現刻より夏休み態勢に入る。
定時に会社のPCにメール自動応答機能をセットして退社した。
「8月17日(月)〜21日(金)は夏季休暇につき、メールを拝読できません」
1年前の同じ時期の日記の書き出しも同じだった。
お盆の次の週に夏休みを取るのが僕の流儀なんでね。
なぜかというと、お盆は会社の偉いさんがあらかた休むので自分のペースで仕事ができる。
電車も空いてる。
しかも、それまでには同僚も大概は休みを取ってるので、へっへっへ、おいらはこれから休みだぜと優越感に浸れる。
で、優越感に浸るなんていうからには、さぞ豪華なバカンスプランをお持ちなんでしょうなと聞かれるかしれないけど。
なんもない! 見事にない。
とりあえず、カミサンが日曜まで里帰りしてるので、猫のまりんの世話をすることが最大のミッションだ。 今日も飲みの誘いを断って、まっしぐらに帰宅した。
まりんは誰もいない家の玄関で僕を待っていてくれたよ。
あとは洗濯とか。 植木の水やりは時ならぬ集中豪雨があったので、やらないですんだ。
ということで、せっかくの夏休み第一弾の日記なのに書くことがあんましない。
ので、先週見てきた感動の作品を紹介したい。
バケモノの子
先週の金曜日、例によって総帥とツーマンセルで新宿バルト9で鑑賞してきた。
先週の金曜日というのはさ、前回の日記に書いたタイから帰国した翌日。
ということなので、それなりのヲタク魂を汲み取ってもらえるとうれしい。
で、そのバケモノの子なんだけど。
僕らが日頃見て日記のテーマにしてる押井とか庵野とか萌えとか酷いとかそういうディープな系でなく、なんというかジブリ的ファミリアな作品なのでご存知の方も多いと思う。
で、これがねえ。 よかったあ!
上映がハネたあとの僕らの会話。
僕 「感動してしまった」
総帥 「酷いのを見て、日常に帰らねば」
僕 「でも、巨乳派のスコープには入ってないかも」
で、総帥が大阪の地にいる仲間にメールを送った。
「バケモノの子、見るべし」
で、僕もかぶせた。 「見るべし」
まあ、現在ヒット上映中の作品だし、ヲタク以外のマイミクさんにも老若男女を問わずにお薦めしたいので、ネタバレはなるべく回避しながら紹介すると。
まずなんといっても、キャラ立てとストーリーがよく練られてる。で、画像のクオリティも高い。
僕は最初はまあよくある設定だなくらいの感じで見てたんだけど。
上映15〜20分くらいから物語に没入した。 で、没入し続けて、最後は2回くらい涙腺がじんわりしたよ。
ということで、キャラ立て、ストーリー、画像というアニメの成功3条件を全部満たしてるわけだ。
あとは声かな。
僕も総帥も宮崎駿や押井守らの巨匠がよくやる人気俳優の起用には否定的なんだけどね。
アニメのキャラには本業の声優が声をアテてこそ魂が宿るのだ!ということで。
それがねえ、今回はもう人気俳優総出演という感じだった。
で、これがハマってた。
一番はリリー・フランキーかな。 左の猪八戒みたいな顔の導師の役。 右の孫悟空みたいなのをアテた大泉洋も巧かった。
バケモノ主役の熊徹は渡辺健と並ぶ国際スター役所広司。
で、ヒロインのJKは広瀬すずちゃん。
あと、仙人みたいな長老をあっと驚く津川雅彦がやってた。
仙人といえば。
ミスチルの歌をバックに場面場面が映るエンドロールを見てたら、引用作品として「悟浄出世」が挙げられてた。
どの場面か気がつかなかったなあ。 中島敦ファンとして不覚だった。
ほかの話題としては渋谷かな。
こないだカミサンが友達とヒカリエでやってた岩合光昭さんの写真展を見てきてさ。
すっごくよかったわよお!の連発だったんだけど。
あなたの好きそうなアニメの展示会もヒカリエで開催されてたわよと言われた。
それもそのはず、バケモノの子はあれは間違いなく東急がサポートしてる。
なにしろ、舞台は徹頭徹尾、渋谷とその周辺なんだ。
人間世界とつながってるバケモノ世界の名前もジュウテンガイだ。
僕は最初は獣天街かと思ったんだけど、そうじゃなくて渋天街だった。
さて、この夏休み公開で一般受けさせつつ、僕やあまつさえ総帥までをも唸らせたアニメーター細田守とは如何なる人物なのか。
学校卒業後ジブリは不採用になったけど、その後も今をときめく多くの作家と同様にあのスタジオとはなにかと関わりがあったようだ。
で、徐々に芽を出していって、劇場版「デジモンアドベンチャーぼくらのウォーゲーム」で関係者から高い評価を受けた。
で、うちとこの長男、当時小学校4年か5年生からも高い評価を受けた。
この監督は将来大物になる!
実は僕もそのとき一緒に見てるんだよ。
というのも、あの頃2000年ミレニアムにジャンプで人気が出てき始めたのがONE PIECE。
で、僕も小学生(!)の息子らが買ってた単行本を読んで、おお!これは!やるじゃん!と思ったわけだ。 百計のクロが出てたこの辺り。
で、それが劇場版になると聞いて、息子二人及び長男の同級生一人を引き連れて地元の映画館に行った。
で、そのとき同時上映だったのが細田のデジモンだったわけだ。
で、よかったといえばよかったけど、しょせん前座だったんでねえ。
恥ずかしながらあんまり記憶に残らなかった。
僕が細田守の名前を認識したのは、月並みに「時をかける少女」だった。
これはレンタルビデオで見た。
で、繰り返し何回も見た。 そのくらいハマった。
元々、僕は「時かけ」が好きでねえ。 映像オリジナルの大林宣彦×原田知世ね。
「人間の証明」を学生の身で大枚はたいて封切館で見て、なんじゃこりゃあ!と(心の中で)叫んで以来の角川映画嫌いを払拭させられたほどに気に入った。
で、細田のアニメ版を見たら。
大林の時かけをある程度は尊重しながらも、キャラ立てから話の運びまでまったく違う作品世界を展開しててねえ。 それがピタッと決まってたんでさ。 むむむ、これはだったわけだ。
で、その細田守の新作が公開されるというので、映画館に見にいった。
で、痺れた。 これね、サマーウォーズ。 夏戦争
なんというか、第五の極が現れたという感じだった。
つまりさ、アニメーターというものは、テレビシリーズないしはOVAで評価されてなんぼという感じがあるわけだ。
そういう中で、わしらテレビは色々やってきたし、これからは劇場版だけでやっちゃると言って許される巨匠が宮崎駿と押井守、庵野秀明。
あと、系列には属さないで独自世界を創ってる新海誠。
で、夏戦争を見終わって、細田守もこの中に入れていいと思った。
他にも、新房昭之、渡辺信一郎、神山健治など、我がクールジャパンには俊英がひしめいているんだけど。
そういう中でも劇場版で勝負の路線を貫いてるのがあげた5人だと思うわけだ。
その中の一人である細田が劇場版ヒットメーカーとして放ったのが「おおかみこどもの雨と雪」。
僕はこの作品を3年前の夏休み、2015年8月20日に浦和パルコの上のシネコンで見た。
なんでそんな細かいことがわかるかというと、もちろんmixi日記に書いてるから。
その抜粋。
「一代の傑作サマーウオーズに比べると平板な感じもあるけど。息子がいみじくも言っていたように、「おおかみこども・・・」は、ストーリー展開よりもしみじみしたり微笑ましかったりするエピソードをいくつも積み上げてあって、それが魅力になっていると思う。」
まあ、一応持ち上げつつも全肯定はしてない。
でも、おおかみ子供は大ヒットした。
で、その細田が満を持して放ったのが「バケモノの子」なわけだ。
これはねえ、留保条件なしで、誰にでも薦められるよ。
ということで、日付変更線を大分超えちった。
今はもう土曜日。
これで床に入って目が覚めたら、ほんとの夏休みに突入だぜい。
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