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2019年01月18日22:29

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映画「クリード 炎の宿敵」

今年、最初の映画感想日記です。
その2019年トップを飾るには相応しい人気シリーズの新作。
一昨日のレイトショー、TOHOシネマズ泉北で鑑賞。

マイケル・B・ジョーダン シルベスター・スタローン
「クリード 炎の宿敵」Creed II 

ロッキーの指導で世界チャンピオンまで上り詰めたアドニス・クリード。
そんなアドニスに突然に挑戦状を叩き付けたのが、
かつてアドニスの父アポロを試合で死なせたイワン・ドラゴとその息子ヴィクター。
父の仇のようにアドニスはヴィクターと対戦するが圧倒的に打ちのめされてしまう。
それから身も心も崩れ去るようになるアドニス。
そんなアドニスの妻ビアンカと生まれて来た子供のために、恩師ロッキーにも支えられ、
再びアドニスはヴィクターに完全アウェイなロシアで再戦を挑む。


今年も多くの映画の感想を書いていきます。
今年最初に劇場で拝見したのが本作。
ロッキーシリーズに前作「クリード チャンプを継ぐ男」については、
2015年末に感想を書いてます。 

私自身、スタローンのファンでもあり、
彼といえば、やはりロッキー(勿論ランボーも同じく好き)
前作の感想でも書いたんですが過去シリーズでは、
特に1が好きだが、その次に4が好きだった。
4も当時の思い入れが色々あるのは大きい。

今回驚いたのは、対戦相手にあの4でのロシアの強敵ドラゴの息子なのである。
本作はクリードの続編であって、ロッキー4の直接的な続編である。
邦題が「クリード 炎の宿敵」
あの「ロッキー4 炎の友情」に合わしたかのような邦題だ。

ドラゴことドルフ・ラングレンが出演する!
これだけでも興奮物。
そして、まさかのあの女も…

【注意】ここからネタバレあり(ラストにも触れてます)

























ロッキーシリーズは毎作そうなんだけど、
話の展開は大体読めます。これは良い意味で。
それでも、今回もクライマックスにいたっては感動で泣けてしまった。
男泣き映画である。

内容はアドニス、ロッキー、そしてその後のドラゴ親子…
それぞれのその後のドラマがよく描かれている。

アドニスがビアンカに結婚を申し込み、そしてビアンカに子供が生まれる。
あのくだりは「ロッキー2」でのかつてのロッキーとエイドリアンと重なる所が多く、
ロッキーに続く次世代のアドニスのドラマなんだと痛感する。

それでいて、エイドリアンもポーリーも亡くなり孤独なロッキー。
彼の疎遠になった息子ロバートへの想いが叶うドラマは「ロッキー・ザ・ファイナル」の直接的な続編でもある。

そして多くは描かなくても、その背中、その姿で「ロッキー4」から約33年…
ドラゴ親子に何があって何を思うのか、
敵である特にドラゴ親子のドラマに心打たれるものがあった。

話の展開は「ロッキー4」に非常に近い。
アドニスは本国アメリカの試合で負け(結果はヴィクターの違反でアドニスの勝ちだが内容では完敗してる)
そして猛特訓、
敵地ロシアで観客全員が完全ロシア側の完全アウェイ。
しかし、アドニスが勝つことでその場の空気を完全に変えてしまう辺りは、
まさしく「ロッキー4」だ!!
思い出深い作品だっただけに、今回は完全に心が動いた。

でもそんな展開ながらも、意外な結末であったのも確かだった。
かつてアポロがドラゴにやられた時に、タオルを投げ入れられなったロッキー。
この時の悔やむ想いが本作にも伝わる。
しかし、今回のアドニスvsヴィクターの壮絶などちらかが殴り死すような展開で、
意外にもタオルを投げ入れたのもヴィクターの父ドラゴ本人だった。
この展開には完全にやられました。


ロッキーシリーズ全部に言えるのは、
本当の敵は対戦相手ではない。
自分自身なのだ。


アドニスがヴィクターに尽く倒されるのも、ヴィクターの力だけではないアドニス自身の心の迷いだった。
最初は完全に父アポロの仇、復讐の為に戦っていた。
この時のアドニスは自分は強いと自信満々だが妙に焦りを感じた。
その姿が「ロッキー4」でドラゴに対戦する前のアポロの強がりの焦りと凄く重なって見えた。

そしてドラゴ親子は何と戦っていたのか?
これも深かった。
ロッキーに負けたことで祖国ロシアにも見離され、そしてあの妻に捨てられた復讐に思えた。
劇中、殆ど喋らないドラゴの息子ヴィクター。
その彼が唯一怒りで口にしたのが、食事会でまさかの再会をしたドラゴ元夫人。
ヴィクターにとっては父と共に見離した母であった。

ストーリーは凄くシンプルだが、
各キャラそれぞれの想いが交差する凄く深いドラマだった。
このシリーズは、単なるボクシング映画ではない。
人生のドラマなんだと痛感する。
今回もそれぞれの生き様に、何か自分にも想う部分も多々あった。


監督はスティーブン・ケイプル・Jr.
前作のライアン・クーグラーが良かったから監督交代は心配だったが、
全くそんな事は無く、長編映画ではこれが2作目の新人監督とは驚き。
この抜擢はライアン・クーグラーの推薦によるものらしい。


キャストでは、

ロッキー役のシルベスター・スタローン
前作ではロッキーが癌になって心配したが、本作では良くなってるみたいで安心。
スタローンも役柄もあって、かなり老け込んだ感じもする。
今回はラストのロッキーが息子と再会するシーンには泣いてしまった。
実際のスタローンは息子セイジを亡くしてる事もあり、このシーンにはスタローンの想いがあると思う。
今年は「大脱出2」と「バックトレース」と2本のアクション映画の公開が決まっていて楽しみ(絶対観る!)
噂されるエクスペンダブルズとランボーシリーズの新作の動向も気になります。

アドニス役のマイケル・B・ジョーダン
去年は感想日記でも彼の役で熱く語った「ブラックパンサー」の悪役キルモンガーが、
主役より印象に残り凄く良かった。
こちらもライアン・クーグラー監督との名コンビだった。
今回も周りが凄いキャラに囲まれながらも埋もれない存在感は良かった。
それとマイケル自身の体と共に役作りが徹底してるのもいい。

ビアンカ役のテッサ・トンプソン
実は彼女も去年はマーベルヒーロー映画で拝見してた(スタローンもガーディアンズに出てたな)
「マイティ・ソー ラグナロク」のヴァルキリー役がまた良かったです。
その後のアベンジャーズに未登場なのは気になったけど。
今回はビアンカの存在感が際立っていた。
ロシアでの再戦でアドニス入場に、彼女が先頭に立って入場曲を歌うのがこれまた驚いた♪

メアリー・アン役のフィリシア・ラシャド
アポロの妻であり、血の繋がりは無いがアドニスの母である。
「ロッキー4」までのアポロ夫人の女優とは別の人ではあるが、全くそう感じさせないのが良い。
この女優さん、クリード2作以外は拝見した事ないが、どっしり構えた落ち着いた演技が良い方だと思う。

イワン・ドラゴ役のドルフ・ラングレン
今回のキャスティングで最も嬉しかったのは、この方の登場!
エクスペンダブルズシリーズでスタローンと共にお馴染みではありますが。
普段ドルフを拝見するのはB級アクションばかりですが(以前に「アウトレイジ・ギャング」の感想日記を書いた事はあった)
久々のメジャー作品登場。
と思ったら、もうすぐ公開の「アクアマン」にも出演してます!

ヴィクター・ドラゴ役のフローリアン・ムンテアヌ
今回のメインの対戦相手が彼だった。
目付きからして凄く厳つい。
只者ではない雰囲気がしたのですが、実はルーマニアのボクサーであった。
殆どセリフが無いのも、父ドラゴと同じだったが存在感がある。

ロバート・バルボア役のマイロ・ヴィンティミリア
ラストに登場するロッキーの息子ロバートです。
演じてるのが「ロッキー・ザ・ファイナル」と同じ彼だったのが嬉しかった。


そしてそして…
ルドミラ・ドラゴ役のブリジット・ニールセン
そう、ドラゴの元妻役で、実生活ではスタローンの元妻です。
まさかのまさか、出て来るとは思わなかった。
ドラゴ親子の食事会に突如現れた時は、見てるこちらもドン引きでしたよ。
スタローンはかつて、主演作「コブラ」のヒロインに出したりして、
結婚はしたものの長くは続かず離婚。そしてスタローンから膨大な慰謝料を持っていた彼女である。
それにシュワちゃんとも付き合ってたのですよ。
恐るべき女だ(笑)

でもね、スタローンもそんな過去があるのによく元妻を出演させたよ。
そんな事も水に流す意味での出演かと思ったら、
今回の彼女の役柄が、

完全に悪役(笑)

ドラゴ親子の元妻への憎しみと怒りが、実はスタローンのメッセージだったかも?



今回のロッキーシリーズ8作目であって、
クリードシリーズとしての2作目。
2世代に渡る大河ドラマのように内容が濃い感動作だった。
でも、そんな作品にスタローンの亡き息子と去って行った元妻へのメッセージが込められてるような気がしてならなかった。

このシリーズ、今後もどう続くのだろうか?
クリードだけでなく、ドラゴとしての作品も作って欲しいとも思った。

今年1本目ですが、これはベスト作品にしたい!
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