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2017年11月22日10:39
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燕岳 登山記��
10月10日、日の出前、暗いうちに起床。
そして、暗いうちに朝食。美味。
出発の準備をする。足の痙攣を抑える「コムレケア」なる漢方薬を、登りでも飲んだが、下りでも早めに飲んでおいた。登山の「三種の神器」といえば、リュック、靴、雨具の３つで、「新三種の神器」と言われるのが杖、スパッツ、アミノ酸というが、俺的にはアミノ酸は要らんから、替りにコムレケアが不可欠だ。
山小屋の展望台から撮影。空は明るくなってきているが、天気予報通り、ガスが濃い。昨日、晴天下でこのアングルで写真を撮った時は、山小屋の後方に燕岳山頂の姿が見えたのだが、今朝はガスが濃くて見えない。替わりに手前のナナカマドの赤い実の群生を入れて撮影。
朝焼けの御来光が白色の靄で散って拡がり、周囲の一面が自然現象にピンク色に染まった。美しい上に、レアな光景。言い換えれば、ドリフの加トちゃんの「チョットだけよ、アンタも好きねえ」のコントの照明のような感もあるが。
早朝に出発。画像では白被り気味になってしまってあまり伝わらないのだが、早朝の山景色は本当に美しく、清々しい。歩き出すと、ガスの濃い中、何らかのセキレイの大群が山頂の上空を飛んで行った。キセキレイだろうか？ 以前、どこかの山でも群れを見た憶えがある。山では稀に観る光景だ。
ところで、どうやら東沢登山道方面に下山する登山者は我々の他にいない様子。多くの人は、槍ヶ岳なり、大天井岳方面なりへ縦走に向かったようだ。北方向に進む人は、我々のような東沢登山道を下るのではなく、餓鬼岳などを縦走する様子。もしくは、昨日までにそれらの縦走を終えて、今日は普通に表コースの合戦尾根を下りて中房温泉へ向かうようだ。
雲海の奥に富士山や八ヶ岳の姿を望みつつ、燕岳山頂から、風が強く吹き付ける稜線上を北に移動する。ガスが濃い景色も、これはこれで味がある。少なくとも、大暴風雨ではないから、歩きやすいし。
我々は燕岳山頂は経ず、巻道を通って北燕岳山頂を目指す。燕岳の山頂には昨日にすでに登頂したわけだし、今日は朝からガスが濃いため、燕岳の山頂に登ったところで、景色は稜線から見るのと大差ないというか、飛び抜けて素晴らしいわけではないからだ。
燕岳山頂の巻道から見上げると、燕岳山頂に人がいるのが見えた。どうやらその人達は、荷物を燕山荘に置いたまま登頂している様子。つまり、我々のように、このまま東沢登山道方面に進むというわけではないようだ。
北燕岳山頂（標高2723m）に到着。北燕岳の山頂には、山頂碑の類も、三角点も、一切ない。
北燕岳山頂から直下で降りる岩場の道を下り、さらに先（餓鬼岳方面）へと続く道に取り付く。
紅葉気味に枯れた草原が美しい。その中に伸びる一本道を通って下る。別にまだ疲れてはいないのだが、時間的にもそれなりの余裕があり、稜線から外れたのと、景色が良いこともあり、ここらの平場で敢えてコーヒー休憩を取ることとする。表示はないが、おそらくはこの辺りが、「平＝稜線下り口」（標高2690m）と思われる。
辺りにはハイマツが群生し、また、白い砂、赤い高山植物、緑のハイマツのトリコロールが美しい。また、この辺りの地面には、カタクリの花の枯れた跡らしきものが複数、目についた。
そして、餓鬼岳方面や、東方向の山景色が美しい。
コンロで湯を沸かして淹れた温かいコーヒーを飲みながら、これから下る道を見る。言うても、道はまだまだ長い…。
下山再開。木立の中の道に入ると、様子は急に廃道っぽくなった。日向山も、奥多摩御前山もそうだったが、下山が廃道的というか、廃道づいているのは最近の俺の山でのトレンドである。
それでも、見通しの良い場所でふと立ち止まった時の山景色は美しい。
途中、廃樹の上に新たな木の芽が生えていて、盆栽っぽくて良い感じだったので撮影。
重要な分岐ポイントの「東沢乗越」（標高2253m）に到着。ここからの道は、沢沿いを下ることになる。ちなみに、ここで小休止していたら、我々の後ろから下って来た女性登山者２人が、ここで餓鬼岳方面へと進んで（登って）行った。
一応、ここから先、我々が進むルートが「東沢登山道」のようだ。俺個人がこの山域の登山地図を持っていないことで、事前には見つけられなかったコースである。増水時や濃霧時に歩くのは危険なルートであり、道の状態はほぼ廃道寸前なのだが、この前日が連休中の一番混んでる日で、それでこのルートを歩いた人もいつもよりは多かったようだ。そのため、前日にある程度の藪漕ぎとか新しい踏跡ができていたから、翌日に我々が通る時には、少しは道が道らしく、わかりやすくなっていて助かった、という部分はあろう。
加えて、日が上がった後は、前日に続き、この日も良天の山歩日和である。また、表の合戦尾根よりも、この裏の東沢登山道の方が紅葉が美しい。結果として、合戦尾根をピストンで下りるよりも、ずっと楽しめた。
そして、実だか花だかもわからない謎の植物も自生していた。
標高が下がってくると、山道周辺の紅葉がますます美しい。
表示がないが、おそらくはここが「西大洞沢出合」。このコースを進むには、ここで「渡沢」する。この日は晴天だったから良かったが、岩にペンキで書かれた赤白の○印の道標は、濃霧時であったら見落としがちなもので、そうなったら道迷いにも陥りかねない。さらには、増水時であったら「渡沢」自体が非常に危険だ。鉄砲水もあり得るだろう。
事後、かつて「燕岳から槍ヶ岳方面へ縦走した」という昔の知人が、「東沢方面は危険と書いてあったの、断念して行かなかった」との旨、Facebookにて書き込みをしていた。実際、「それ」がこの東沢登山道の「スタンダード」なのだ。その意味では、この日、このコースを「歩けた」我々は「ラッキー」だった、とも言えよう。
表示はないが、「北燕沢出合」らしきところで再び沢を渡った後、山道は、下山の最中にもかかわらず、いきなり強烈な登りが続く。この坂は「どうだん坂」というようだ。そして、強烈に登った後は、強烈に下る。結構なアップダウンである。
「どうだん坂」を下り切ると、また再び沢に出た。表示はないが、「奥馬罹尾沢（おくまらおさわ）出合」（標高1712m）である。先を歩いていた、壮年男性２人組の登山者に、ここで追いついた（そして追い越した）。この日、下山中に遭った登山者は、東沢乗越で遭った女性２人と、この男性２人の２組のみである。ここで簡単に昼食休憩を取ることにした。
続く。
そして、暗いうちに朝食。美味。
出発の準備をする。足の痙攣を抑える「コムレケア」なる漢方薬を、登りでも飲んだが、下りでも早めに飲んでおいた。登山の「三種の神器」といえば、リュック、靴、雨具の３つで、「新三種の神器」と言われるのが杖、スパッツ、アミノ酸というが、俺的にはアミノ酸は要らんから、替りにコムレケアが不可欠だ。
山小屋の展望台から撮影。空は明るくなってきているが、天気予報通り、ガスが濃い。昨日、晴天下でこのアングルで写真を撮った時は、山小屋の後方に燕岳山頂の姿が見えたのだが、今朝はガスが濃くて見えない。替わりに手前のナナカマドの赤い実の群生を入れて撮影。
朝焼けの御来光が白色の靄で散って拡がり、周囲の一面が自然現象にピンク色に染まった。美しい上に、レアな光景。言い換えれば、ドリフの加トちゃんの「チョットだけよ、アンタも好きねえ」のコントの照明のような感もあるが。
早朝に出発。画像では白被り気味になってしまってあまり伝わらないのだが、早朝の山景色は本当に美しく、清々しい。歩き出すと、ガスの濃い中、何らかのセキレイの大群が山頂の上空を飛んで行った。キセキレイだろうか？ 以前、どこかの山でも群れを見た憶えがある。山では稀に観る光景だ。
ところで、どうやら東沢登山道方面に下山する登山者は我々の他にいない様子。多くの人は、槍ヶ岳なり、大天井岳方面なりへ縦走に向かったようだ。北方向に進む人は、我々のような東沢登山道を下るのではなく、餓鬼岳などを縦走する様子。もしくは、昨日までにそれらの縦走を終えて、今日は普通に表コースの合戦尾根を下りて中房温泉へ向かうようだ。
雲海の奥に富士山や八ヶ岳の姿を望みつつ、燕岳山頂から、風が強く吹き付ける稜線上を北に移動する。ガスが濃い景色も、これはこれで味がある。少なくとも、大暴風雨ではないから、歩きやすいし。
我々は燕岳山頂は経ず、巻道を通って北燕岳山頂を目指す。燕岳の山頂には昨日にすでに登頂したわけだし、今日は朝からガスが濃いため、燕岳の山頂に登ったところで、景色は稜線から見るのと大差ないというか、飛び抜けて素晴らしいわけではないからだ。
燕岳山頂の巻道から見上げると、燕岳山頂に人がいるのが見えた。どうやらその人達は、荷物を燕山荘に置いたまま登頂している様子。つまり、我々のように、このまま東沢登山道方面に進むというわけではないようだ。
北燕岳山頂（標高2723m）に到着。北燕岳の山頂には、山頂碑の類も、三角点も、一切ない。
北燕岳山頂から直下で降りる岩場の道を下り、さらに先（餓鬼岳方面）へと続く道に取り付く。
紅葉気味に枯れた草原が美しい。その中に伸びる一本道を通って下る。別にまだ疲れてはいないのだが、時間的にもそれなりの余裕があり、稜線から外れたのと、景色が良いこともあり、ここらの平場で敢えてコーヒー休憩を取ることとする。表示はないが、おそらくはこの辺りが、「平＝稜線下り口」（標高2690m）と思われる。
辺りにはハイマツが群生し、また、白い砂、赤い高山植物、緑のハイマツのトリコロールが美しい。また、この辺りの地面には、カタクリの花の枯れた跡らしきものが複数、目についた。
そして、餓鬼岳方面や、東方向の山景色が美しい。
コンロで湯を沸かして淹れた温かいコーヒーを飲みながら、これから下る道を見る。言うても、道はまだまだ長い…。
下山再開。木立の中の道に入ると、様子は急に廃道っぽくなった。日向山も、奥多摩御前山もそうだったが、下山が廃道的というか、廃道づいているのは最近の俺の山でのトレンドである。
それでも、見通しの良い場所でふと立ち止まった時の山景色は美しい。
途中、廃樹の上に新たな木の芽が生えていて、盆栽っぽくて良い感じだったので撮影。
重要な分岐ポイントの「東沢乗越」（標高2253m）に到着。ここからの道は、沢沿いを下ることになる。ちなみに、ここで小休止していたら、我々の後ろから下って来た女性登山者２人が、ここで餓鬼岳方面へと進んで（登って）行った。
一応、ここから先、我々が進むルートが「東沢登山道」のようだ。俺個人がこの山域の登山地図を持っていないことで、事前には見つけられなかったコースである。増水時や濃霧時に歩くのは危険なルートであり、道の状態はほぼ廃道寸前なのだが、この前日が連休中の一番混んでる日で、それでこのルートを歩いた人もいつもよりは多かったようだ。そのため、前日にある程度の藪漕ぎとか新しい踏跡ができていたから、翌日に我々が通る時には、少しは道が道らしく、わかりやすくなっていて助かった、という部分はあろう。
加えて、日が上がった後は、前日に続き、この日も良天の山歩日和である。また、表の合戦尾根よりも、この裏の東沢登山道の方が紅葉が美しい。結果として、合戦尾根をピストンで下りるよりも、ずっと楽しめた。
そして、実だか花だかもわからない謎の植物も自生していた。
標高が下がってくると、山道周辺の紅葉がますます美しい。
表示がないが、おそらくはここが「西大洞沢出合」。このコースを進むには、ここで「渡沢」する。この日は晴天だったから良かったが、岩にペンキで書かれた赤白の○印の道標は、濃霧時であったら見落としがちなもので、そうなったら道迷いにも陥りかねない。さらには、増水時であったら「渡沢」自体が非常に危険だ。鉄砲水もあり得るだろう。
事後、かつて「燕岳から槍ヶ岳方面へ縦走した」という昔の知人が、「東沢方面は危険と書いてあったの、断念して行かなかった」との旨、Facebookにて書き込みをしていた。実際、「それ」がこの東沢登山道の「スタンダード」なのだ。その意味では、この日、このコースを「歩けた」我々は「ラッキー」だった、とも言えよう。
表示はないが、「北燕沢出合」らしきところで再び沢を渡った後、山道は、下山の最中にもかかわらず、いきなり強烈な登りが続く。この坂は「どうだん坂」というようだ。そして、強烈に登った後は、強烈に下る。結構なアップダウンである。
「どうだん坂」を下り切ると、また再び沢に出た。表示はないが、「奥馬罹尾沢（おくまらおさわ）出合」（標高1712m）である。先を歩いていた、壮年男性２人組の登山者に、ここで追いついた（そして追い越した）。この日、下山中に遭った登山者は、東沢乗越で遭った女性２人と、この男性２人の２組のみである。ここで簡単に昼食休憩を取ることにした。
続く。
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