黒騎士の剣の振るいは以前に比べ素早かった。
二刀の構えで黒き剣でマクターの機械人形を僅かずつだが傷つけていく。
倍速以上の素早さではなかろうか・・・。
「こっちも「倍速」かけてるのに・・・速いわ」
葡萄園の垣根は崩れ落ち散々な状態になっている。
黒騎士の覇気は収まらずそのまま猛攻を続ける。
進化したはずの機械人形の装甲もどんどん削られていく。
・・・そう、命を奪われる事無く機械人形に乗れたまでは良かった。
でも、このままでは。
二刀同時での大きな一閃が放たれた。
機械人形の右手に当たる部位が外れてしまった。
葡萄の木が傾いている。
「終わりだ」
「終わらない」
新しいシステムを開放する・・・。
1・2・4・・・マナを倍増させていく。
・・・32!!・・・有り得ない。
今、黒騎士に斬り付けられている状態でいつ破綻するか分からない。
「解放せよ!!」
小説にでも出てくるように光は解き放たれていた。
黒騎士も機械人形も存在しない。
マクターだけが倒れて残っていた。
葡萄の木の元に。
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