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2019年01月03日07:04

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1983年ジャマイカ旅日記ー4

 この日、バス停で待っている間、直ぐそばで、大きなゴミ山をつくるのに熱中している二人の女を眺めていた。ゴミ集めも一段落して、マッチで火をつけた。乾燥した枯れ草の多いゴミの山は一気に燃え上り、すぐ傍の立木の葉に火が移りバリバリ燃え始める。慌てて二人組は熊手で火を払い落していた。なんとなく、ジャマイカだなあ、と感心してしまう。バスから外を眺める。郊外のこの辺は住宅の間に空き地が多く、緑豊かな雑草を山羊や牛が放されてのんびり食べている。子供たちもいる。昼下がり、バスは走る。海沿いの道に入る手前で異様な光景を見た。前に車がつかえていて、バスが停まる。ふと外を見ると、男が道端でひっくり返っている。男の体をまたいで人が通る。ドレッドロックのラスタマンだった。手足がバラバラの姿勢で横たわっている。頭を壁にもたれかけたラスタの眼は大きく開き、どこか恍惚としている。踏みつけられても、ピクリともしない。ガンジャの世界に没入した、悲惨のような、幸福のような不思議な光景。バスは走りだし、男は遠くに去っていった。
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