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2015年09月26日18:25

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ロイヤルオペラハウスのドンジョバンニ

9月23日、於:兵庫県立芸術文化センター

 生まれて初めて生のオペラを観たのは、35年ほど前の卒業旅行の折、ウイーン国立歌劇場の立ち見でのフィガロの結婚(ベーム指揮)だった。それ以来、モーツアルトのオペラを生で観るのは人生最高の精神的贅沢と思っていて、それは国内の日本人キャストによる市民オペラにちかいもので観ても変わらぬ感想だが、今年の2月パリのバスティーユ、今回とドン・ジョバンニを観て、これまでより充実した幸福感が減じた気がした。
 原因は演出。今回は途中までは、あまり違和感がなかったけど、最後にドンジョバンニが地獄に落ちたあと、「あの悪者はどこへ行った?」からドンナ・エルヴィラ以下6人の登場人物の歌が続き、ひととおりそれぞれこれからどう生きていくかを唄った後、エンディングの6重唱に入るのだが、今回はこの部分が省略されて、地獄おちからドンジョバンニが舞台から消えることなく、すぐにフィナーレの6重唱に入ってしまい、あっけなく幕。
 家に帰り、手持ちのDVDで省略された部分を再生したが、とても省略していいような冗長な部分とは思われない。これが、演出家の考えとしたら、モーツアルトのオペラをこよなく愛する者に対してはなはだ失礼ではないか。モーツアルトの傑作中の傑作オペラで、セリフ部分でなく歌の部分を演出の都合で、省略するなんて・・・
 32年ぶりの関西公演ということで、会場は盛りあがっていたけど、心の中ではこの演出にはブーを言いたかった。
 歌手は概ね高水準で、主役のダンカルジェロは風貌も併せて、まさに当たり役という感じだったが、期待していたヴィラゾンはそれほどでもなかったなあ。調子が悪かったのだろうか?
 NBSは関西公演はやらないものと思っていたが、今回は芸文10周年を記念しての特別公演だったよう。東京ではNHKホールだから、そこだけは関西でよかったかと自分を納得させた。
 
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