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2018年10月14日18:53

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北海道の教訓を忘れるな!

九州電力が太陽光などによる電力買い取りをとめたのは当然のこと。
先日の北海道ブラックアウトの二の舞を避けるためにやってる、ということがまだ理解されていないのは情けない。

いくつか「前提」をあげておこう。

・原子力や大型石炭火力発電(ボイラーを使った発電)は起動・停止に時間がかかる。すぐに発電を始めたり、止めたりはできない。

・原子力発電施設は稼動していなくても、安全とはいえない。福島第一事故のいちばん大きな教訓がそれだ。4号炉は停止しており、核燃料さえ装填されていなかったが「世界最悪の危険」になったことを決して忘れてはいけない。

・太陽光発電などの再生可能エネルギーに対しては国などからほぼ半額の補助金が出る。もちろん、原資は税金。その上、発電した電力は事業者の売値の倍ほどの価格で買い取らせていて、その分は電気料金に上乗せされている(一般の需要家、税金を納めている人たちが負担している)。

・電力を余らせることはできない。また、電力をエネルギーとして効率的に蓄えられるのは揚水発電だけ。大型バッテリーはまだできていないし、できたとしても火薬庫以上に危険な存在になり得る。

・電力事業者の大きな役割は電力の「安定供給」。そのために「調整能力」をもっているのだが、調整能力を超えた需要または供給が発生すれば「壊れるのを覚悟ですべて止める」しか選択肢がない。(火力発電などだとタービンなどが壊れる!)

・病院、水道ポンプ、警察、消防、通信、放送局、交通信号など、常時電力を供給しなければならない施設は少なくない。特に病院は生命に関わる事態になる。

・家庭でも工場でも、どこの需要家でも、コンセントの電圧は100V,周波数は50または60Hzというのが信用できるからこそ、電気製品が使える。電圧が高くなりすぎれば火災になったりする可能性、低すぎれば動作不良を起こす可能性がある。これは周波数でも同じことが言える。

 それらを考え合わせると、調達コストが高く、安定な供給ができず、調整能力に大きな負荷をかける「再生可能エネルギー」から止めるのは当然といわざるを得ない。
 原子力発電を止めればいい、なんてことは絶対にない。それで夜間足りなくなったらどうするのか。人工呼吸器などで命をつないでいる人たちを死なせてもいいのか?
 電力を自由化して自由に発電・送電すればいい、なんてことは夢物語にすぎない。電力自由化はそういうものではない。安定かつ、なるべく停電しないように電力を送り出す責務を果たすためにはものすごい努力(と設備)が必要であり、それは電力事業者にしかできない。
 「調整能力」が間に合わなくなって北海道ではブラックアウトが発生した。そのために失われた命さえあった。

 そのことを知らずに(または故意に忘れて)電力事業者を非難するのはお門違いとしか思えない。

■九電、2日連続で「出力制御」=太陽光抑え需給バランス調整
(時事通信社 - 10月14日 17:05)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=5330920
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