これは浸水地域上流部の「越水」箇所。
*決壊ではないのがミソ。
ここには、こんな話があります。
http://www.asahi.com/articles/ASH9C5G6NH9CUTIL06H.html
鬼怒川水害「太陽光事業者の掘削が要因では」 住民指摘
千葉卓朗、牛尾梓2015年9月11日21時26分
北関東や東北を中心に降った記録的な豪雨により浸水被害を受けた茨城県常総市若宮戸地区で、民間の太陽光発電事業者が鬼怒川の土手付近の掘削工事をしたことが、水害の要因になったのではないかと住民らが指摘している。川があふれた現場は工事場所周辺とみられ、地元住民は昨年から、危険性を訴えていた。
この地区は、鬼怒川が決壊した三坂町地区の上流約5キロにあり、10日は決壊より前に越水被害を受けた。
常総市議会の昨年5月定例会の会議録によると、若宮戸地区の鬼怒川沿いには堤防のない区間が約1キロあり、自然の土手が堤防の役割を担ってきた。昨年3月、住民からの通報で、そのうち約150メートルにわたって高さが約2メートル削られていたことがわかった。この区間は民有地で、民間の太陽光発電事業者がソーラーパネルを設置するために掘削したという。
この地区で農業を営む小林康裕さん(66)は昨春、関東地方整備局の担当者に「何とかしないと危険だ」と電話で訴えた。地区の自治会や市議にも危険性を訴え、議会で取り上げられたという。小林さんは「不安が的中した。誰がどういう理由で、土手の掘削を認めたのか、明確にしてほしい」と憤る。
市側の指摘を受け、鬼怒川を管理する国土交通省下館河川事務所は、削られた部分に土囊(どのう)を積み上げた。その後、堤防を早急に設置するため、測量や設計を実施するなど、対策を本格化させたところだった。(千葉卓朗、牛尾梓)
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これだけ見ると、
「ああこんなことがあったのか!」「やっぱりな」なんて思っちゃって、
人災だ人災だ!なんでこっちをもっと報道しないんだ!
とか言う奴が湧くわけですよ。
はては、
「太陽光発電政策は菅直人がどうのこうの」
「ミンスがミンスが」
とね。
バカじゃねーの?
もし「決壊」していたらこの工事の責任は問われるでしょうね。
でも、決壊してないし。
今現在のグーグルアースで確認できる現地。
当然、被災前の状態。
(グーグルアースってどのくらいで画像更新するんだろうね?)
これで見るとよく分かるんだけど、
堤防の内側(居住地側な)ががっつり掘られて、
自然堤防であった堆積土の部分が、かなり減っている。
うんこれはちょっと、決壊するとしたら「ここ」になるかもね。
入口部分と、手前の旧家の長屋門。
これでみるかぎりは、この地域ってあまり水害を前提としていないね。
だから、ちょっと「想定外」事態だったかも。
でこれが、水害後の画像。
これで見る限り、「堤防部分」には一切壊れた形跡がない。
つまり、
「ここであふれた」だけ
もし、このソーラーパネル設置のために「堤防高を下げた」のだったら、
それはダメだけど、
ここまでの写真を見る限り、
このソーラー設置で堤防を下げた形跡はない。
当たり前ですが「そんな恐ろしいこと」普通はできません。
なので、結論としては、
「ソーラーパネルがあろうがなかろうが、
ここであふれた」
ということになります。
堤防本体を削って弱体化させているのは問題だけど、
今回の「越水」は、このパネル設置の責任ではない。
人災の部分を言うとしたら、「堤防の本体工事」をしていなかったことでしょうね。
そして、下流側の「決壊」部分。
なんでこんなところがぬけるかな〜〜とちょっと考えた。
決壊しているのは、
上の方に見える青い大きな屋根の農家の納屋と、
その下のガソリンスタンドの銀色の陸屋根の間です。
なぜここが?
ここからは、完全に私の推測でしかないので違う可能性も高いです。
西側の河川敷部分に、広大な採砂場が見えます。
そして、決壊箇所の下流部分に、入り口が作られている。
このせいじゃないかな?と。
まずここ、堤防高が少し下がっています。
ダンプを通りやすくしたんでしょうね。
だから、越水したはず。
砂を積んだ重いダンプが通過するたびに、堤防内部の弱体化が進んだのではないか?
もともと泥がたまったようなものだから、
振動にさらされることで結びつきが弱くなったと考えます。
なおかつ河川敷部分をすっきり削ってしまったために、
水の圧力が直接かかる。
ピンポイントで越水したことにより、水流による侵食が進む。
そして、圧潰。
そんなかんじじゃないかな?と思う。
まあ予想できないってことでもないかな?
こういう「堤防を低くして」「工事をしている場所」は壊れやすいものでしょ?
大水害で問題になっているのは、こっちのほうですね。
さあ、予期できたのか?
「できたでしょ?」
たぶんだけどね。
他の雨の時に、堤防調査をしなかったのか?って話。
たぶん、ヒビ割れて漏水してチャプチャプしていたいはず。
しかし、放置した。
>「決壊を想定しておらず、情報がきた所にピンポイントに出すべきだと考えた」
素人の行政なんてこんなもんです。
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決壊場所の特定に手間取り…常総市、18分後に避難指示
2015年9月14日17時34分
茨城県常総市の洪水で、堤防が決壊した同市三坂町の上三坂地区には決壊前に避難指示が出されていなかった。「指示が出ていれば……」。市の対応に不満を示す住民もいた。
決壊した堤防の約150メートル北東、上三坂地区に住む中沢弘子さん(70)は「避難指示が出ていれば、逃げるかどうか、逃げる時はどこに行こうか、早く考えられたはず」と話す。
10日午後0時半ごろ、自宅で昼食をとっていると、「ゴー」という低い音が外から聞こえた。目の前の民家が流され、外には出られなかった。2階のベランダからヘリコプターで救助された。
「近くの家が流され、うちも流されるんじゃないかと不安と恐怖でいっぱいだった。まさか堤防が崩れるとは思っていない。逃げなさいと強く言われていれば逃げていたでしょう」
妻(76)と自衛隊ヘリに救助された上三坂地区の秋葉政則さん(80)は「避難を呼び掛けてもらえたら、自力で逃げられたのに」と話した。
常総市の説明では、住民の情報を基に中三坂上、中三坂下地区には午前10時30分に避難指示を出したが、上三坂地区に出したのは午後1時8分。決壊から18分後だった。国土交通省から「決壊した」という情報が寄せられたが、場所の特定などに手間取ったという。
市は、地区を分けて避難指示を出した理由について「決壊を想定しておらず、情報がきた所にピンポイントに出すべきだと考えた」と説明。今後について「空振りを覚悟で広範囲に出すべきだと思う」としている。
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