惑いの午後　　ジュディオング

惑いの午後　
ジュディオング




魅せられて　惑いの午後　麗華の夢
イントロ　ゴージャス三部作の二作目。。。

歌謡曲の醍醐味とは　惑いの午後のようないまいちインパクトに欠ける
楽曲の中から、自分と被るところを見出すことなのである。


大ヒットシングル　魅せられて　映画「エーゲ海に捧ぐ」と全く関係なく
ソニーが苦渋の記者会見をしたのが印象に残っているが、まあパクったに
違いないであろう。

しかし、この惑いの午後は身も心もオリジナルである。


♪　朝日の中で貴方に　寝顔見せられるのは　
３年　５年　あとどのくらい？


この意味　とても深い。
二通りある　読解。


自分の美貌の衰えにより　金持ちの男に捨てられ　
離婚を切り出される恐怖におののく女。

それとも

金持ちの男と結婚したのはいいが　もう男に愛想をつかし
いい加減　別れてくれないかしら？と次の恋を望む女。


さあ　どちら？

二番でも同じところがある。


♪　貴方の前でいつまで　素肌さらせるかしら？
３年　５年　　あとどのくらい？


好きは好きだが　この男　もう飽きたわ〜
機会があったらバイバイね

それとも

美貌の衰えにより　やっぱり　捨てられる恐怖。

うーん　どっちなの？

わかんないようにかいてあるのが阿木流ね。

いいえ　これこそ三浦　阿木　千家　ほか　もう歌謡曲の鉄則ね。


でもこれこそが　正直な人の心だと思う。

自分から縁を切るのか　それとも切られるのか　そんなの誰も知らない。

ただ　絶対に避けられないこと　たった一つ。
どうやっても100％なこと。

人はいつか死ぬ　いつか体調をくずし、肌は衰え　二度と戻れない。
老いていく　老いて老いて　動けなくなる。

はあ　怖い。

いつか別れがくること　別れが５年で来る予感に恐れている気持ち。
これこそが間違いない事実。

今　この瞬間　楽しみ満ち足りていても　100％終わる茶番劇。

はあ　深い。

はなっから幸福に縁のない人　いる。
それはやはり不幸でつらい事だ。

でも　甘やかされた　人生にどっぷりの人が
ランクの落ちた暮らしを強いられるのも同じことだ。

洋式トイレ、ウォシュレットになじんだ人が　
また　昭和のタイルばりの和式トイレしかない
古びた旅館に泊まるような恐怖である。

一度味わった贅沢は　もう忘れられないものだ。

昼下がりまでの　伯爵夫人〜。


１０年くらい前　よく　レディースコミックを買って読んでいた。
数々のお気に入りの漫画があったが、この曲を聴きながら
思い出すのは「すずめの子はすずめ」というタイトルの漫画だった。

普通の下町育ちのちょっとキレイなＯＬが
大金持ちに気に入られ　婚約までこぎつけるが
結局　婚約解消したという話だ。

下町育ちの女の子は　一生懸命花嫁修業をして
無理しておしゃれして、高級かぶれする。

当然　ＯＬの小遣いでは足りない。

お父さん　お母さんにもイライラし　下品な服や言動はやめて
と家で半ギレ状態となる。

お父さんはそんな娘には何も言わず　ただただ
お小遣いをせっせと渡す。

そんなある日　お父さんがフィアンセの家に招待され
ヨレヨレなスーツで相手の家族には大ヒンシュク。

娘は大激怒　
しかしお父さんが　なけなしのこずかいで買ってきたお土産の
ウィスキーを翌日　チャリティーに出すと言いながらフィアンセは処分してしまう。

その酒が置かれた納屋を見てから　ＯＬは我に返る。

金だけあって　愛のない人たちだと。

そして一人でつぶやく　「フフフっ　もうやーめた！」と。

次のデートで婚約解消だ。

金や見かけだけにおぼれて　自分にふさわしくない暮らしを望むと
さびしい思いをするに決まっているのだ。

自分にピッタリの暮らし　自分にピッタリな仕事　相手。
自分らしく　楽しく生きて死ぬ。

この曲を聴くたびに　分相応という事を思う。


https://www.youtube.com/watch?v=qgXzac8efYY&feature=player_embedded