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2015年10月04日23:24

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今週の科学ニュース-10月4日

 皆様、こんばんは。ラグビー日本代表は、ワールドカップで奮戦中です。ただ、スコットランド戦で負けっぷりが良すぎました。これで、準決勝に進出できたら奇跡と言えましょう。

シーラカンス類の新種化石=南アで発見、3.6億年前(南ア・ウィットウォーターズランド大学)
 南アフリカのウィットウォーターズランド大学の研究チームは、南アフリカのグラハムズタウン(Grahamstown)で古生代デボン紀後期の地層からシーラカンスの新種の稚魚の化石30体以上を発見したと論文で発表しました。シーラカンスと言えば、古生代を代表する化石魚類で、とっくに絶滅していると思われていたものが、1938年に南アフリカで(後に、インドネシアでも)ほとんど化石と変わらない状態で発見され、元祖「生きた化石」として知られています。今回見つかったシーラカンスは、現生のものや、知られている化石のものと細かいところで異なっているとのことで、新種と認定されました。現生のシーラカンスは深海に生息しているために滅多に見ることは出来ませんが、今回の化石は古生代には浅い海だったところと考えられるとのことで、そういう意味でも現生シーラカンスとは異なるのかもしれません。
University of the Witwatersrandのプレスリリースはこちら
Zoological Journal of the Linnean Societyの該当論文のAbstractはこちら

火星表面に液体の水、「最も有力な証拠」を発見(NASA)
 今週の日本での科学関連のニュースで最もホットに報じられたものです。NASAによると、1.火星の地表の斜面に細かい筋が有り、この筋は季節によって現れたり消えたりする。2.地表のスペクトル分析で、過塩素酸塩などの含水塩が存在していることが確認されている。3.濃い塩水は、塩の種類によっては-70度でも凍らない。ことから、「細かい筋」を作るものとして、液体の(塩)水が存在していると「推測される」としています。解説記事にも、AFPの記事でも指摘しているように、NASAはまだ実際に液体を確認しているわけではないことに注意が必要です。飽くまで、「かもしれない」という話です。
NASAのプレスリリースはこちら
Nature Geoscience誌の該当論文のAbstractはこちら
該当記事の詳しい解説はこちら

「れいめい」使い、オーロラが瞬く仕組み解明(JAXA、名古屋大学他)
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)、名古屋大学などの研究チームは、2005年に打ち上げた小型高機能科学衛星「れいめい」の観測データから、オーロラの脈動(瞬き)が、「コーラス」と呼ばれる宇宙空間起源の電磁波の影響を受けていることが確認されたと発表しました。オーロラは、太陽風に含まれる荷電粒子が地球磁場にとらえられて大気圏に突入するときに発生する現象ですが、太陽風は連続的なのに、オーロラが瞬く理由がわかっていませんでした。今回の研究は、れいめいの観測結果を解析して、得られたデータの元となるオーロラの瞬きをコンピューターでシミュレーションした結果とのことです。
JAXAのプレスリリースはこちら
名古屋大学のプレスリリースはこちら
Journal of Geophysical Research, Space Physics誌の該当論文のAbstractはこちら

蛍光に光るウミガメを発見、世界初(ニューヨーク市立大学)
 ニューヨーク市立大学の研究チームが、南太平洋ソロモン諸島で、甲羅が派手ばでしく蛍光を発するタイマイ(絶滅危惧種のウミガメの一種、日本では、(かつては)べっこうの原料)の撮影に成功し、動画をナショジオのHPに公開しました。珊瑚や一部の魚類で、光を当てると光る(自分で発光するのではない)、蛍光を発する種類があることは知られていましたが、爬虫類での確認は初めてのことだそうです。(動画を見ると、確かに、黄色と赤のまだら模様の蛍光色の甲羅が見えます。)しかし、このようにはでばでしい甲羅を持つことによるメリットはまだわかっていないとのことです。異性へのアピールなのでしょうかねぇ。
City University of New Yorkのプレスリリースはこちら

「父性」に必須の脳領域=マウスで特定(理化学研究所)
 普通、雄のマウスは、子供のマウスを攻撃することが多いのですが、父親になると、自分の子供には養育行動をとることが知られているそうです。理化学研究所は、子供のマウスを攻撃するときと養育行動をとるときのそれぞれの脳の活性部位を特定し、養育行動をとる際に活性化する部位を外部から活性化して、養育行動をとらせることに成功したと発表しました。まだマウスでの結果でしかなく、霊長類などでの応用はまだこれからですが、活性化される脳の部位はマウスと霊長類とでよく似ているとのことで、案外展開は早いかもしれません。
理化学研究所のプレスリリースはこちらこちら
The EMBO Journal誌のAbstractはこちら

子どものぜんそく、腸内細菌の不足に関連か(加ブリティッシュコロンビア大学)
 カナダのブリティッシュコロンビア大学の研究チームは、新生児の腸内細菌の様子とその後のぜんそく罹患の関係を調査したところ、生後3ヶ月の時点で腸内細菌が普通より少ない子供がぜんそくになりやすいという結果を得たと発表しました。まだ、なぜ腸内細菌が少なくなることがあるのかとか、(ぜんそくをアレルギーの一種と考えれば)免疫系への影響のメカニズムとかは解明されていませんが、不必要に清潔すぎる環境はかえって子供の健康に良くない可能性があると言うことが示唆される結果となっています。日本でも、アレルギーと生活環境の改善の関連性が議論されているところです。将来は、子供に飲ませる「腸内細菌育成カプセル」みたいなものが登場してくるのかもしれません。
University of British Columbiaのプレスリリースはこちら
Science Translational Medicine誌の該当論文のAbstractはこちら

下半身不随の男性、脳波読み取りで自ら歩行に成功(米カリフォルニア大学アーヴァイン校)
 アメリカのカリフォルニア大学アーヴァイン校の研究チームは、(それなりの訓練が必要なものの)コンピューターで脳波を読み取り、その信号を無線で飛ばして足腰の神経を電気刺激することにより、脊髄損傷の男性を歩かせることに成功したと発表しました。要するに、健常者では脳から脊髄を通して足腰に歩けと信号を送るところを、脊髄損傷患者には脊髄を通さずに無線で電気信号を伝えることによって足腰に歩けと命令することが出来るようになったと言うことなようです。脊髄損傷患者には朗報と言えそうですが、これもまた軍事転用が可能な技術と言えなくもなさそうです。
University of California, Irvineのプレスリリースはこちら
Journal of Neuroengineering and Rehabilitationの該当論文はこちら

 では、今週はこの辺で。今週はいよいよノーベル賞ウィークです。
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