■山行概要
◆【三ツ峠】
開運山(1786m)
◆2018/6/2(土)晴れのち曇り、気温17〜20℃、全備重量15.2kg
◆所要時間8:30(コースタイム5:20)、累積標高差1189m、歩行距離12.9km
◆8:20/富士急「三つ峠」(標高616m)出発⇒8:35/三ツ峠案内所(ここで登山届け
提出＆8:40までトイレ休憩)⇒9:25/いこいの森(ここで9:40までクールダウン
休憩)⇒9:50/達磨石⇒10:15/大曲り(ここで10:35まで小休止)⇒11:00/馬返し
(ここで11:15まで小休止)⇒11:50/八十八大師(ここで12:10まで小休止)⇒12:30/
一字一石供養塔⇒12:55/四季楽園⇒13:05/開運山(標高1786m)登頂、ここで13:10
まで小休止⇒13:20/四季楽園(ここで14:20までお昼休憩)⇒14:50/八十八大師(ここ
で14:55まで小休止)⇒15:15/馬返し(ここで15:30まで小休止)⇒16:00/達磨石(ここ
で16:15まで小休止)⇒16:50/三ツ峠グリーンセンターに下山
◆写真はYAMAPへ↓
三ツ峠山
https://yamap.co.jp/activity/1962183
三ツ峠山に行って来ました。
例によって例の如く、前説からスタートです。
【前説】
今年は何か、全然ちゃんとした山に行ってないんですよね。まともに登ったのって年始の大山だけ。それ以降はうんこしたくなって途中で撤退とか、山登りが目的ではなかったりとか(山で飲み会とかそんなの)・・・。もう5月も終わっちゃいましたよ、どうしましょう。ここからは暑くて近場の低山は無理だし、かといって高い山だと遠いし。6月の一週目。予報だと快晴、そして週明けから関東も梅雨入りするみたい。たぶん爽やかな春山登山はこれが最後のチャンスなんじゃないだろうか？
ってことで、どこに登ろうか検討。近場の山は大方行ってしまい、残っているのは瑞牆山とか両神山とか横浜からアクセスの悪い所ばかり。今回は土曜の日帰り山行を考えていたので、当初は大菩薩嶺に行こうかと思っていたのです。昨年の夏に行った時はずっと雨でね、何も見えなかったので。ただ前回、7月の下旬に行ったのですが、天気のせいもあると思うけど気温は13℃くらいでとても寒かった。つまり2000m超える山なら、まだもう少し暑くなってからでもいいんじゃね？と。でもさすがにこの時期の丹沢は却下。特に東丹沢はヤマビル天国になってますからなあ。奥多摩は？ここも結構暑いんじゃないか？標高1500〜2000ｍの間の山で、晴天予報なので景色が良くて、比較的アクセスの良い場所は無いかしら？と思案して、ふと思いついたのが今回の三ツ峠山なのでした。
最初は車で河口湖まで出て、一人でノンビリ登ろうかと思ったんですが、車だとやっぱり帰りの渋滞がなあ。昨年の大菩薩の帰りも結局渋滞に嵌って行きの倍以上時間かかったし。それに単独だと高速代・ガソリン代が意外とバカにならない。なので今回は電車で行くことにしました。富士急の三つ峠駅で降りて登り始めるルートなら、バスも使わないしね。それと移動時間。今回仮に大菩薩に電車とバスで行くとすると、三ツ峠山に行くより1時間以上時間がかかる。その代わりコースタイムは短いので、下山時刻はさほど変わらない。であれば移動時間短めで歩く時間を長く取りたいな、と。ちなみに今回のコース、俗に言う「ヤマノススメ 聖地巡礼コース」っていうやつです。正式には「表登山道」というらしく、単純標高差で1169m、直線距離で片道約７km。大倉からバカ尾根での塔ノ岳が同じ約7km歩いて標高差1200mなので、かなりキツいルート。しかも前半は車道歩きなので、後半の山に入ってからの斜度はバカ尾根より相当キツいことが容易に想像出来る。三ツ峠の一般的なルートはバスで標高1300m近い登山口まで移動して、そこから登る「裏登山道」が一般的らしく、裏なのに現在ではほとんどこちらが表登山道化している、との情報だ。
山行日までに「ヤマノススメ 2nd Season」の2〜４話を見てルートの予習をする。また、ネットでは聖地巡礼のブログが多数あり、アニメの画面キャプチャーと実際の写真対比をスタートからゴールまで並べてあったりして、非常に参考になる。なお、山行表明をしたらだーたかさんが「俺も行くっす！」、HGさんも「自分も行きます！」と、急遽3人パーティーとなる。で、当日。予想はしていましたが大月駅で「いやー、奇遇ですねえ！」とOG原さんに遭遇。単独行のつもりが結局4人編成となりました。
【本編】
さて、三つ峠駅に着きました。時間は8時ちょっと前。確かにアニメはよくロケハンしているなあ、としばし駅周辺を物色。富士急の本数は非常に少ないので、この後すぐに電車が来ることはない。人もまばら。登山客も居るには居るが、駅から歩き出す人は非常に少ない。天気は快晴！とても気持ちいい！しばらくは車道を歩いて行く。途中にある公衆トイレの所に登山ポストがあるので、ここで登山届を提出。晴れているのは良いのだが、日向をずっと歩いているのでかなり暑い。大山祇神社を通過してさくら公園に。噂の岩の形をしたトイレがあった。三ツ峠山の瘤を模しているらしい。公園の遊具で少し遊んだら再び歩き出す。神鈴の滝で遊歩道に入る。ウッドチップが轢いてありとても歩きやすい。
庭園のような作りになっている滝周辺から空を見上げると本日の目的地である三ツ峠の主峰、開運山が見える。いい絵じゃないですかー！車道に戻り更に登ると「いこいの森」へ。ここはスルーして少し上にある四阿で小休止。ここは元々バス停があった所の様で、今はかつてバスが折り返しに使っていたと思しき平地が草でボウボウになっている。それにしてもタクシーの往来が結構あるのに驚いた。みんなゲートの所まで乗り付けて、そこから登山する様だ。他にも途中通過した2ヶ所の公園にも駐車場があり、ここから登り始める人も散見される。やはり駅から直接登り出す人は少ない感じ。
思いの他体温が上昇してしまったので、少し長めの小休止で体をクールダウン。こういう湿度が高い日は、こまめに休んで身体がオーバーヒートしないように注意しないとあっという間に熱中症で行動不能となってしまう(昨年8月の谷川岳で学習した)。四阿を出るとゲートはすぐ。ここから左に木の橋を渡ると、ようやく土の登山道となる。地図を確認すると、だいたいコースの中間地点だ。少し歩くと「達磨石」が。駅のホームやここまでの道中にも設置してあったが、あれらは全てレプリカでここに鎮座するのが本物。梵字？で大日如来を意味する「アーク」と彫ってある。それよりも左脇に設置してあるかなーり古い案内版。上でクライミングする人への注意事項が書かれているのだが、
「三っ峠でロックする方へ」
の一文で一同笑いが止まらない！
「ロックって何だよ〜、ロックンロールかよ〜！」
なんて笑いのツボを撞くセンスの一文か！
しばらくは登山道と言うよりはいかにも自然公園、といった体の散策路が続く。所々にベンチが設置してある。しかし暑い。最初に爽やかと言ったが、これは時期に比してという意味で、やはり梅雨入り直前の6月。湿度が高いのだ。樹林帯に入り車道歩きの時のような直射日光は無いものの、風が全くないのだ。「大曲り」で小休止、再度クールダウン。ここのベンチはあまりにも傾いていて、いや、正確には傾斜地に足の長さを同じにして設置してあるので、座ることも荷物を置くことも出来ない。ザックを下して置いたらスーと滑って行って落ちてしまう。座っても足を踏ん張らないといけないので、全く休めない。何のために設置してあるのか意味不明。
小休止を切り上げ、少し歩くと「股のぞき」。何てことはない、二股の木だが、その間から富士山が見える。樹林帯の中からの景色なので、裾野までの全景は視野に入らないが、確かにまあ、富士山見えるね。少し雲がかかってきたか？またしばらく進むと「馬返し」に到着。ホントにここまで馬が来れるのか？は一同揃っての疑問だが、確かにここからは道も狭くなり、傾斜もかなり急になる。クールダウンの小休止を挟み、登山再開。急傾斜で進行速度がガタ落ち。標高はとっくに1000mを超えているが、湿度と無風で頭から汗が滴り落ちる。暑い〜！
「愛染明王塔」「不二石」など、いくつかのポイントを越え、ようやく「八十八大師」に到着。本当にお地蔵さんが88体あるか数えなかったけど、首の落ちてる地蔵が多数あり、結構な不気味空間です。説明によると、ここに来ると四国のお遍路八十八巡礼と同じ効果のある、「開運」の場所なんだって。
さて、ここからは岩エリアとなる。ここから山頂部分は完全な岸壁で、その岸壁の下を左方向にトラバースして行く。落石や崩落の後がいくつもあり、設置されている金属棒の手摺などがグニャグニャにひん曲がってたりする。木の桟道も多数ある。アップダウンも激しく、なかなかに気が抜けない。途中、廃屋？というか骨組みの残骸のような場所に出た。近くにトイレがあるので寄ってみると、青空トイレでした。扉の無い電話ボックスサイズの小屋に和式便器が一つ。覗くと山の斜面が見える。まだ残っているんだね、こんなトイレ。これ、女性にはちと厳しいんじゃないか？トイレ自体もグラグラしていて今にも崩れそうでとても怖い。せっかくなので用を足し、先を急ぐ。
「一字一石供養塔」をパスすると屏風岩の直下へ出た。大勢のクライマーが取り付いている。いいなあー、自分もやりたい！さすが大岩壁をマルチピッチで登るのは未経験なので無理だが、20mくらいの岩をシングルピッチで登るのなら楽しそうだ。トップロープでアイゼン履いてドライツーリングの練習している人とか、ラペリングの練習している人とかもいる。せまい登山道につき、あまり立ち止まるのも迷惑になるので、見物もそこそこに先を急ぐ。急階段を登りきると、四季楽園に到着。そのままスルーして開運山の山頂を目指す。NHKの電波塔が見えてきた。大きなパネルが2基、設置してあるが、レピーターだろうか？山頂直下はザレザレの急斜面でとても登りにくい。直登は滑って危ないので、「ジグちょこ歩き」で登る。
13時過ぎ、登頂。山頂は狭く昼食中の先客で埋められているため、撮影だけしたら降りることに。案の定、富士山は雲に覆われてしまって裾野しか見えない。でもこれ、雲が無ければ凄い景色なんだろうなあ。何せ富士山の裾野が端から端まで視界に入り、山頂まで見えるのだ。三ツ峠山と富士山の間に障害物は何もない。金時山からの富士山も素晴らしいが、富士山との距離が全然違う。「富士山の展望台」という意味ではここ三ツ峠は最高の場所に違いない。
※屏風岩の直上辺り、下が切れ落ちている絶好の撮影スポットから全然動かないBBAが居た。カメラを構えるでも景色を見るでもなく、ずっとスマホをいじってる。何でこの場所なんだよ、と思ったらポケGOやってた。ホント迷惑極まりない。真横にピッタリくっついてプレッシャーをかけるも全く動じない。いい歳して恥ずかしくないのかね、このBBAは・・・。
13時半前、四季楽園に戻ってきた。各人100円をチャリーンしてここのテラスでお昼休憩。屏風岩も取り付いているクライマーも一望出来る、絶景スポットだ。ノンビリ1時間ほど休憩したら、下山開始。今回は持参した水は全て消費。いつもは下山前に調理用のプラティパスの水は全て棄てて重量を軽くしてから下山するのだが、今回は残り分をハイドレーションに移す。この判断は大正解。相変わらず風は無く下りでも汗だく。標高が下がると気温も上がり、更に暑い。達磨石に着いた時点でハイドレーションの水も全て飲み干してしまった。途中何度かクールダウンの小休止を挟み、四季楽園からは所要約2時間半でグリーンセンターへ下山。すると一同「登山パック」の看板に目を惹かれる。
「おお、これだ！」
何と入浴料に生ビールとつまみ3点、駅までの送迎がついて1600円という超お得なパック！！ということで今回の山行はここがゴールとなる。ちょうど剣道部か何かの合宿で使っているようで、自分らの入浴時間は大混雑。まあ安いので仕方ないか。ひと風呂浴びてサッパリしたらキンキンに冷えた生ビール！何度も書いてますが、下山⇒風呂⇒ビールのコンボは最強ですよ。なおつまみ3点は冷や奴と冷やしトマト、鶏のから揚げでした(唐揚げがとても美味しかったです)。19時過ぎに玄関へ集合。相乗りで駅まで送ってもらう。数キロの距離だが、これは極楽！風呂入ったのでまた汗かくのイヤだし、飲んでだるい身体で歩くのもかったるいもんね。ホント最高のサービスです。駅へ向かう途中、ガスが晴れたのか富士山がくっきり見えた。さっきまで居た三ツ峠の山頂も良く見える。山頂からこの景色だったら最高なのになあ。
もし再訪する場合、今度はバスで上あがって裏登山道からかなあ。で、表登山道で降りて、ここのグリーンセンターに宿泊、翌日早朝に帰るプランもありかな、と。
■写真解説
� 嵜昔襪凌后徑景眛擦�ら三ツ峠山を見上げる。とても特徴的な山容をしてますね。頭に瘤が三つある。で、この瘤は岩壁なんですよね。
�◆岼�染明王塔」からの富士山。逆光で写真としてはイマイチですが、これを最後に富士山は雲の中に隠れてしまった。残念！
�３�運山(標高1786m)に登頂！三ツ峠山はこの「開運山」と「御巣鷹山」「木無山」の三山の総称で、最高峰の開運山＝三ツ峠山というのが一般認識のようですぜ。
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