mixiユーザー(id:15387168)

2018年04月03日20:55

165 view

所詮

「所詮、この世は弱肉強食。強ければ生き、弱ければ死ぬ」
とるろうに剣心の登場人物が言うシーンがあるんだけれど、そのセリフは、90年代のアニメでなければ生まれなかったセリフだったと思う。
それが80年代だったり、ましてや戦後間もないころだったら登場人物がそんなセリフを言うことはなかった、と思う。

いや、言ったかもしれないけれど、そういうセリフは、90年代だったからこそ、生まれたセリフだったんじゃないかな。

なんでかと言うと、戦後間もない焼け野原の中で明日のことも分からない、今日食べるご飯もあるかどうか分からなかったころ、また高度経済成長期の上へ上へと日本中みんなが必死になって生きてたころに「所詮、この世は弱肉強食。強ければ生き、弱ければ死ぬ」なんて言われても、みんな「そんなん当たり前じゃないか。なんでそんな当たり前のことをわざわざ言うの」と思っただろうから。

それがいつの間にか、「『所詮、この世は弱肉強食。強ければ生き、弱ければ死ぬ』なんて、寂しいこと言わないで、みんなで助け合いましょうよ」「弱肉強食? 何、野蛮なこと言ってるの」と言われるようになった。

そんなセリフを言えば、よければ、心が冷たい人。悪ければ、犯罪予備軍扱い。

そんなん言っても、結局、人間自分のことで精いっぱいでしょう。

もちろん、みんなのことを助けられる人になれればそれが一番いい。
でもなかなかそれは、難しい。
みんな、人の悪口言ったり、人のこと傷つけたり。
そうなりたくない、ってどれだけ思っても、争いや諍いを避けるのは難しくて、誰かの言動に腹を立てたり、悲しんだり…。

そんな中で、「弱肉強食なんて言わないで仲良くやりましょうよ」って、「自分は誰のことも傷つけていません。私は、あなたたちみたいな野蛮人じゃないんです」って本気で言ってる人がいたなら、その人は、よっぽどの馬鹿かなんかだと思う。




繰り返すけれど、私だって、みんなが争わずに幸せならいいと思う。
でも、そうはいかないじゃない。

それに争うからこそ、うまくいくこともある。





そんな中で生まれた「所詮、この世は弱肉強食。強ければ生き、弱ければ死ぬ」というセリフとるろうに剣心という漫画は、とても素晴らしいと思う。

私は、原作は読んでいないけれど、アニメは見ていて、夢中になっていた。
今から考えると、主題歌がアニメ内容とまったく関係のない川本真琴の「1/2」とJUDY AND MARYの「そばかす」だったことがこのアニメが伝えるこの世の常が明治時代の話ではなく、現代にも通じる事柄だったことを表していたようにも思う。


PS
JUDY AND MARYの「そばかす」は、アニメの主題歌を作ってくれ、と依頼があったときに、「アニメ」から「キャンディ・キャンディ」の主人公であるキャンディのそばかすを連想して作られたそうです。

「そばかすなんて気にしないわ」って歌ってる場合と違う。生きるか死ぬかの瀬戸際や。

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する