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2016年04月03日23:28

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「スクール・オブ・ナーシング」 「家族はつらいよ」

「スクール・オブ・ナーシング」 ’15


監督:足立内仁章 脚本:小島秀樹 原案:山崎かおる
m:榎孝明
f :桐島ココ


看護学校に通う看護師の卵のお話…というのはいかにもありがちな企画で
あまり興味を引かれないのだけど、
これはつい先日マラソンで訪れた人吉市が舞台ということで
全然期待せずに出かけてみたら…
いいじゃないか!これ。
熊本県や人吉市がお金を出したご当地映画なのか判然としないし
足立内仁章という監督も知らないのだが、
この“看護師が一人前になるまでのお話”は
一つ一つのエピソードに大変抑制が効いていて
大仰や過剰や笑いを取ることに流れそうなところを悉く踏みとどまって
決して形ばかりのお手軽な感動で終らせない
とても好感度の高い脚本なのだ。
人吉や天草の風景が登場するが
ご当地映画らしく観光スポットが出張って来ることもなく
風景は背景以上に主張をしないし、
榎孝明や佐伯日菜子や吹石一恵といった有名俳優もあくまでサポートで
看護学生の成長物語を邪魔しない設えである。
年間ランキングに残ったり
これは面白い!お薦め!というタイプの映画ではないけれども
地味で小ぶりながらも とてもよくできたドラマなので
TV放映なんかがあれば 是非ご覧になってみて下さいませ。
(ちなみに
思惟太の泊まったホテルもちゃんと映っていて 嬉しくなったよ(笑)。)





「家族はつらいよ」 ’15


監督:山田洋次 脚本:山田洋次,平松恵美子 音楽:久石譲


渥美清を喪って以降 久々の山田洋次の喜劇。
実は『母と暮らせば』より前に完成していた作品らしい。
『東京家族』の家族構成そのままの配役で熟年離婚の騒動が繰り広げられる。
いや〜、楽しいなぁ!山田洋次の喜劇!
私は「寅さん」のよい読者ではないのだけれど
「寅さん」の持つ安心の笑いがここにはあるように思う。
人間と人間の間の空気が緩やかで優しくて
決して残酷とかギスギスとか居心地の悪い事態に陥らない…みたいな?
コントみたいに爆笑を仕込まれた小芝居じゃなくて
キャラの個性が日常生活にもたらす笑いを丁寧に作って行くので
観客は “あるある…”とニヤニヤするし
役者の過剰な芝居が却って嬉しくなったりする。
ああ、やっぱりいいなぁ 山田洋次!と思ってしまう。
橋爪功が驚異的に上手い!(笑)
なんか あまりにどこにでもいそうな厄介な老父―って感じを
見事に作り上げてると思う。
また観たいなぁ…山田洋次の喜劇!

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