プレイレポ　ＢＢＴ『グランド・セフト・ソウル』

　１０月１５日がＴＲＰＧの日だって皆さんご存知でした？　まぁ、僕が作ったんですけど。（天丼）　いいんだよ、僕がＴＲＰＧやれる日が僕にとってのＴＲＰＧの日なんだよ！！

　というわけで急遽予定が空いた！　セッションできる！？　と直前にお伺いしたところ、４人のＴＲＰＧ剣豪が名刀を引っさげて集われたので、僕もＢＢＴを立てる……立てるよォッ！！　ってなったのでした。皆様ありがとうございます……！！


■ビーストバインドトリニティ『グランド・セフト・ソウル』

　シナリオ＆ＧＭは田中。８月末に発売されたゲーマーズ・フィールド誌２１−６にて追加されたマジシャンの家門（スコラ）、憑霊術師（ダンス・マカーヴル）が非常に面白かったので、ＰＣとして使う前に、ＧＭとしてシナリオネタに使わせて貰いました。

　だがしかし。直前に見たのが今期最凶の火力を誇る怪アニメ『ディエス・イレ』だったのが運の尽き。突然シナリオにトゥーレ騎士団がポップアップしてきて暴れることになりましたとさ。グルグルビターンパンチとポエムとギロチンソング禁止！！って言ったのに最初に破りました。ていうか思わずシナリオに「黒円卓」ってそのまんま書いてました。ごめん……。

　というわけで、魂を踏みにじる魔術ナチスどもと相対した半魔は以下の４人です。池袋も久しぶりですネ。


▼宮内　真宵(みやうち・まよい)／迷宮症候群(ラビリンス・シンドローム)　１５歳女性
アタッカー　呪われし者＝帰還者
外見：普段は地味　呪いの証の牛の角　
カヴァー：学生
エゴ：解放されたい
変異：40：徐々に角が生える/20：小鬼たちがうろつきだす/0：迷宮化が発生
【大罪：内なる真魔】
　異世界「百万迷宮」から、“行きて帰りし”してきた少女。代償は友人たちの犠牲と、彼女の周囲が迷宮化してしまう呪い。各種機関からマークされ、自身が人間性を失う恐怖に怯えつつも、弱き者を救うためにその力を振るってしまう、哀しい優しさを秘めた少女。
　本人がクソ重たい分、萌えキャラの小鬼（イメージイラスト：吉井徹先生）が突然出てきて場を和ませる。
　ＰＬは新米さん。

▼行田　止（いくた・とまる）／デッド・エンド　４０歳男性
サポーター　死神＝都市伝説
外見：長身、コートの中に大量の時計　
カヴァー：心理カウンセラー
エゴ：あきらめを与えたい
変異：周囲のアナログ時計が止まる/周囲のデジタル時計が止まる/周囲の刻が止まる
　「都市伝説：行き止まりの男」として知られる死神。エゴに従い、挫折と諦念への誘惑を囁きかける。彼自身はそれを“役割”として語るが、その実、“諦めぬ姿”を見ることに喜びを覚え、そうする者には力を貸すことを惜しまない。他ＰＣを試しつつ、顔色ひとつ変えずデレを放つ萌えキャラ。
　今回から顔絵が時々不動卿オーゼン（ハニワ顔）になるようになった。諦めない者への限界感情。
　ＰＬはよねちょさん。

▼“先代”八島　平八（やしま・へいはち）／魂潰の鬼八　６５歳男性
アタッカー　退魔僧
外見：中肉中背の老人
カヴァー：資料編纂課嘱託職員　　
エゴ：社会を守る
変異：掌から感じる言い知れぬ殺気
　先代の死霊課課長。妖洞寺出身だが過去の魔獣たちの狼藉に対するため還俗、東京という“戦場”で第一線に立ち続け、魂潰掌の冴えから“魂潰の鬼八”の異名を取った生きる伝説の現嘱託職員。
　今は好々爺然としているが、その技も魂も衰えを知らない。ただし《是空》使うと腰にクる。寄る年波には勝てないな！
　ＰＬは二次元さん。

▼霞　蓮（かすみ・れん）／コードネーム：カゲロウ
ディフェンダー　キラーエリート＝魔剣
カヴァー：神宮警察　
外見：桐山漣そっくりって言われる
エゴ：物に執着しない
変異：本名で呼ばれなくなる
　SAT出身の神宮警察という変り種。最新の科学技術と陰陽術で強化された、逃げ水の権能を持つ魔導スニーキングスーツ「摩利支天」を纏い、池袋の闇を駆けるエージェント。
　格闘射撃何でもござれの戦闘の達人で、殺人衝動ではなく、殺人に一切の精神的動揺を起こさないタイプのキラーエリートで、組織のバックアップを受け用意される《殺しの隠し玉》は何処から何が飛び出てくるか誰も予想できない。スタイリッシュアクション成分を一手に担う。
　ＰＬは浅間忍さん。


■雑感

　クソ楽しかった（挨拶）。というわけで久々に（僕と二次元さんは１ヶ月ぶりくらいに）池袋に帰還！！　通常セッティングのＢＢＴで遊んでまいりましたのよ。

　ＢＢＴ池袋特有の「俺たちの知ってる街の裏側で実はこんな連中が犇いている……」感はやっぱ凄く魅力的で、その「こんな連中」があまりにも多種多様なごった煮状態なのが心地よかったです。敵はナチスの魔術怪人。対するは迷宮侵食少女と諦念の概念存在といかりや長介顔の退魔僧と桐山漣顔のエージェント。ＴｉＢ（これがＢＢＴだ）。

　実際のプレイングの方は、もう皆さんベテランゲーマーなわけで、素晴らしいプレイングで、シンプルな（まただ）僕のシナリオを大変盛り上げていただき感謝の至りです。順番に見ていきましょう。

　浅間さんの蓮。まず「最新技術と陰陽道を組み合わせて開発されたスニーキングスーツ“摩利支天”」っていう言霊の時点で勝ってる！　かっこいい！　また、「殺害や使い捨てを躊躇しない」乾いたキラーエリートの描写が凄く上手くてこれもかっこよかったです。

　初登場時、敵から奪ったバイクで疾走してきて乗り捨てながらジャンプして敵から奪った拳銃をボコボコぶっ放した後敵から奪ったロケットランチャーで敵兵力を爆殺、着地！　背後で乗り捨てたバイクも爆発！　んんースタイリッシュ！！　かっこいいアドニス（ばいばいアース）って感じの戦い方でしたね！

　あと、自由組織枠だったんですけど、神宮警察っていう、いつもより少しズレてて独自の味がある、でも協力体制を取りやすい組織をチョイスして、関係構築をスムースにしてたのも見事でした。その流れでセーフハウスを用意したり、手際よくＰＣをまとめてくれて全体の進行にめちゃくちゃ貢献していただきました。圧倒的に押し引きが上手くて、浅間さんの真骨頂を見せていただいた気持ちです。

　《殺しの隠し玉》が、“総統の遺骨を埋め込んだ弾丸”っていう、相手（トゥーレ騎士団）のパワーソースを逆手に取る演出だったのもかっこよかった。遺体を躊躇なく武器として使い捨てる乾いたキラエリぶりともマッチしてて最高の演出でしたね。

　二次元さんの平八。“長澤より先輩”っていうかなり珍しい死霊課枠で、シリーズの時間の流れを感じさせてくれるＰＣだったのが、プレイ感覚に広がりを持たせてくれて良かったです。初版のころの掲示板にも出入りしてた二次元さんがこういうＰＣをやると非常に説得力がありますね。

　「老人」という属性をフル活用していて、大人の責任として前に出、年寄りの冷や水と後ろに下がり、やるときは老練の大人として脇をビッと締め、逆に抜くときは老人ロールで笑いを取りにいく（「《是空》をやると腰が痛くてのう…」）変幻自在の動き方がお美事でした。

　データ的には人間純血ですがなんか２００点とか出してた。老人、強すぎ。

　デッド・エンドは、もうよねちょさんの顔ＰＣと言っていいと思うんですけど、やっぱりいつなんどきでも「諦めた方がいいんじゃないか？」「なぜ諦めない？」とＰＣにもＮＰＣにも普遍的な“問いかけ（クエリー）”を投げられる、キャラクターの完成度の高さがまず圧倒的でした。

　もうキャラ紹介の時点で、デッド･エンドがそう言ってくることは分かってるので、他のＰＬも「そう言われたらこう返そう」っていう見通しを持ってセッションを進められるんですよね。この安心感たるや素晴らしいものがありました。いわれた瞬間「来たッ……！」ってなります！　決め台詞があるＰＣは強い！

　また、何処に出しても恥ずかしくない超人なので、マウントを取らないように頑張ったとはよねちょさん本人の弁。新米さんの真宵が結構ぐずぐずする系ＰＣ１なのできっちり拾いに行ったときも、素晴らしいバランス感覚で盛り上げてくれました。多謝！！

　そしてＰＣ１、新米さんの真宵。基本的にビーストバインドは「人間性を失いたくない」とすべてのＰＣが思ってるゲームなわけですが、みんな基本的には割り切ってて表に出さないことも多いです。真宵は非常に直接的に「人間性の喪失に恐怖を抱いている」ＰＣなので、見ていて「そうだったー！！ＢＢＴってこういうゲームだったー！！」と衝撃を受けました。

　また「怖い、ああはなりたくない」という弱くてネガティヴな感情がモチベーションであるにも関わらず、実際の行動としては「だから、助ける」「だから、がんばる」「だから、戦う」と、きわめて前向きな行動に昇華されているところに新米さんの非常な上手さがありました。戦いたくないし力を振るいたくないが、戦う！　戦ってブン殴ってから、「こんな力使いたくなかった！」って言う！　コレです！！

　ヒロインの拾い方も、新米さんヒロイン拾い組手百手が唸り、弱い自分を重ねたり羨ましがったりしながら、エモいやり取りで場を沸かせてくれました。ありがとうございました！

　データ的には来訪なんですがなぜか種別：人間もってて内なる真魔で２５０点くらい出してた。ランドメイカー、強すぎ。

　というわけで大変楽しいセッションでした！　皆様ありがとうございました！　やっぱＢＢＴは、ええな！！　やろう、ＢＢＴ！！