「平成」の元号は、2019年4月30日を以て終了することとなりました。
年末までにするか年度末までにするかは、皇室行事との兼ね合いを見ながらこれから決めるそうですが、「平成」とのつきあいも僅かな期間となりました。
西暦紀元645年の「大化」以来、1372年間続いてきた元号の使用をやめて、西暦に一本化するという勇気のある政治家もいないでしょうから、これからあれこれ取りざたされると思います。
時間的に近い幾つかを振り返っておきましょう。
慶応(一八六五〜一八六八)
出典「慶雲応輝」 =慶雲応(まさ)に輝くべし 『文選(もんぜん)』より
明治(一八六八〜一九一二)
出典「聖人南面而聴天下、嚮明而治」=聖人南面して天下を聴き、明に嚮(むか)ひて治む 『易経(えききょう)』より
大正(一九一二〜一九二六)
出典「大亨以正、天之道也」=大いに亨(とほ)りて以て正しきは、天の道なり 『易経』より
昭和(一九二六〜一九八九)
出典「百姓昭明、協和萬邦」=百姓(ひゃくせい)昭明にして、萬邦を協和す 『書経』より
平成(一九八九〜二〇一八年十二月末または二〇一九年四月末)
出典 「地平天成」=地平らかにして天成る 『書経』より
「外平内成」=外平らかにして内成る 『史記』より
「平成」にきまったときには、他に「修文(しゅうぶん)」「正化(せいか)」という案も有ったはずですが、ローマ字で表記した場合の頭文字が「S」では昭和と一緒で困るとの理由から、平成に決まったと記憶しています。
それにしても「地平らかにして天成る」=「地上が平穏であって、天の恵みも得られる」、「外平らかにして内成る 」=「外国とのつきあいが平穏であって、内政もうまくいく」の意味を持つ、平成の30年間は、東西冷戦の終結あり、ソビエト連邦の崩壊あり、天変地異あり、眠れる獅子(中国)の復活ありと、昭和とはまた別の意味で激動でした。決して天皇陛下のせいではありませんが。
やはり、元号に込めた願いなどは、中々叶わないものだと思います。
いっそ次の元号には、願いとは反対の意味を持つ文字を並べてはどうかと、天の邪鬼の私は思います。
そうすれば、安易に元号を冠する大学(現在は、慶應義塾・明治大学・大正大学・昭和大学・平成科学大学・帝京平成大学等)は出現しないのではないでしょうか。
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