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2019年02月21日05:26

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想いおこせば……

冬は、しっかり窓を閉めてカーテンを閉めても冷気が入り込んできそう。

その冷たさは神秘的でもあるのだけれど。

内に心が向くことが多くなる季節は、様々な光景を思い起こしてくれる。

年末の紅白歌合戦に、ユーミンが出ていた。60代とは思えないスレンダーな身軽さでかっこよくダンスしていた。

ユーミン、荒井由実。
姉の部屋に荒井由実のレコードがあった。
デヴィッド・ボウイ、サードワールド、ボブ・マーリィなどの洋楽に混じって、彼女のレコードは輝いていた。

日本語が好きではなかった。
かといって英語もそんなに分からないのに、英語の曲が好きだった。
姉の影響もある。
洋楽を聴くことで、意識を身体を遥か異国の地に飛ばしてみた。

誰も殆ど知らないような曲。ラジオのヒットチャートに昇らないような曲を求めていた。
辿り着いたのがイギリスのインディーズバンドだった。
ひと月に二回くらい都内の輸入盤屋に赴き、たくさん輸入盤を買い集めて、毎日聴いていた。
輸入盤独特の塩化ビニールの匂いも気にならなかった。
ライブも足げなく通った。殆ど都内だったけれど、次第に名古屋や大阪にも行くようになった。
雑誌を通して共通の趣味の人たちと知り合えた。
彼らは洗練されていて、イギリスに留学したりするのが主流だった。

結婚してからも更に趣味はエスカレートし、日本でやっとフェスが開催されるようになったりして、昼間でもライブが見られる楽しさは格別だった。
ネットで始めた音楽のサイトで、またたくさんの共通の趣味の人たちと出会えた。

そうだったのに。
ふと立ち止まった。

立ち止まされたのは、松本隆だった。
彼の書く詩の世界。
透明ではかなく、美しい叙事詩。
立ち止まるしかなかった。
それは新鮮な驚きと感動で、今まで曲先行で歌詞を気にせず聴いてきた私に、音楽を聴くときの原点を気付かせてくれた。

始めに詩ありき。
彼はそう言っているかのようだった。
確かに詩を噛み締めながら聴くと、世界が倍増する。音が増幅する。
それは、日本語の曲の醍醐味だ。

それからせきを切ったかのように、日本語の曲を聴き始めた。
私にとってはまさに嬉しい革命だった。

そして今荒井由実の、コバルトアワーを聴いている。このタイトル、素敵過ぎる。
姉はこのレコードは最高傑作だと当時言っていた。

そうかもしれない。

荒井由実    コバルトアワー

https://m.youtube.com/watch?v=9fRM8iHWBro

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