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2016年01月19日01:51

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上岡敏之 2015年 第九コンサート

年末から日記に書きたいことがたくさんなんだけど、書く時間がない。。。。
取り敢えず、忘備録としてトピックのみ挙げたい。

mixiにもつぶやいたが、上岡敏之の第九。
素晴らしかった。
例によって、流線型のなだらかなシュティール。
第九という「カロリーたっぷりのステーキ」を食べたいお客さんは、「絶品のアジ料理」が出てきてびっくり、だと思う。
事実僕自身、第一、第二楽章、、、そして面白かったが第三楽章までは物足りなかった。(上岡の業としては文句なしだが、曲との相性)
ところが、第四楽章、あの持続曲と言われる楽章が、これまで聴いた中で最高の演奏だった。

彼のスタイルは、シューリヒトのように基本なだらか。
第九冒頭の主題提示でさえ、ダイナミクス的に迫力不足を感じる人も多かったと思う。
彼の感じ方は独特で、小爆発は、普通の人の感覚とは違うところで、ポツポツ起こる。
その小爆発の面白いこと!
細部の念の入れようも半端なく、彫琢しつくしており、情報量も多いが耳のよい人以外は、「単にスピーディで、ステーキじゃない第九だな。軽いな、ノリントンかよ?」と思ったと思う。

ノリントンやヤルヴィとは役者が一枚も二枚も上岡が上手だ。

ただ彼の感覚は独特でヨーロッパ人、ドイツ人のそれとも違う。
コバケンや朝比奈のような日本人とも違う。
しかし、好みは別として、あの練り上げたサウンドは超一流だ。
問題はそれが第九に合っているかだ。

第三楽章までは「やっぱりアジだなぁー。面白いけど、ドンピシャの曲ではないのかな」と感じた。
が、大四楽章のレチタティーヴォが素晴らしかった。
こんなに活き活きとしたオペラのような終楽章がはじめて。
歓喜主題も、あんなに丁寧に扱われた例ははじめて。
歌手の歌い方はまったくオペラ、オールドスタイル。
上岡にとって古楽器風だとか、そういうことはまったく枠外なのだ。
ただただ自分の描く理想の第九のみ。

テノールが入ってから、コーダまでは、僕の筆力では無理だ。
ともかくドラマに徹した起伏の激しい終楽章で、コーダも含め大感動だった。

次の大阪での上岡は3月、夜公演で、かつきらいな「巨人」なので、迷っているところ。
時間の問題がなければ、絶対に行く。
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