2018.3.10 於:みなとみらいホール
(前半)
ショパン
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 op.11
(ソリストアンコール)
ショパン
ワルツ(遺作)
(後半)
ブラームス
交響曲第4番 ホ短調 op.98
(アンコール)
ブラームス
ハンガリー舞曲第1番
指揮:広上 淳一
ピアノ:小山 実稚恵
コンマス:扇谷 泰朋
シーズン切り替えにより、2月の定期公演がなかった日本フィルですが、いよいよ2018年春の演奏会が始まりました。
この日は震災から7年を迎える日の前日で、通算200回を超える日本フィルの被災地での継続的な活動についての展示がホワイエで行われていました。
実は今回の演奏、広上さんが小山さんをソリストに迎え、ショパンとブラームスの名曲をやる、というもので、プログラムを見た段階で(大変失礼な言い方になるのですが)何となくインパクトに欠ける「普通感」を(あくまで個人的に)感じていました。(ごめんなさい)更に、広上さんの一風変わったリズム取りやアクセントなどの味付けと小山さんの鍵盤強打も得意でなく定期会員でなければわざわざ購入しないプログラムでした。
ところが・・・
小山さんのショパンは、曲調にぴったり、甘いメロディーを柔らかに弾き、ソロから無音部分に染み出す響きに至るまでこれまでの誤った印象を拭い去るような素敵な演奏でした。前半はオケの荒さやミスタッチなどの傷はありましたがそれも小山さんのピアノとファゴットの活躍によりすっかり忘れてしまいました。。
後半のブラームス。奇をてらうようなリズム取りのない、オーソドックスなどっしりとした演奏。哀感充分で有りながらそれを表現するための計算(仕掛け)は手を抜かず、楽章が進むにつれどんどん音楽が迫って来ます。今回、特に力を入れた(ように見えた)木管系の充実も相まって叙情を造り出す音楽の構造がよく分かる演奏で、広上さん、さすが指揮科で教えている教授!という感じでした。
それにしても、フルートの真鍋さん、クラリネットの伊藤さん、ファゴットの田吉さん?、オーボエの杉原さんブラボーでした。杉原さんは留学して音が深くなった気がします。ファゴットは前半のピアノコンチェルトでもソリトス以外で唯一、カーテンコールで立たされてました。ブラボー!
震災7年目を迎え、テレビなどでもたくさんの特集が組まれましたが、こうして実際に復興に貢献してきたオケの演奏を聴き、聴衆が改めて震災を思い出す機会は大切なもので、私も改めて被災された方々に思いを馳せる事ができました。日本フィルさん、これからも応援しますので、息の長い活動の継続をお願いします。。
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