「CHICAGO �后廖�CHICAGO
CHICAGOは高校生の頃から、よく聴いているバンドのひとつ。
元々は、たしか洋楽のコンピレーションアルバムに“素直になれなくて”が収録されていて、これを聴いたのが最初だと思う。
素敵な歌だと思った。
澄み切ったハイトーンボーカルが歌う、美しくてポップでキャッチーなメロディが素晴らしいし、当時、ハードロックが大好きだった僕には、彼らの洗練された耳に馴染みやすいサウンドがとても心地よく聴こえた。
限られたお小遣いしかなかった当時の僕は、町の図書館で彼らの、80年代以降のベスト盤を借りてきて、それをカセットにダビングして繰り返し聴いたのである。
ただ、調べてみると彼らはどうも、ブラスロック、といわれているらしい。
当時、僕は吹奏楽部に所属していたから、ブラスサウンドは分かるつもりでいたけど、80年代以降のCHICAGOはブラスロックという割には、ブラスサウンドが少ないと感じたのである。
その後、大学生となりバイトもするようになってから、彼らの1stをはじめとする60年代から70年代のアルバムを聴いた。
そしたら、前面に出まくっているじゃない、ブラスサウンド。
各楽曲も大仰で、壮大で、緻密にアレンジされている様は、まさにブラスロック。
厚みがある迫力のあるサウンドは、80年代以降の洗練されたサウンドとはまた違うカッコよさがあって、僕はこちらも好きだった。
CHICAGOは浮き沈みが激しいシーンの中で、60年代後半から現在まで生き残った稀有な存在だと思うんだけど、それはやっぱり時代に合わせて作風を変えていき、成功していった抜群のセンスがあったからだと思う。
80年代以降のAOR路線のCHICAGOが好きな人には、60〜70年代のCHICAGOはもしかしたら、くど過ぎると感じるかもしれないし、逆に60〜70年代のCHICAGOが好きな人には、洗練されてしまった80年以降は刺激が少なくて物足りなく感じるだろう。
ただ、だからといってどちらか一方が質が低いとかそういうことではなく、CHICAGOはどの面でも彼らならではの魅力を発揮している、ということなんではないだろうか。
ちなみに、僕が最近大好きなのは５枚目である。
このアルバム、CHICAGO史上、初めてLP１枚で収めたアルバムで、初期の溢れんばかりのアイデアを、コンパクトにまとめている。
だからといって彼らのダイナミズムが失われることなく、聴きやすさと壮大さが、絶妙なバランスで入り組んだ一枚といえる。
このアルバムに収録されている“Saturday In The Parkは、彼らの魅力が凝縮された極上の一曲。
この曲を聴くたびに、彼らの素晴らしいセンスに感嘆する。
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