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2017年01月17日19:34

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「裏切りの街」 「MERU/メルー」 「ヒトラーの忘れもの」

「裏切りの街」 ’16

監督・脚本:三浦大輔
m:池松壮亮,落合モトキ,駒木根隆介,平田満
f :寺島しのぶ,中村映理子,佐藤仁美

三浦大輔の舞台劇を彼自身がdTVで映像化・配信したものを
映画用に再編集した劇場版。
ここに登場する人々の精気のない“何となく生きてる感”こそ
三浦大輔の芝居のテーマだろう。
池松荘亮演じるフリーター菅原の友人 伸二の軽薄さが
「恋の渦」のくそキャラどもを思い出させて愉快だが、
あの 眉をひそめたくなる“いただけない人間”の造形が
この人の芝居の妙味で、
ここでもキャラたちに実にイヤ〜な思いにさせられる。
“その後”は
「愛の渦」の時と同様 蛇足だと思う。ない方がよい。



「MERU/メルー」 ’15 (米)

監督:ジミー・チン,エリザベス・C・バサヒリィ

コンラッド・アンカー,ジミー・チン,レナン・オズタークの3人の登山家が
ヒマラヤ山脈メルー中央峰の岩壁“シャークスフィン”へ挑む山岳ドキュメンタリー。
まずもってこの登攀がこのように記録されている―ことに驚くが
ジミー・チンはトップクライマーであり 世界有数の山岳カメラマンらしい。
映画は、困難な登攀の記録―ではなく
「登山」とは対象なのか 人なのか
欲望なのか 信頼なのか 葛藤なのか 妥協なのか…
その「?」が驚異的な映像の中に読める―
そんな映画になっている。



「ヒトラーの忘れもの」 ’15 (デンマーク・独)

監督・脚本:マーチン・サントフリート
m:ローラン・ムラ,ミゲル・ボー・フルスゴー,ルイス・ホフマン

ナチス占領下、デンマーク海岸線に埋められた地雷は200万個超。
その除去を担ったのは
大半が捕虜となった15〜18歳のドイツ少年兵だった―
地雷撤去作業の経験などない彼らは母国の罪の償いを強いられ
半数近くが死亡もしくは重傷を負った―という事実がベースになった映画は、
飢え 脅え 母を乞う“少年”を“敵”の中に発見する
デンマーク軍軍曹ラスムスンの物語になっている。
ドイツ人捕虜を怒りにまかせて殴り倒すほど強い 彼のナチに対する憎悪が
少年兵たちを管理する過程で
彼らが名前と個性を持った一人の人間であることに
そしてまだ少年であることに気付き
受容へ 寛容へと変化して行く―
そういう語りなのだ。
人と人は このように出会い互いを知って行くべきだろうに…
ラストの希望を映画の演出と感じてしまうのが哀しい…。

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