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2015年09月18日08:46

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【艦これ劇場】反撃!第二次SN作戦【E-5】奮戦!西部方面派遣艦隊【後編】

この物語は、艦隊これくしょん2015年夏イベント『反撃!第二次SN作戦』の内容を独自の妄想で書かれたものです。
オリジナル設定が苦手な人はお気をつけください。

前回
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【seen4】

吹き荒れる風雨の中、雷のような砲撃音が響き渡る。
その攻撃は激しさを増すばかりで、この世の全てを焼き払うが如くである。

「オヤカタ跳ビツキ腕十字固メ!」

迫りくる深海棲艦を一匹、また一匹と確実に行動不能にしていく影がある。
その動きは人間のものを遥かに凌駕する速さと、獣をも凌ぐ膂力を見せる。

「オヤカタキャメルクラッチ」

多勢に無勢を強いられる戦いだが、その姿は雄々しく頼もしい。
見るものを圧倒する迫力があった。

「サブミッションニまぐれ無シ、サブミッションコソ王者ノ技!」

襲い来る敵を紙一重でかわしては、逆に跳びつき深海棲艦をへし折る。
軍艦型のものは真っ二つに、人型を模したものは関節を砕く。
その姿はまるで鬼神の如く敵に恐怖を植え付ける。

「女ノ子ハ至宝、女ノ子ニハ指一本触レサセナイ、コノ世ノ全テノ女ノ子ハ私ノモノ」

頼もしいのか、不謹慎なのかよくわからないことを叫びつつも敵の数を確実に減らしていく。
いったいこのロボットに、ここまでの戦闘力があると誰が予想しただろうか。
しかし、いかに強いといえど所詮は個の力。
状況に慣れ、陣形を整えた深海棲艦の群れは次第に対応し始める。
ロボ提督の攻撃はサブミッションが基本となっている。
どんなに素早く動いたとしても、技を極めている瞬間は動きが止まる。

「・・・・・・シズメ・・・・・・シズメ・・・・・・!」

敵は技を極められている深海棲艦もろとも砲撃を浴びせかける。 ロボ提督は咄嗟に技を解いて飛び退くが、今度は飛び退いた先にも砲撃が襲い掛かる。
次第にロボ提督の被弾は増え、装甲と駆動部から悲鳴が上がる。

「女ノ子ハ・・・・・・ヤラセ・・・・・・ナイ・・・・・・」

ダメージを受けた装甲から浸水し、体内からも破壊が進む。
ロボ提督は生まれてから、まだ日数は浅い。
しかし、魔塔の建姫たちは彼にとても優しかった。 まだAIしか完成していなかった頃、色々な言葉を教えてくれた。
ボディの仮組みが完成したとき、手を取って歩く練習を見てくれた。
ロボットの自分を、まるで新しい家族のように接してくれた。
設計はウォーターポンププライヤー博士とアスファルトカッター博士がしてくれたが、この体は建姫のみんなが組み立ててくれた。
装甲一枚ネジ一本、この体は全ての建姫の優しさでできている。
そして今回の作戦で出会った艦娘たち。
彼女たちも最初は戸惑いはしていたが、優しく接してくれた、頼りにしてくれた。
命も宿らない機械の自分にとって、こんなにも光栄なことはない。
きっとこれから、もっと仲良くしてくれるに違いない。
体内でショートを起こし、意識がノイズに侵食されていく。

「私ハろぼっと・・・・・・例エコノ体ガ砕ケヨウトモ、彼女タチハ守リ・・・・・・抜ク」

たとえ作り物の命だったとしても、考え決断した回答はプログラム通りだからではない。
建姫たちが作り、育んでくれたAIが考えだした結論だ。
次第に動かなくなっていく体だが、機械の心に宿った魂は衰えない。

「自爆装置キドウ・・・・・・ミナサン・・・・・・短イ間デシタガ、楽シカッタデス・・・・・・アリガトウ・・・・」

少しでも敵に被害を与えるため、敵陣の中央に特攻するロボ提督。
自爆装置のカウントは確実に減っていく。
機械仕掛けの命が最後を覚悟したとき、エラー音が鳴り響く。
浸水による回路のショートで自爆装置が停止してしまったのである。

「ソンナ・・・・・・・私ハミナサンニ・・・・・・恩返シデキナイノ・・・カ・・・・・・」

体のあちこちから火が上がる。
内部ショートによるものか、砲撃のダメージによるものかはわからない。
ここで無駄死にするなら何のために生まれてきたのだろうか。
深海棲艦に囲まれ、彼はそっと最期のときを迎えようとしていた。

「勝手は!榛名が!許しませーーーんッ!!!」
「必死で時間を稼いでくれたんだ、ここからは私たちが本気出ァ−−−−−すっ!!」
「ロボ提督の雄姿に心打たれたネ!バーニングラァァァヴッ!!」

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間一髪間に合った艦娘たちがロボ提督を助けるため、深海棲艦に砲撃を開始しする。
しかしロボ提督は敵の中心部に居るため、上手く攻撃が通らない。
火力が強すぎてロボ提督を巻き込みかねないからだ。

「お願い大艇ちゃん、ロボ提督を回収してきて!」
「艦載機たち、二式大艇の護衛をお願い!」

秋津洲がくりだした二式大艇を中心に、翔鶴の操る流星改が囲むように飛翔する。
目指すは敵陣中心部、ロボ提督の救出。
流星改が敵を攻撃しつつ、二式大艇の航路を切り開いていく。
深海棲艦も対空射撃で応戦し、一機また一機と撃墜していく。
敵の攻撃を潜り抜けた二式大艇はギリギリの低空飛行でロボオヤカタを掻っ攫う。

「ナイスキャッチかも!」

しかし旋回して戻ってくる途中も深海棲艦は二式大艇の行く手をを塞ごうとする。

「させないよ!」

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咄嗟に北上の酸素魚雷が敵を殲滅して航路を確保する。
鎮守府を守るために、戦闘不能になるまで頑張ってくれたロボ提督を死なせない。
その心が艦娘たちの絆を、より一層強くしていた。

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「ナンドデモ・・・・・・シズメテ・・・・・・アゲル・・・・・・」

艦娘たちの奇襲から体制を立て直した戦艦棲姫が再び襲い掛かってくる。
今まで何度となく戦ってきた敵なだけあり、相手もこちらの手の内を知り尽くしている。
だがロボ提督のためにも負けるわけにはいかない。
何より一刻も早くロボ提督を修理しなければならない。

「・・・・・・シズメ・・・・・・シズメ・・・・・・!」

焦る気持ちの艦娘たちに戦艦棲姫の猛攻が襲い掛かる。

「こっちにも引けない事情があるんだよ!」

今回の編成で、唯一の駆逐艦である望月が気合の一撃を放つ。
普段は昼行灯を演じているが、やる時はやる艦娘である。
その秘めたる熱い想いを乗せた魚雷は戦艦棲姫の足をすくい横転させる。

「これでフィニッシュ!・・・・・なわけないでしょ!」

続いて金剛の砲撃が戦艦棲姫を襲う。
いかに頑強な存在である戦艦棲姫も、この一撃はたまらない。

「榛名!全力で参ります!」

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榛名の渾身の一撃が戦艦棲姫を打ち砕く。
残る敵も指揮官を失い連携が乱れたところを、次々に撃破していく。
こうして戦いは幕を閉じた。
なんとか勝利を掴むことはできたが、こちらも無事とは言いがたい。
未だに消息が掴めぬ五月雨と涼風、そして秋津洲の腕の中で眠るロボ提督。
彼女たちの胸中は決して晴れやかなものではなかった。


【seen5】

帰討した彼女たちを待っていたのは建姫たちだった。

「みなさんごめんなさい、ロボ提督が・・・・・・」

ロボ提督が自らの意思で飛び出したとはいえ、元々は建姫たちから借り受けたものである。
ボロボロに傷ついたその姿は、凄惨という言葉しか見当たらない。

「大丈夫だよ、ロボオヤカタは私たちの家族だし、何度だって治してあげるって!」

手渡されたロボ提督をギュッと抱きしめ、笑顔で答えるウォーターポンププライヤー。

「お疲れ様、ロボオヤカタ」

彼女の腕の中のロボ提督は、どこか穏やかな顔をしているように見える。
きっと生みの親である彼女の言葉に安心しているのだろう。

「でもでも、ロボ提督には感謝してるけど、自爆装置はいただけないかも!」

秋津洲の言い分ももっともである。
艦娘たちの艤装の整備も手伝ってもらっている以上、その件に関しては見過ごせない内容でもある。
もし自分たちの艤装にも、同じように自爆装置をつけられたらたまったものじゃない。

「何言ってんの?そんなのついてるわけないじゃん」
「え?」

ウォーターポンププライヤーの言葉に呆気にとられる一同。

「だってロボオヤカタは私たちの家族だよ?そんなのつけるわけないじゃん」
「え?でも自爆しようとしてたかも?」
「ロボオヤカタはロボットアニメとか好きだから、きっと自分にもついてるって勘違いしてたんだと思うよ」
「な、なんだってーーー!!」

なんとも人騒がせな思い込みである。
しかし今回に限っては、ロボ提督のその熱い想いが勝利に導いてくれたことには違いない。
艦娘たちも彼のことを、本物の提督同様に尊敬の眼差しを送っていた。

「ただいま、今帰ったよ」

声に振り返ると、そこには時雨と五月雨たちが立っていた。

「なんだかボクたちがいない間、大変だったみたいだね」

五月雨たちからある程度の話を聞いていたが、現状は時雨の予想を越えていたようだ。

「大変どころじゃないって!ところで提督は?」
「一足先に執務室に行ったよ、早く状況の把握がしたいんだって」

実際に提督と時雨が不在だったのは、ほんの数日だけである。
しかし、大規模作戦の発令もあり、ずいぶんと会ってないような気もする。

「ん?ところでそれはなんだい?」

傷ついたロボ提督に気づいた時雨が駆け寄ってくる。

「すごい!提督そっくりだ!」
「ホントだ!提督さんにそっくりだー!」

初めて見るロボ提督に感動する二人。
・・・・・・二人?

「あの、時雨・・・・・・そちらの子は?」

当然のように時雨や五月雨たちと一緒に居る、見たことのない艦娘に視線が集まる。

「旅行先で拾ったんだ」
「犬猫を拾ったみたいに言ったら失礼ですよ、私たちの命の恩人でもあるんだから」

言い放った時雨の言葉を訂正する五月雨。

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「ブォンジョールノ!マエストラーレ級駆逐艦、リベッチオです。リベでいいよ、みんなよろしくね!」

ツインテールの艦娘が元気いっぱいに挨拶をする。

「なんでもイタリアから出撃して、迷子になったそうだよ」
「ええーーー!!」

時雨の言葉に全員が驚く中、当の本人はあっけらかんとしている。

「ねぇねぇ時雨ぇ、ちょっとここ探検してきていい?」
「ちょっと待て、勝手にどっか行くんじゃないよ!」

駆け出すリベを追いかける涼風、。
先ほどまでの深刻な空気は、天真爛漫な彼女の笑顔によって吹き飛ばされていた。


【続く】






その場で考えながら書いていたら、思っていたものと違ったものが出来上がってたww
ロボ提督はギャグ要員として出したのに、何で今までで一番のシリアスシーンになってるんだ?
なんだか私の思惑とは違った方向に向かっているようです。

今回の物語でのノルマは、提督と時雨の帰還。
なんせ次のE-6では時雨が出撃してたので、なんとしても呼び戻す必要があったんですよ。
でも提督の扱いには正直困ってます。
一応私の中では、主役はあくまでも艦娘たちであって提督ではありません。
今回のロボ提督はちょっと例外ですが、提督本人にはあまり目立ってほしくなかったりします。
そう考えると、アニメ艦これの提督演出って、ある意味正解だったのかと思ってみたり。
でもアニメの最後の方の提督は褒められたものではありませんでしたが。
難しいものです。

リベの登場に関しても、こんなもんかなって思ってます。
日本の大規模作戦でイタリア艦がしれっと参加してるのもおかしい話ですし、速吸みたいに本部から配属ってのも変だと思うし。
よって、海外艦は基本的に全員迷子か漂着設定ですww



実際の攻略に関しても、それほど苦戦しませんでした。
なんせ前MAP同様、丙クリアですので。
むしろ睡魔が最大の敵でした。
クリアした当初は乙でも良かったかなって思っていたのですが、全てを終えた今では、丙クリアはナイス判断だったと思います。
主に資材面で。

次からは、攻略でも手こずったMAPになりますので、どうしたものかと悩んでます。
今回はなんだかシリアス展開になってしまいましたが、個人的にはギャグ要素をもっと取り入れたいと思ってます。
とはいえ、私の技量、センスともにまだまだ足りない部分が多いので、どうなるかは自分でもわかりません。
なんせプロットも何も考えずに、行き当たりばったりで書いてますので。

それでは次回も生暖かく見守っていただけると幸いです。

フォト
㩴敲
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