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2017年10月22日09:50
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燕岳 登山記��
10月9日〜10日の1泊2日で北アルプスの燕岳へ登って来ました。
今回のパーティは、８月に一緒に谷川岳に登った、前の職場の同僚A氏と、今の職場の元同僚Y氏。元々は、俺がA氏に「秋にどこか１泊で、登っておきますか？」との連絡を入れたところ、A氏が「ならば、北アルプスの燕岳に登りたい。前回、Y氏も登りたいと言っていた」との返答があった。
燕岳は北アルプスの常念山脈にある山で、山体すべてが長野県に属している。実は、俺自身は燕岳のことはノーマークというか、知らなかった。軽く調べたところ、昔に買った雑誌的なガイドブックに登山レポートが載っていた。日本二百名山にして新日本百名山（うち日本百名山52座を含む、中高年に登りやすい百名山）であり、登山初級者でも容易に登頂できることから「北アルプスの入門編」と呼ばれる、人気がある山らしい。
元々、燕岳に登りたいと言っていたのはY氏であるため、筋を通してY氏に連絡を入れたところ、休みが取れるとのこと。Y氏は６月に子どもが生まれたばかりなので、２泊以上の休みは取れないが、この燕岳なら１泊２日で登れそうである。
後で調べたところによると、２泊以上したなら、大天井岳を経て常念岳、蝶ノ岳の方面に縦走もできたようだ。俺とA氏は数年前、そのコースを歩いたのだが、大暴風雨で非常に苦しい思いをして、景色もまったく望めなかったという経験がある。
なので今回、後になって思えば、どうせ北アルプスまで行くなら、もう少し休みを多く取って、この機会に縦走リベンジしたかったな…とも思ったが、それだとY氏が来れないし、ていうかすでに１泊２日しか休み確保してないし、秋の高山は寒くなるし、無理をしてもしょうがない。まあ、次の機会だ。
4:52、東府中駅の始発で出発し、5時に飛田給駅で集合。A氏の車で中央道に乗る。
中央道の途中、山梨県北杜市の八ヶ岳パーキングエリア（だったと思う）でトイレ休憩し、八ヶ岳パン工房（だったと思う）なる店で、ベーコンパン（正式名称失念）を購入。500円くらいして、高かったけど美味。
その後、長野道に入るが、A氏の車のナビは古く、本来下りるべき安曇野ＩＣがナビに表示されず、スルーしてしまった。高速を下り、若干迷いながら下道を進んで、ようやく登山口である中房温泉に到着。駐車場が第１〜３まであり、１の方が登山口に近いのだが、連休終盤とはいえ休日だけあって埋まっており、第３だけ空きがあったので停める。
実は、今回の山行で俺が一番懸念していたのが、紅葉の時期で休日なので、駐車場の空きがあるかどうかということであった。もしなかったら、安曇野市内の有料駐車場に停めて、バスで中房温泉まで来なければならない。そうなると、市内から登山口までの山道は結構長く（途中で車内から猿の群れを見た）、物凄く時間をロスすることになる。その意味では、登山口の近くに車を停めることができただけ御の字だ。
中房温泉登山口。標高1462m。この登山口を示す碑の裏には、立ち寄り湯の中房温泉「湯原の湯」がある。また、すぐ近くには「中房温泉登山相談所」がある。
俺は今回、登山地図を持っていなかった。昔に買った雑誌的なガイドブックやネットで、大体のルートや情報を頭に入れただけである。それは、A氏が常念岳に登った時に買った地図を持っていて、そこに燕岳のことも載っているので、それがあれば十分だから、今回は新たに地図は買わなかった。
そして、事前にはガイドブックやネットを見ても、１泊２日で登下山するには通常コースである「合戦尾根」のピストンしか書いていない。なので、「コース的にはつまらないが、１泊２日だと燕岳単体しか登れないし、まあ良いか」と思っていた。
ところが、地図を持っているA氏によると、１泊２日の燕岳単体でも、燕岳の山頂からさらに北を回り、アラウンドで中房温泉まで下山するルートがあるとのこと。ただ、地図によれば、ちょっとばかり荒れた道のようだ。果たして、実際のところはどうなのか。その旨、この登山相談所にてA氏が質問したところ、職員から「まだ降雪もないし、歩いて通ることは可能。あとは自己責任で」との回答が得られた。
もしアラウンドで下山できるなら、ピストンよりはその方が楽しいに決まっている。とりあえず登山相談所では通行OKの許可が出たので、下山コースの選択肢の中の本命とし、後は山頂や小屋にて情報を集めた上で決定しよう、ということになった。
9:30、通常の登山コースと言える「合戦尾根」から登山を開始する。新調した登山シューズがまだ今一つ馴染まず、長時間履いて歩いていると足が痛むことがあるので、敢えて紐を緩めに結んで歩いた。
合戦尾根は、「北アルプス三大急登」に数えられる激坂で、実際、かなりの急勾配であるため、デブの俺としては体力的にキツかったのだが、山道は整備されており、終始１本道で道迷いの恐れがない。加えて、約40分ごとの位置にベンチポイントがあり、無理なくこまめに休憩が取れるのも初級者向けである。なるほど、「北アルプス入門編の山」と言われる由縁であろう。
かつ、中房温泉登山口は、かの有名な「アルプス表銀座コース」のスタート地点であり、「合戦尾根」はそのコースの最序盤である。このコースのゴールは、かの有名な「槍ヶ岳」であり、この日の登山中、もしくは山小屋にて、「今回、縦走で槍ヶ岳まで行く」という登山者に複数名、遭った。話を聞いていて、我々も「槍まで行ってみたいなあ」と思ったが、まあ、１泊２日じゃ無理だし。
登っていると、この日は３連休最終日だけあり、すれ違いの下山者が物凄く多い。正直、すれ違いの譲り合いにより、自分のペースで登れなくてキツイほどだ。凄くメジャーなコースであることを実感する。
実は俺は、３日前に御岳山＆日ノ出山に登った後、筋肉痛はなかったのだが、２日前の仕事を終えた後の夜から、右臀部が痛くなった。軽い肉離れになっていることが窺えて、「やばいな、これは２日後の燕岳、大丈夫かな？」と少し不安になったが、翌日（＝燕岳登山前日）は休み。１日じっくり休んだら、まだ痛みは残るものの幾分かは和らいだ。
そして燕岳当日。行きの車で、乗り降りする時に痛みを感じたものの、歩き出し、山に登り出したら気にならなくなった。ていうか、根詰めて鍛えると、すぐに身体にガタが来る。年齢だ…。
なお、秋山の宿泊登山は荷物が多い。秋のオーバー2000mの山は極寒なので、山小屋に泊まる（テント泊ではない）と言っても、長袖厚手の衣類の持ち込みは不可欠だからだ。負荷が大きい分も、体力的にキツイ。とは言え、この日の登山は天気が良くて、適度な風があり、とても楽しい！ ちなみにY氏は登山序盤に、「ニホンリスを見かけた」らしい。
第１ベンチ。ここから少し道外れを行くと、給水ポイントがあるのだが、行ってみたA氏によると「小川で（ペットボトルに水が）汲みづらかった」と。なお、Y氏は８月の谷川岳で、水場２ヶ所を図らずも破壊させてしまったことで、「水場クラッシャー」なる仇名を（俺から）命名されていたのだが、Y氏いわく「小川じゃ壊せないなあ」と。
第２ベンチ。標高1820m。登山地図には標高が書かれていないが、ベンチの横に標高を示す古い碑があった。但し、古い碑なので、もしかしたら表示されている標高も古いものかもしれない。
山の標高は、測量具合によっても変わるし、東日本大震災のような天変地異によっても変わるものなのだ。なので、以降、途中経過ポイントの標高は「概ねの目安」「諸説あり」である。
第３ベンチ。これらのベンチすべて、40分登ると次が現れる。急登がしんどいので、このベンチには助けられる。
富士見ベンチ。現場の古い碑の表示で標高2200m。事実上、第４ベンチだが、名称は「富士見ベンチ」である。
途中の大きな休憩ポイントである、「合戦小屋」に到着。標高2380m。茶店専門の小屋である。ここのベンチで昼食休憩とする。
山道から合戦小屋前の広場に入るところに、道標的な看板が出ている。ほぼ１本道で、道迷いにはなりようのないコースだが、こういう看板があると気持ち的に安心できる、という意味では、初級者にも適したコースであると言える。
道標的な看板の向かいには、手洗い用の水を張ったバケツがあった。さらにその裏側には、トイレがある。合戦小屋がすぐ近くにあるとはいえ、山では水は貴重だ。
その合戦小屋への物資は、「荷揚げ用ケーブル」で上げてくる。なお、夏の時期、この合戦小屋では、「スイカ１切800円」が名物なのだそうだ。スイカもこの荷揚げ用ケーブルで運んでくるのだそうだ。俺、どっちにしろ、スイカ喰えんけど。
今の時期、合戦小屋では、スイカの代わりに「お汁粉」が売っていた。この日は適温の晴天だったが、北アルプスの10月は雪が降っていてもおかしくない時期なので、お汁粉の需要が見込まれることが窺える。
ここでの昼食休憩中、香港人の単独登山者（？）が他の日本人登山者と話しているのを耳にした。その香港人は、日本語は話せないようだが、英語で「香港から来た」「この山は香港（の登山者間）でも、とても有名」というようなことを話していたようだ。
続く。
今回のパーティは、８月に一緒に谷川岳に登った、前の職場の同僚A氏と、今の職場の元同僚Y氏。元々は、俺がA氏に「秋にどこか１泊で、登っておきますか？」との連絡を入れたところ、A氏が「ならば、北アルプスの燕岳に登りたい。前回、Y氏も登りたいと言っていた」との返答があった。
燕岳は北アルプスの常念山脈にある山で、山体すべてが長野県に属している。実は、俺自身は燕岳のことはノーマークというか、知らなかった。軽く調べたところ、昔に買った雑誌的なガイドブックに登山レポートが載っていた。日本二百名山にして新日本百名山（うち日本百名山52座を含む、中高年に登りやすい百名山）であり、登山初級者でも容易に登頂できることから「北アルプスの入門編」と呼ばれる、人気がある山らしい。
元々、燕岳に登りたいと言っていたのはY氏であるため、筋を通してY氏に連絡を入れたところ、休みが取れるとのこと。Y氏は６月に子どもが生まれたばかりなので、２泊以上の休みは取れないが、この燕岳なら１泊２日で登れそうである。
後で調べたところによると、２泊以上したなら、大天井岳を経て常念岳、蝶ノ岳の方面に縦走もできたようだ。俺とA氏は数年前、そのコースを歩いたのだが、大暴風雨で非常に苦しい思いをして、景色もまったく望めなかったという経験がある。
なので今回、後になって思えば、どうせ北アルプスまで行くなら、もう少し休みを多く取って、この機会に縦走リベンジしたかったな…とも思ったが、それだとY氏が来れないし、ていうかすでに１泊２日しか休み確保してないし、秋の高山は寒くなるし、無理をしてもしょうがない。まあ、次の機会だ。
4:52、東府中駅の始発で出発し、5時に飛田給駅で集合。A氏の車で中央道に乗る。
中央道の途中、山梨県北杜市の八ヶ岳パーキングエリア（だったと思う）でトイレ休憩し、八ヶ岳パン工房（だったと思う）なる店で、ベーコンパン（正式名称失念）を購入。500円くらいして、高かったけど美味。
その後、長野道に入るが、A氏の車のナビは古く、本来下りるべき安曇野ＩＣがナビに表示されず、スルーしてしまった。高速を下り、若干迷いながら下道を進んで、ようやく登山口である中房温泉に到着。駐車場が第１〜３まであり、１の方が登山口に近いのだが、連休終盤とはいえ休日だけあって埋まっており、第３だけ空きがあったので停める。
実は、今回の山行で俺が一番懸念していたのが、紅葉の時期で休日なので、駐車場の空きがあるかどうかということであった。もしなかったら、安曇野市内の有料駐車場に停めて、バスで中房温泉まで来なければならない。そうなると、市内から登山口までの山道は結構長く（途中で車内から猿の群れを見た）、物凄く時間をロスすることになる。その意味では、登山口の近くに車を停めることができただけ御の字だ。
中房温泉登山口。標高1462m。この登山口を示す碑の裏には、立ち寄り湯の中房温泉「湯原の湯」がある。また、すぐ近くには「中房温泉登山相談所」がある。
俺は今回、登山地図を持っていなかった。昔に買った雑誌的なガイドブックやネットで、大体のルートや情報を頭に入れただけである。それは、A氏が常念岳に登った時に買った地図を持っていて、そこに燕岳のことも載っているので、それがあれば十分だから、今回は新たに地図は買わなかった。
そして、事前にはガイドブックやネットを見ても、１泊２日で登下山するには通常コースである「合戦尾根」のピストンしか書いていない。なので、「コース的にはつまらないが、１泊２日だと燕岳単体しか登れないし、まあ良いか」と思っていた。
ところが、地図を持っているA氏によると、１泊２日の燕岳単体でも、燕岳の山頂からさらに北を回り、アラウンドで中房温泉まで下山するルートがあるとのこと。ただ、地図によれば、ちょっとばかり荒れた道のようだ。果たして、実際のところはどうなのか。その旨、この登山相談所にてA氏が質問したところ、職員から「まだ降雪もないし、歩いて通ることは可能。あとは自己責任で」との回答が得られた。
もしアラウンドで下山できるなら、ピストンよりはその方が楽しいに決まっている。とりあえず登山相談所では通行OKの許可が出たので、下山コースの選択肢の中の本命とし、後は山頂や小屋にて情報を集めた上で決定しよう、ということになった。
9:30、通常の登山コースと言える「合戦尾根」から登山を開始する。新調した登山シューズがまだ今一つ馴染まず、長時間履いて歩いていると足が痛むことがあるので、敢えて紐を緩めに結んで歩いた。
合戦尾根は、「北アルプス三大急登」に数えられる激坂で、実際、かなりの急勾配であるため、デブの俺としては体力的にキツかったのだが、山道は整備されており、終始１本道で道迷いの恐れがない。加えて、約40分ごとの位置にベンチポイントがあり、無理なくこまめに休憩が取れるのも初級者向けである。なるほど、「北アルプス入門編の山」と言われる由縁であろう。
かつ、中房温泉登山口は、かの有名な「アルプス表銀座コース」のスタート地点であり、「合戦尾根」はそのコースの最序盤である。このコースのゴールは、かの有名な「槍ヶ岳」であり、この日の登山中、もしくは山小屋にて、「今回、縦走で槍ヶ岳まで行く」という登山者に複数名、遭った。話を聞いていて、我々も「槍まで行ってみたいなあ」と思ったが、まあ、１泊２日じゃ無理だし。
登っていると、この日は３連休最終日だけあり、すれ違いの下山者が物凄く多い。正直、すれ違いの譲り合いにより、自分のペースで登れなくてキツイほどだ。凄くメジャーなコースであることを実感する。
実は俺は、３日前に御岳山＆日ノ出山に登った後、筋肉痛はなかったのだが、２日前の仕事を終えた後の夜から、右臀部が痛くなった。軽い肉離れになっていることが窺えて、「やばいな、これは２日後の燕岳、大丈夫かな？」と少し不安になったが、翌日（＝燕岳登山前日）は休み。１日じっくり休んだら、まだ痛みは残るものの幾分かは和らいだ。
そして燕岳当日。行きの車で、乗り降りする時に痛みを感じたものの、歩き出し、山に登り出したら気にならなくなった。ていうか、根詰めて鍛えると、すぐに身体にガタが来る。年齢だ…。
なお、秋山の宿泊登山は荷物が多い。秋のオーバー2000mの山は極寒なので、山小屋に泊まる（テント泊ではない）と言っても、長袖厚手の衣類の持ち込みは不可欠だからだ。負荷が大きい分も、体力的にキツイ。とは言え、この日の登山は天気が良くて、適度な風があり、とても楽しい！ ちなみにY氏は登山序盤に、「ニホンリスを見かけた」らしい。
第１ベンチ。ここから少し道外れを行くと、給水ポイントがあるのだが、行ってみたA氏によると「小川で（ペットボトルに水が）汲みづらかった」と。なお、Y氏は８月の谷川岳で、水場２ヶ所を図らずも破壊させてしまったことで、「水場クラッシャー」なる仇名を（俺から）命名されていたのだが、Y氏いわく「小川じゃ壊せないなあ」と。
第２ベンチ。標高1820m。登山地図には標高が書かれていないが、ベンチの横に標高を示す古い碑があった。但し、古い碑なので、もしかしたら表示されている標高も古いものかもしれない。
山の標高は、測量具合によっても変わるし、東日本大震災のような天変地異によっても変わるものなのだ。なので、以降、途中経過ポイントの標高は「概ねの目安」「諸説あり」である。
第３ベンチ。これらのベンチすべて、40分登ると次が現れる。急登がしんどいので、このベンチには助けられる。
富士見ベンチ。現場の古い碑の表示で標高2200m。事実上、第４ベンチだが、名称は「富士見ベンチ」である。
途中の大きな休憩ポイントである、「合戦小屋」に到着。標高2380m。茶店専門の小屋である。ここのベンチで昼食休憩とする。
山道から合戦小屋前の広場に入るところに、道標的な看板が出ている。ほぼ１本道で、道迷いにはなりようのないコースだが、こういう看板があると気持ち的に安心できる、という意味では、初級者にも適したコースであると言える。
道標的な看板の向かいには、手洗い用の水を張ったバケツがあった。さらにその裏側には、トイレがある。合戦小屋がすぐ近くにあるとはいえ、山では水は貴重だ。
その合戦小屋への物資は、「荷揚げ用ケーブル」で上げてくる。なお、夏の時期、この合戦小屋では、「スイカ１切800円」が名物なのだそうだ。スイカもこの荷揚げ用ケーブルで運んでくるのだそうだ。俺、どっちにしろ、スイカ喰えんけど。
今の時期、合戦小屋では、スイカの代わりに「お汁粉」が売っていた。この日は適温の晴天だったが、北アルプスの10月は雪が降っていてもおかしくない時期なので、お汁粉の需要が見込まれることが窺える。
ここでの昼食休憩中、香港人の単独登山者（？）が他の日本人登山者と話しているのを耳にした。その香港人は、日本語は話せないようだが、英語で「香港から来た」「この山は香港（の登山者間）でも、とても有名」というようなことを話していたようだ。
続く。
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