mixiユーザー(id:453082)

2016年01月16日03:38

331 view

『ルパン三世 イタリアン・ゲーム』

録画していたスペシャル『ルパン三世 イタリアン・ゲーム』見る。

『ルパン三世』のスペシャルはヒドいものが多くて、ルパンファンでも諦めて見離している人が多い。
しかし今回は今放送中の第4シリーズのスタッフだから、ちょっとは期待できるのかと思ったのだが…。

まさか、第4シリーズから2話ぶんを再編集するとは…すごい手抜き。

肝心のオリジナル部分は『アンストッパブル』からのパクリ。しかも誘拐犯(レベッカファンみたいなオタク)を出す必然性がまったくない(笑)。寿司を銭形に食われるギャグも寒かったし、手錠を外す方法もあまりにいいかげん。
仮面伯爵の正体も含め、カリオストロの隠し部屋のオチもしょぼい。

やっぱりルパンスペシャルに面白いものナシの伝説は破れなかったな。

飯岡順一の『私の「ルパン三世]奮闘記』を読むと、スペシャルはいつもスケジュールがギリギリでアニメーターが満足のいく作画ができないという。脚本の打ち合わせ会議も、今回はあの洋画のあの手を参考にしよう、とかいう会話がなされているようで、どうもあまり感心できない。30分枠のアニメならある程度手を抜こうが、洋画からのパクリをしようが、それほど気にならないが、2時間スペシャルでそれはあまりに厳しい。今回の作品も、そんな感じの印象なのだ。

ふと先の本『私の〜』からこんな件りが頭に浮かんだ。

第2シリーズで、宮崎駿が会社の事情で2本のエピソードを担当することになったとき、それまで第2シリーズを作りあげてきた飯岡たちは宮崎に反感を持った。彼らが用意していた最終回も、社の命令で突然宮崎駿が担当することになったのだから当然といえば当然だろう。いいところを宮崎にかっさらわれていった形である。また宮崎は飯岡たちの用意した脚本では作る気がしないと、自身のオリジナル脚本を持ち込んだことも火に油を注いだようだ。

打ち合わせ会議でその一本、『死の翼アルバトロス』の絵コンテが俎に上がったとき、シリーズ構成の鈴木清順はページをめくりながら「何を描きたかったか、伝わってこないし、判らない」と言った。宮崎は一瞬黙り込んでから、「テレビなんてこんなもんです」と答えた。飯岡は、宮崎のこの言葉に「クソッ! 偉そうに、何様だと思っているんだ!」と煮えくり返る思いをしたと述懐している(88〜89頁)。

しかしながら宮崎が担当した2本、『死の翼アルバトロス』も、最終回の『さらば愛しきルパン』も完成した作品を見れば、とてもテレビ向きに作られた作品とは思えないクオリティの高さである。

今回の『ルパン三世 イタリアン・ゲーム』を見て、作り手が「テレビなんてこんなもんです」と言っているように思えたのは皮肉な話である。まさかとは思うが、『ルパン三世』の2時間スペシャルはロクなものがないのはスタッフがそんな意識だからじゃないよね?

1 4

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する