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2018年06月15日21:13

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本件の賠償金額は3億を超える可能性がある。

まず、加害者は新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法に反する違法行為を行っており、JRさんの車両を破損させ、列車の運行を妨害し、鉄道利用者に多くの損害を与えました。
結果として不起訴になりますが、被疑者の行為が不法行為であることをはっきりさせるためにも刑事訴訟法第246条からも、犯人は被疑者死亡のまま書類送検されることとなるでしょう。

さて、賠償額ですが、鉄道での高額な賠償は1992年9月14日、千葉県のJR成田線大菅踏切の事故が知られています※。
この時の賠償金額は1億1347万6892円(列車車両廃車費用約3400万円、列車車両修繕費用約3770万円、線路・通信設備修繕費用約1710万円、事故に関する人件費約1660万円、乗客の代行輸送費用270万円等)ですの。

※同年(1992年)4月8日、神戸市須磨区付近の国道2号で4駆とぶつかったトラックが山陽本線に落ちて寝台特急さくらに激突、機関車EF66-55を破壊(修理するも蛇行動が頻発し廃車)、脱線やトラックの積み荷の鋼材で複数の客車を破壊(スハネフ14-2は修理不能にて廃車)、現場を走行中の201系も脱線大破した例も高額だったと思いますが、賠償金額は失念しました。2億円以上だったと思います。

このように億単位の賠償が発生することがございますが本件では新幹線鉄道の性質上、輸送密度が非常に高く、長距離客が多く、また乗客全員に特急料金が発生しておりますから、要するに高額な運賃を払っている乗客を大勢止めて払い戻しが発生しておりますので、それを上回る金額となる可能性がございます。

被害額を見て行きます。

新幹線電車の車両につきましては一両2億円、16両で約30億円程度と言われており、先頭車の曲面は職人の手作りだからもう少し高いかもしれません。
修理費は前頭部だけですので車体にいってなければ廃車までは至らず数百万に収まると推察されます。
新幹線は固定編成で一編成丸ごと使えませんから、警察の捜査や修理完了までの長期にわたり1編成30億円という高価な償却資産が使用できず一日約63万円※くらいは損失がでます。
※法定耐用年数が13年として。ただし定率法だと取得からの年数により毎年変わりまして700系はN700AやN700Sよりは年数が経過しておりますからもう少し安くなりますね。
以上より、警察の検証、ミンチの撤去・清掃・修理が完了し出場して試運転が終わるまでの費用を仮に500万円と仮定します。

次に人件費ですが、混雑したお客様対応や窓口での払い戻し対応。乗務員の超過勤務。
また、石坂トンネルで肉片が発生されるまで時間がかかりましたが、博多から小倉までの55.9Kmの長大な路線で肉片を探したり(肉片や遺留物発見後の回収や現場検証は警察官?)、当該箇所の軌道の安全確認をしたり等で非番の人や協力会社から応援で出勤させた人件費が相当額発生していると推察されます。
終電までにミンチ回収が終わらず復旧しませんでしたから、朝6時までの保線時間が削られた分、保線員も非番の人や協力会社から応援を出して余分にかかっている可能性がございます。
年収365万円(ボーナス・法定福利費含む)を一日余分に働かせると13500円(休日出勤加給1.35倍の場合)かかります。JRさんほどの大企業の給料が年収365万(各種手当込)のわけありませんから※、もっとかかりますね。
区間が長距離に及ぶ分と、4万人以上の多数の乗客対応のため、前述の千葉の踏切事故の「事故に関する人件費約1660万円」と同等か、それ以上の金額が発生している可能性はございます。
また、運転士や血まみれの車両を点検・整備する作業員員、血まみれの車両を小倉や新下関で目撃した駅員等にPTSDが出たかもしれない。その場合も産業医や精神科医によるカウンセリングや加療にも費用は発生します。
事故に関する人件費2000万くらいでしょうかねぇ。

※一方、介護士の平均年収の範囲はおよそ290〜340万円だそうです。52までにいくらか昇給して上限近かったとしても。自分より高級のJR社員を、自分一人のために、何十人、もしかしたら、延べ百人以上も休日出勤や超過勤務させたのなら、大満足だったかもしれませんね。

次に、旅客に関してですが、それぞれ目的があって乗車しておりまして、乗れなかったり遅れたことにより旅行が台無しになったり、目的地での宿泊が無駄になったり、コンサートや商談や会議に間に合わなかったり、飛行機に乗れなかったり、逆に終日足止めされたことにより急遽ホテルを抑えて宿泊費用が発生したり、ホテルまでのタクシー料金が発生したりした人もいるでしょう。幸い遅延だけで済んだ人も4時間も遅れれば終電をすぎてしまって、乗り換えできずにタクシーを利用した人もいるでしょう。
ですが、個々の旅客の損害は旅客と遺族(の代理人)で個別に民事解決しなければならず、JRから相続人へは前述したような実際に修理や復旧にかかった費用や払い戻しや振り替え輸送にかかった費用が請求されます。
「JR西日本によると、76本が運休し、63本に最大4時間23分の遅れが生じ、4万1500人に影響した。JR東海によると、17本に最大1時間53分の遅れが出た」といわれております。
特急料金は2時間で払い戻しですから、JR東海さんは、特急料金の払い戻しはギリギリ発生していないと推察されます。

一方、JR西日本さんの払戻額を考えます。
4万1500人に影響しておりますが、この人たちが平均いくら払っていたか、もちろんJRさんが発表していない以上、仮定するしかありません。新幹線で4時間以上かかる距離は飛行機を使う4時間の壁がございますので、博多から東京まで全区間乗りとおす人は少ないので、仮に、平均で運賃が8000円、特急料金が4000円と仮定します。
遅延時間は4時間23分であり、また広島から博多まで終日不通となりましたから、特急料金はみんな払い戻したとすると一億六千万円ですね。
運賃部分におきましては、当日は不通でございましたが、100Kmを超える乗車券は有効期限が2日以上になりますから、改めて翌日に乗車した人、遅延しても乗車した人、在来線を使った人は、その乗車券を使いますから、運賃の払い戻しは行いません。
目的があって新幹線に乗るわけですから、4万1500人のうち、旅行中止をして乗車券も払い戻した人は半数もおらず、四分の一の一万人と仮定しますと、8000万円でございますが、旅行中止の場合、帰りの乗車券も払い戻す人もいるでしょう。往復で買っている場合・連続切符として購入している場合は帰りの切符も無手数料で払い戻します。
連続切符で買っている人はいないと思いますが、往復で買って払い戻した人は、このうちの半分の5000人くらいはいると仮定しますと、1.5倍して1億2千万円。
山陽本線を利用した人は多いでしょうが、並行する私鉄はございませんから私鉄への振り替え輸送はないと考えられます。
小計いたしますと、運賃関係の払い戻しが乗車券と特急券で2億8千万円くらい。
千葉の踏切事故に比べますと、影響人数が非常に多い事、長距離客が多く払戻額が多額なことから非常に高額になっております。

線路・通信設備修繕費用は、人間程度の重さの物体が時速285Kmで跳ね返されても大して破損しないでしょうから、ほとんどかかっていないと考えられます。
また、この損害を受けた先頭車両も連結器カバーが壊れただけで廃車にはならないでしょうから列車車両廃車費用はかからないと考えられます。

これらを合計いたしますと、車両関係500万円、人件費関係2000万円。払い戻し関係2億8千万
円。
合計3億500万円くらいは請求がくるんじゃないでしょうかねぇ。
もちろん、これは非常に大雑把な話ですし、いくつもの仮定・仮説によるものですから精度は低く、金額は上下するでしょうが、億単位の請求が相続人に行くとおもわれます。

なお、この損害賠償におきましては、前述したように新幹線特別法に反して、わざわざ高架に上って軌道内に立ち入るという、非常に悪質であり違法性の強い、悪意の不法行為に基づく損害賠償でございますから、免責されない免責不許可の決定がなされる可能性があることも申し添えておきます。

■新幹線人身事故、身元は福岡の52歳男性 自殺の可能性
(朝日新聞デジタル - 06月15日 15:49)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5157245
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