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2016年05月26日08:19

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過重労働

私のような年寄が昔話をすると、

「ま〜た、年寄の苦労自慢か…」になってしまうので、滅多に話さないよう
にしているんのだが、記憶が鮮明なうちに書き留めておく。

その時、その瞬間を必死に精一杯生きている若者にとって、そんなジジイの
経験談(昔話)など、ただの戯言にすぎないことは理解できるから、普段は
あまりそういう話はしない。息子にも部下にも。


実際には昭和はそんなに良い時代ではなかったのに、「昔は良かった…」と
遠い目をして懐かしむのと似ているのかもしれない。


昭和は、のんびりとした「いい時代」だったというのがウソだと思える理由
として、昔から理不尽な過重労働は少なからず存在したということだ。



社会人になりたての頃にこんなことがあった。


私はバブル期の人手不足の時代にわざわざ劣悪な環境のソフトウェア開発の
業界に飛び込んだ。

文系の大学を卒業したのに。

新米SEとして研修を終えて、外部の親会社のところでシステム移行の仕事
を担当することになった。

研修終了後、ポチポチと細かいプログラミングを経験してから、わりとまと
まった量の販売管理システム一式をOS変更のためのコンバージョンする仕事
だった。

いくつかのこの規模の仕事の統括をする上司の下で仕事をすることになった
のだが、人手不足がだったので私のような経験の浅い新兵が1ユーザーを丸ごと
担当することになったのだ。


能力の問題もあるが、なんといっても新人なので、当然スケジュールに遅れが
発生する。能力的な問題はもちろんだが。

まあ中小企業相手なので、もともと予算的に厳しいスケジュールではあったのだ。


ユーザーの電算室に入り、納品物のシステム移行を開始したのだが、すぐに
障害発生。


今の時代、システムの「不具合」という言葉で片付けますが、要するにミス。

しかし、この障害の原因がなかなかわからない。


そのまま徹夜作業に突入。


しかし原因がわからない。経験不足。

二晩めに突入するところで、このままでは請求書発行に支障がでることを
ユーザー担当者に指摘され、朦朧とする頭で上司に連絡をすると
「すぐに戻れ」とのこと。


高速バスの中で死んだように眠り、会社へもどると、上司は不機嫌な顔
のまま報告を聞き、何も言わずにそのまま黙ってシステムを解析をし、もの
凄い速さで原因をひねり出した。


最後にSOS発信の遅さを叱責された。

とんぼ返りにユーザーのところに戻って、事なきを得た。


部下の進捗管理をしていない上司も問題があるかもしれないが、今考えると、
この上司も(人手不足とはいえ)、よく私のような右も左もわからないよう
な若造に仕事を任せていたもんだと思う。


胆力というか何というか、長年の経験による自信と広い懐がないと、こんな
芸当はできないだろうなあ…と、あれから上司と同じような年齢になった今、
理解できる。


システムの納品・検収作業のすべてが完了し、暗い夜道をトボトボと帰宅
する道すがら、自身の無力さ、情けなさに涙した。


暗い道なので、若い男が涙を流して歩いている気持ちの悪い姿は見られな
かったのではないかと思うが、今でも時々思い出して一人で赤面してしまう。


仕事の内容はそれぞれ違うし、それぞれ環境は違う。


ただ、とことんまで追い詰められたときに生き残れるか、壊れてしまうか。
…もう運でしかないのではないか、と最近は思う。


親と上司は選べないという諺(諺じゃないのかな)を聞いたことがある。

キツイ仕事でも上司の在り方によっては生きる部下もいる。

ただし、その逆は悲惨。

転職する理由の大半は、職場の人間関係だということは周知のことだ。



■十六銀社員の自殺は「パワハラ原因」 労災認定求め提訴
(朝日新聞デジタル - 05月25日 20:00)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4010408
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