日々

　ちょっと落ち着いたら、まだ行っていない年始回りを再開しようとお正月過ぎに思っているうちに夏が過ぎていた。仕事が多忙を極め、義父の単純ヘルペス脳炎とかもあり、余暇がない。
　七月八月は子供連れてプールに行きたかったが、そんな余裕なかった。
　毎日帰宅が遅いのでジョギングをやる余裕もなく、せっかく鍛えた走力も無くなってしまった。
　体重は増える一方であり、常時緊張しているので血圧が高くなってしまった。
　録画してある「ワンピース」は、やっとドフラミンゴを倒したあたりで観るのが止まっている。一年分ほどたまってしまった。見る暇ないし。

　朝の排便中の僅かな読書時間だけが個人的な楽しみだ。

　個人的な趣味とか仲間付き合いとか断腸の思いで我慢しているんだけど、家族のだれもがそれを当たり前の前提条件だと思っているんだよね。好き好んで仕事のみに邁進しているんだと思われがち。
　
　こんな日は、酒飲みなら酒を飲み、喫煙者ならタバコが増え、ギャンブル好きならパチンコ、風俗好きならソープとかデリヘルとか、アクセサリー好きならアクセサリーで自分にご褒美とかなのかな。よく分からんが。
　根っからの商売人だったら、仕事が多忙を極めたこの状況を素直に楽しめるんだろうな。

　時間があったら、友人とバカな話をしたい。たくさん読書したい。お城とか見に行きたい。小説を書いて応募してみたいな。自分の個性を強化する勉強をしたい。

　とはいえ、「不惜身命の覚悟で己の持ち場を堅持し、一族郎党を守り抜く」金科玉条至上命題大義名分があるので、こうやって広告の裏のような場所に、空き地の土管の中のような場所に、情けなく咆哮するのが関の山。それもまた楽しからずや。ちょっとすっきりした。