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2019年05月13日18:17

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日本の体力が落ちた

昨今の値上げの話をニュースで見る時に「人件費の上昇」みたいなのが
最大の理由になっているのを見る。確かにそれも一部はあると思う。
化学原料メーカーに勤めている自分もここ数年、値上げに動いた。
自分が携わってる化学原料は、無数の製品の原料になっていく。

で、自分が値上げをやった時に理由にしたのは8〜9割は、
「海外、特に中国から仕入れた原料の値上がり」。
日本国内での人件費とか輸送費ってのは理由の一部分に過ぎない。
購入してる原料が上がったから、売ってる先にも上げないと
自分の会社の利益がそのまま減ってしまう。100%値上げに転嫁なんて
出来るわけなくて、ある程度目減りさせた価格しか値上げ出来ない。

アベノミクスは「好景気→仕事増→人件費上昇→物価上昇→好景気」の
サイクルを目標にしていたんじゃないかと思うし、ニュースもそう言ってる。
でも自分が実務面からみてる感じだと、それは逆じゃないかと思う。
まず「物価上昇」があったんだ。

まずバブル崩壊後に日本企業の力が無くなり、大手もグローバル調達だと
日本から原料を買わずに海外から安いものを引っ張るようになった。
それを続ける中で日本は原材料を作る能力が失われていった。
(就職氷河期で人を育てる事を避けたツケもここで乗ってくる)
海外調達比率を上げ続けた結果、中国などの海外原料メーカーはここで気付いた。
「日本には同等の原料を作る能力が失われた。値段を吊り上げるチャンスだ」

製品の値段は「対抗するもの」があるから抑えられる。
「今は日本を舐めきって値段を吊り上げてくる海外企業から買わざるを得ない」。
樹脂も溶剤も着色剤も添加剤もほっとんど中国から輸入してる。
PS4もswitchもXperiaも結局はホンハイで組んでる。それが今の現状。
(原料も作り手も相手に握られてて、ある程度戦ってる日本の営業マンはむしろ凄い)

アベノミクスの成否に関わらず、物価は上がったと思う。
「好景気→仕事増→人件費上昇→物価上昇→好景気」じゃなくて
まず「物価上昇」が避けられないとわかったから、安倍政権は
ならばせめて「人件費を上げないと」と焦ってアベノミクスをぶち上げた。

けど日本の大企業にすれば海外の原料メーカーからは足元を見られるようになり
日本市場は既に冷え込んでいるから、海外市場が主戦場だと思っており。
=日本人の所得が増えても、そこは営業的なターゲットゾーンで無くなっており。
人件費を上げる理由なんてもはやないと思ってる。

だから好景気サイクルなんて実現できるわけもなく、数値を改ざんして
気分だけでも好景気っぽくして、景気が上がってくれないかと願った・・・
これが今の現状じゃないかなぁ・・・と思うねぇ。正直、悲しいなぁ。

安倍政権がどうとかじゃなくて、バブル前後以降の問題点が
そのまま、なんの解決も改善もされずに、今、出てきてるだけなんだと思う。

日本は今、沈みゆく太陽なんだろうなぁ。


■景気「悪化」に引き下げ 動向指数、6年2カ月ぶり
(朝日新聞デジタル - 05月13日 14:21)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5617124
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