細田 守監督 東宝
仕事に行き詰まり、気分転換で観てきました「バケモノの子」正直かなり良かった。全然期待しないで行ったのが良かったのかも。気分も良くないので思いっきりディスろうとして斜に構えて行ったけど、ディスる部分よりも子供向けへの配慮に（やり過ぎな部分もあるけど）納得してしまった。
「時をかける少女」と「サマー・ウォーズ」が良かったからものすごく期待して観に行った「おおかみこどもの雨と雪」がとにかく酷かった・・・まぁ私が子供が基本的に好きじゃない部分もあるとは思うけど、ストーリィがとにかく酷い。なんでアレで誰も文句言わないのか気になる。
が、今作は父親と子供の関係に焦点を絞ったのが良かったのかも。関係性という意味では熊徹とキュウタという子供に成長や変化はほぼ皆無であるのに信頼性が高まるのが良かった。リアル父親との関係性の再構築も葛藤があって良い。ただかなり説明台詞が多いし、強引な展開も多いし（おい、あのヒロインの登場場面の古くさい手法はちょっとどうかと思うぞ）、ダメな部分も多々あるけど、これはやはりローティーンに向けた作品なんだと思うといろいろ納得出来る。そういう意味で子供向けの作品の素晴らしさ、たとえば我々世代が観たテレビ版「ガンバの大冒険」だと言ったら褒め過ぎだけど、そういう作品だと感じた。
宮��あおいが少年にはちょっと無理があるし（女の子に見える）、リリー・フランキーにも難ありだけど（なんか修行僧なのに達観した感じが出ない）、大泉洋と、何より熊徹の役所広司は素晴らしかった。まぁその他声優じゃない人の台詞はやや浮いてる感は否めないけど、そういうの抜きにしても子供にはイイ。一朗彦の伏線は子供だったらちゃんとびっくり出来るし、闇を宿すのもなかなかベタながらも良い設定だと思う。
まあ死者が出なかったニュースを流すのはちょっとどうかと思うけど（あの規模の爆発で死者が出ないのはまぁ無い）とか、ダメな部分はあるにしろ、子供向けと考えれば十分良作です。
子供の人にオススメ致します。
で、何より衝撃だったのは予告編で流れた「ガンバ」です・・・ああ、酷い、酷いよ！これは正直結構な人が怒って良いレベルですよ・・・そういうつもりは制作者側にはないんだろうけど、これは酷いよ。テレビ版ガンバの影の素晴らしさ、躍動感、声優さんの豪華さ等あまりに傑作のリメイクはハードルが上がってしまい、元の作品が好きな人から罵られる事は多いと思うけど、これはとてもキツい。何しろ３Dにしてるみたいだけど、テレビ版ガンバの２Dの方がよっぽど立体感があり、深さを感じる。どうしてココまで、という感じしかしない・・・
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