昔から人々のためなら命も投げ捨てるという、偉い
お坊さんの話が、たくさん伝えられています。
湯郷(美作市)にいた、そば粉上人
も、その一人じゃな。
そば粉上人は、ある年、雨が降らず、田植えをした稲
が、枯れそうになったとき、雨が降るように
祈りました。
そのとき、自分の手の指
を一つ切り落とし、火断ちといって、食べ物に火
を通さないで食べていました。
大切な、お祈りのときには、いつもそうしていたのじゃ。そば粉を、生のままで、水
でこねて食べたから、
そば粉上人と呼ばれるようになったと。
あるとき、上人が竹田(美作市)の信者の家
に泊まっていました。みんなが、よく寝た
夜中に、こっそり起き出して、家の外に出て、夜明け近くに帰ってきた。
家の人も気づき、ある夜
、主人が上人のあとを、こっそりつけて行ったのじゃ。
上人は、クワを持って山道に入り、山へ登ったかと思うと、また、畑の方に引き返してきました。
そしてあっちこっちと場所を確かめてクワで畑のそばを掘り出した。しばらく掘ると、また、埋め戻し、違う場所を掘るのです。
何日かたったある日のこと、主人が何知らぬ顔で、上人にたずねました。
「お上人さん、何か、探し物でもされておられるのですか?どこかしこを掘っておられると、お聞きしましたが・・・」
上人は何も答えず、そのまま、その家を立ち去っていったのじゃ。そのとき、ある村の人に言ったと。
「竹田(美作市)には、たくさんのお金
を埋めた所がある。
朝日差す、夕日輝く、スズメの三跳び、グイビの木の根元
じゃ。
掘り出したら大金持ちになる。子の刻(夜
11時〜午前1時)に、埋めたから、子の刻でないと、掘り出せないのじゃ」
上人は、村人のためにお金
を埋めた場所を探していたのでした。
その後、村人がいろいろと探しましたが、いまだにお金を掘り出したという者はいないそうです。
〈注〉埋蔵金伝説では、埋められた場所を示す言葉が伝えられています。
【朝日射す夕日輝く丘の上、縄千尋(ひろ)の内に朱甕(しゅがめ)千本】などと変化はあるが「朝日差す、夕日輝く」は、ほぼ共通していまモンミ
ちゃんちゃん
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