中原中也やロマン・ロランと親友だった世界的な彫刻家・高田博厚さん

箱根の彫刻の森美術館で見つけた高田博厚さんの彫刻。ぼくと親しかった詩人の田村隆一さんの4番目の奥さんである田村和子さんの親父さんである。高田さんは晩年は鎌倉の稲村ヶ崎に住んでいた。たかたひろあつと読むが、鎌倉ではみんなから「はっこうさん」と呼ばれていた。高田さんは中原中也やロマン・ロラン、ロダン、ジャン・コクトー、ルオー、ガンジーら錚錚たる人々と親交のあった世界的な彫刻家である。和子さんが小さい頃、妻子を捨ててフランスに渡り、長くパリで暮らしていた。和子さん曰く「父親はフランス語を女の腹の下で覚えた」そうだ。女癖が悪く、フランスから日本に帰ってきてから女性を孕ませ、その堕胎手術の処理を和子さんにやらせていたというから驚く。高田博厚さんは現在、書き下ろし中の拙著『鎌倉物語』にも登場する。実は博厚さんと鎌倉文士の小林秀雄とは犬猿の仲だったというどこにも出ていない話も書いている。以前、鎌倉芸術館で博厚さんの作品展をやったこともある。