます。

独奏部分は厳かにでもしっかりと。合奏部分もきちんと芯のある音が伝わります。決して強い音ではなく、なめらかで自然な音です。(ソリスト)休符では、クリクリした瞳で客席、空間、オケを見詰めます、男子のお団子?ヘアもあってやんちゃで個性的な雰囲気も抜群。聞き慣れた名曲なのにとても新鮮で、長い第一楽章は"あの旋律"にも痺れつつ一瞬で終わってしまいます。

最初こそ、やや気が散っていた客席も、いつの間にか心奪われたか睡眠に入ったかで物音一つしなくなりました。美しい叙情性で歌い上げる第二楽章、アクティブでリズミカルな終楽章となっても音質の一貫性は失われず、アクセントのある難しい個所も、かっ弾く(かっぴく)のではく、一定の規律を持った揺れ幅で軽快に弾き切っていました。

ちょっとお客さんもびっくり!だったのか、横浜では珍しいブラボーも出て、皆大喜びです。

カーテンコールでは、紳士的にオケを称えますが、彼に対する拍手は割れんばかり!
「アリガト、ゴザイマス。フィンランドのダンス・・」みたいなお言葉があり、アンコールで披露した「フィンランドのフォークダンス」は、自ら右足を踏み鳴らしながらの演奏。「客席は踊らんのか?」的なやんちゃな眼差しも。

普通は、このアンコールの後、1回コールがあって前半終了なのですが、昨日は拍手が止まらず2回目のアンコールに。このバッハが良かったです!パルティータのシンプルでつぶやくような音がこの日のヴァイオリンの響きにぴったり。前半から脳みそに鳥肌、でした。

休憩に入り、大雨だった外を見るとどうやら雨は止んでいる模様。今日来れなかった会員の方、残念だなあ、などと考えながらグッズ売り場などをブラブラ。

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メインプロは楽しみにしていた後半のシベリウスの交響曲第5番(いや、メインはシベコンだったかな?)多分、前回聴いたのは数年前の札響?あの時も昇天しそうになったし、今回はフィンランド人が指揮なので更に昇天?と期待が膨らみます。有名な2番より好きかも。

後半、オケが入場して来て先ず驚いたのが、前半のソリスト「クーシスト」が第二ヴァイオリンの末席(フルート横)にちょこんと座っている事。演奏ももちろん鳥肌連続で一音も聞き逃さない態勢で臨んでいたのですが、演奏中の彼の表情や動きが気になって、更に音楽に集中して行きます。昨日は木管が特に良かったです。安定のオーボエ、フルートに加え、ファゴット(田吉さん?)も立派に仕事をしていて、カーテンコールでも1人立たされていました。

弦の指示もかなり細かく作り込んでいる印象。クーシストさんがどれだけパート指示を把握していたかは分かりませんが、ボウイングはほぼ一致していたし、本人も周囲も気持ちよさそうに弾いていたので、なかなか良いハプニングだったなあ、と思っています。
(心なしか、フルートやオーボエのソロを見詰める時間が長かったような気もしますが・・)

期待に応えるだけの演奏を聴けて、思わぬ(余興?)もあり、大満足な演奏で、悪天候でもサボらず出かけて正解でした。

高度なテクと才能、そして個性(これは好き好きあるかも)、ますます日本フィルの演奏会が面白くなって来ました。千葉さんも戻って来たし、今後も精進して益々良い演奏を聴かせていただける期待が持てた一日でもありました。

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