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2017年07月03日12:08

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酷暑の熊野古道

7月2日

全国的にはイマイチのお天気だが、紀伊半島南部はまずまずのお天気になりそうだ。
東京で買った登山靴の慣らし歩き、夏山縦走に向けてのボッカ訓練をしようと大峰の釈迦ヶ岳に行くことに決めた。
釈迦ヶ岳は標高1,799mの山だが、前鬼の駐車場から山頂までは1200m近い標高差がある。
手近な山で一番訓練になる。
ところが前日の夜になって、国道169号線が土砂崩れで通行止めと知った。
さて、どこに行こう?
アプローチに時間がかかるのは嫌だ。
あれこれ迷ったが、当日起きてから決めることにして布団に入った。

5時前に起き出したが、どうするかまだ迷っていた。
天気がいいので、シーツやバスタオルなど洗いながらあれこれ考える。
どこにも行かないときっと後悔する。
取りあえず歩いてこよう。

決めたのは熊野古道中辺路の大雲取越。
途中の那智高原まではうちから車で15分くらいだ。
そこから越前峠まで往復しよう。

この夏に計画している避難小屋泊まりの縦走を想定して、シュラフ、コンロなどの他に水を4.5リットル入れて13キロの荷物。
おにぎり2つと残り物の飴とチョコを持つ。
那智高原までにコンビニはない。

軽トラで那智高原に行く。

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那智高原を7時20分に歩き始める。
まださほど暑くない。
植林の山は日が射さないのがありがたい。

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この道は毎年3月初めに熊野修験の奥駈で歩く。
その時は100人ほどで歩く。
ゆっくり周りの景色を見たり写真を撮ったりする余裕はない。
だが、今日は一人。
自由に歩ける。
季節も違うし、いつもと違った道に見えて新鮮だ。
13キロの荷物も今のところ重く感じない。
テント泊なら16〜8キロのザックを担ぐのだ。

木陰の中の道とはいえ、段々暑くなってきた。
舟見茶屋跡に着く。
一服する。
ここからは熊野の海が見渡せる。

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すぐ先の舟見峠888m、今日一番標高が高い場所だ。

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そう、今日は標高900m以下の山道を歩くのだ。
すでに汗びっしょりになっていた。
ポカリももう1本空いてしまった。

雨上がりの古道は瑞々しい。
大きなカエルが主のように微動だにしないで悠然としている。

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地蔵茶屋近くは山道が崩れて歩けないので車道を歩く。
余計に暑い。
向こう側から頭にシャツを乗せた男性がはあはあ言いながら歩いて来た。
かなりばてていそうだった。

地蔵茶屋に着くと外国人のカップルが休んでいた。

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男性はハーフパンツに素足、女性はスカートに素足だ。
日本人じゃ考えられない山道歩きのスタイルだ。

声をかけたいが、英語が全く出てこない。
やっと、「キャンユースピークジャパニーズ?」と話しかける。
残念ながら答えは「No]

どこの国の人だろう。
「え〜〜〜と、え〜〜〜と・・・フェアーユーフロム・・・・・・ユアカントリー?」
「Australia」
「ああ、オーストラリアですね。」
「Yes」

そんなこんなで、彼らが持っていたガイド図の力も借りて、滝尻から歩き始めて、野中、本宮、小口の3泊で熊野古道中辺路を歩いていることがわかった。
「イェスタディ、レイン?」
「Yes rain!」手で上から雨が降る手振りをする。
「ツディ、ホット!」
「Hot!!!」下から湯気が上がる手振りをする。

ここで、彼らのザックがとても小さいので、気になって聞いてみる。
「イッツスモールザック。ウェア・・・う〜〜〜んと…他の荷物はどうしたんだろう・・・」
「Oh Big?」
私の大きなザックを指さし、意味が分かったよう。
で、他の大きな荷物はバスで宿泊地から宿泊地に運んでもらえるようなことを言った。
なるほど!

「Nice to meet to you!」
「ナイストゥミートゥユー。グッドラック!」

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しばしの異国人とのおしゃべりが元気をくれた。
石倉峠、越前峠へと登りが続く。

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3人連れと出会う。
彼らは中年のスペイン人のカップルと、友人らしい若い中国人の女性だった。
スペイン語らしき言葉で話している。
これはもう無理!

越前峠でおにぎりを食べて戻る。
ここから下ったらまた舟見峠に登り返さないといけない。

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地蔵茶屋の自販機が手招きする。

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いや、今日は訓練山行なのだ。
うちから持ってきた生ぬるい水で我慢する。

しばらくの車道歩きがこたえる。
色川辻に出る。
ここから下れば家に帰れる。登らなくていい。
でも、車は那智高原だ・・・

舟見峠に向かって登る。
時折吹く風が涼しい。
やっぱり山道はいいな。

次第にザックが肩に食い込んでくる。
おかしいな、もう10キロくらいに減ったはずだけど。
もしかしたら、この30リットルのザックがいけないのかもしれない。
このザックはそんな重さには対応していないのかもしれない。
やっぱり10キロを超えるのなら、大きいザックのほうが重くても背負いやすいのかも知れない。

今日会ったのは、日本人らしき男性一人、後は外国人5人だった。
こんな蒸し暑い梅雨時に日本人は熊野古道なんて歩かないよね。
遠くから歩きに来た外国人の方はこんな気候とは思わなかったのだろうか。
それでも、オーストラリアの方は「beautiful!」と言ってくれた。

舟見峠の鉄塔が見える。

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この鉄塔はいつも畑から見上げている。

さあ、後は下りだ。
やっとほっとする。

那智高原に戻る。
休憩を入れて8時間の山歩きでした。
地図を見ると、那智高原から越前峠までは片道9キロ、往復18キロらしい。
アップダウンは少なかったけど、この酷暑の中よく歩きました!

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靴擦れにはならなかったし、ザックはきっとこの重さなら大きいほうがいいだろうということがわった。
この暑さでも8時間18キロ歩けたんだから夏山もなんとかなるかな。

ボッカ訓練というよりは耐暑訓練になった古道歩き。
それなりの効果はありました!
やっぱり行って良かったな!!
でももう2度とこんな暑い日にこんな低山歩きはしない!!!

軽トラに乗る。
さあ、帰ったらシャワーを浴びてビールだ!

いや、実際はビール!シャワー!!ビール!!!になりました。(笑)


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