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2017年03月12日15:44

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あれから6年-③-請戸小学校

去年の11月16日に福島県浪江町にある請戸小学校を視察する機会に恵まれました。
その当時でもこのエリアは「帰還困難地域」です。
請戸小は、海岸から約400～500メートルの場所にあります。
ここは漁師町でもあるので、教職員も児童も家族や地域のお年寄りから津波の怖さを聞いていたといいます。
卒業式目前で式の準備や練習の最中だったそうで児童は77人残ってたとのことですが、教職員が防災無線がなる前に「逃げろ」と指示を出し、近くの城山に避難します。
が、そこに至る通常ルートには津波が迫り、行く手を阻まれてしまったといいます。
立ち往生寸前で、普段からその城山を遊び場所にしていた男子児童が「裏道を知ってる」と、山道を案内し、間一髪のところで全員が城跡に登ることができ、全員が無事ですんだといいます。

田舎の子だなぁ…いい話だなぁ。
やっぱり子供は外で遊んで、何か大切なものを学び取っていかなくちゃ…。
また、一歩間違えれば津波に命を持って枯れる状況下で、その少年たちを信じて託した教職員たちも偉い。

この写真は震災当時の写真ではありません。
震災から5年半以上経った2016年11月16日に撮影したものです。

1階部分は壊滅。

2階はかろうじて無事で、2階に逃げていたらば生命ばかりは助かったかもしれませんが、1階と学校の周りが壊滅状態だったので、完全に孤立してしまったでしょう。
それに、あの津波を10歳にもならない児童たちに見せるのはトラウマになりすぎる。
無事だった2階へは階段が崩壊する恐れがあるので、行けませんでした。

福島第一原発から10Kmくらいの場所。震災直後は原発から近いという理由で捜索が1ヶ月以上入らなかったとのことです。
やっと復興工事が始まってきていますが、付近はまだ瓦礫の山です。

まだそのままの家もあります。

この小学校ですが、皮肉なことに「電源立地促進対策交付金施設」とかで、
かなり頑丈な、また、近代的というかお洒落な建物です。
これがここまでの惨状を呈してるというのを見ても、津波の威力が半端なかったものだと感じられます。

77人の児童たちはもう既に小学生ではなく、小6だった子たちは今年高校卒業です。