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2019年05月24日17:00

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「苛政は虎よりも猛なり」

精神疾患も自殺未遂も生活保護も自己責任ですか? 「私の人生は苦労のフルコースでした」
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=140&from=diary&id=5631953

自己責任と社会責任の、主張のせめぎ合いが見られるが
それは案件によるだろう。
自分の選択の誤りによって、自ら災禍を招いたなら確かに自己責任だろう。
しかし、かつてのように有権者として選んだ政権が、誤った政策を行ったり
または政権が無能・無策のため、景況の悪化に対処できなかったために
倒産した企業や路頭に迷った勤労者が
小泉政権の構造改悪から民主政権までの間に、どれほどあっただろうか。
企業や勤労者ばかりではない。
将来の希望を自分の能力に託し、未来を切り開こうとしながらも
就職氷河期でそれが果たせず、無念のほぞを噛んだ若者が
どれほどいただろうか。
「お前の能力不足だ」「自己責任だ」と叫ぶ人は
自分の就活時期が就職氷河期だったなら、どうしていたのだろうか。
             ◇
かつて民主政権時代に、松山千春が講演会で、このように語っていた。

「オレは倅たちに、いつもこう話しています。
 いいか、お前達。この世は努力が必ずしも報われるとは限らない。
 努力が報われないこともあることを忘れるな」

未来ある子供たちに、希望の可能性を語るのではなく
絶望の可能性を語っているのである。
これから育って、社会を担おうという子供達に
聞かせるべき話ではない、と思いつつ聞いていたが
しかし、現実は確かに努力が実らない世相だったのである。
かく言う自分も、当時は努力に努力を重ねても
まるで実らないアリ地獄を経験している最中だったこともあり
松山の言葉を言下に否定することはできなかった。
             ◇
「小泉内閣は、お前らが支持した政党で構成された政府ではないか」
と、後付けで批判することは容易い。
だが、有権者の判断基準は
候補者の公約と所属政党が標榜するイデオロギーしかない。
通常は新政府が発足しても、政策の基本路線は
「前政権を踏襲する」というのが既定路線であり、慣例だった。
有権者は、それを信じていたからこそ票を投じたのである。
だが「自民党をぶっ潰す」と、過激な公約を宣言した小泉政権は
その慣例を破った、まさに変人であった。
彼を「変人」と最初に呼んだ田中真紀子は
同じ政界人だったからこそ、彼の変人ぶりを見抜けただろう。
しかし日々、本業に追われる庶民が、どうして彼の風変わりな本性と
胸底に秘めた自民党への邪悪な怨念と、復讐心を知り得ただろうか。
かくして、小泉政権はその愚策によって
自民党ではなく、国民経済をぶっ潰してしまったのである。
             ◇
以後、政界も財界も、ともに恐れおののき
目を背け続けてきたデフレスパイラルが、ついに現実のものとなり
それにさらなる拍車をかけて、よりどん底に突き落としたのが
民主政権だった。
超円高、超株安、そして収益度外視の激安合戦で
成長ではなく、破滅の縮小再生産へと突き進むデフレスパイラル。
暗雲立ちこめる、その暗い情勢下で
報道媒体は頻繁に「年間自殺者3万人」と報じていた。
絶望して自死を選んだ彼らは、自己責任なのだろうか。
有権者が現状にも未来にも絶望して
自死を選ぶ政治とは、どんな政治だろうか。
世には個人の努力では解決できない、どうにもならないことが多い。
だからこその政治なのだが、逆をやれば
このように、多くの人々を死に至らしめる拷問・虐殺となりかねない。
「苛政は虎よりも猛なり」とは、自己責任ではなく
社会責任の重大さを物語る言葉である。

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