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2015年05月18日13:41

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サイバーダイン見学

先日友人のるてんさんとサイバーダインに見学へ行って来ました。
毎度の大人の社会科見学です。

サイバーダインと聞いてもピンとこない人も多いかと思いますが、介護などを目的としたロボットスーツを作っている会社です。会社名は知らなくてもロボットスーツはニュースなどで見たことがある人もいるかと思います。ちなみにロボットスーツと言う呼び方はサイバーダインが登録商標を持っているそうです。

今回は会社見学ではなく、ロボットスーツの体験です。サイバーダイン本社ビルから徒歩数分の所にあるショッピングモール内にサイバーダインのスタジオがあり、そこで装着体験をしてきました。
見学のコースは3つあり、
1、腕にセンサーを付けての遠隔操作(45分程度800円)
2、腰に装着するロボットスーツの体験(60分程度10000円)
3、足に装着するロボットスーツの体験(120分程度15000円)
私たちが体験したのは3のコースです。今回は珍しく有料です。

最初はサイバーダイン社の説明やロボットスーツの成り立ちなどを説明されました。
ここで説明用に使ったディスプレイは操作はスマホと同じなのですが、画面が大きく100cm×50cmくらいはあったと思います。そして同時に数人が触っても全てに反応するのです。これは面白かったです。

この説明の後はロボットスーツでの体験です。
まずはセンサーを腕に付けての遠隔操作です。腕を曲げ伸ばしをすると、それと同じようにロボットも同じ動きをします。人間の脳から出る動かす命令の電気信号をセンサーで拾って動くそうです。確かに何も考えなくても同じように動くのですが、曲げ伸ばしの途中で止めようかと思ったのですが上手くいきませんでした。微妙な動きをさせるのには慣れが必要なのかもしれません。微妙な動きをさせようとすると力だけがが入ってしまい、命令の信号は逆に弱くなってしまいました。

そして足に装着するタイプの体験が始まるのですが、健常者の場合ロボットスーツを装着してもロボットのアシストを実感するのは難しいそうです。なぜなら何もなくても普通に歩けるからです。むしろロボットスーツが邪魔に感じるのだそうです。
なのでアシストを実感する為に片足に重りを付けての体験となります。重りは2.5kgありこれを足首に巻きます。この状態で歩くと当然ですがかなり抵抗があります。この感覚をまず覚えロボットスーツを装着します。
ちなみに完全に足が無い障害者でも使用可能で歩くことが可能なのだそうです。足が無い部分から電気信号さえ拾えればロボットスーツを動かすことが出来るそうです。

ロボットスーツの装着ですが、これがかなりの手間でした。電気信号を拾う為のセンサーのシールを直接肌に貼り付けます。片足で5ヶ所。その後椅子に座らせた状態のロボットスーツを装着するのですが、社員の人が1人付きっきりで装着しないといけません。これはかなりの手間でした。服の上からセンサーもつけずにスポッと付けられるのが理想と言っていましたが、そうなるのにはまだ時間がかかりそうです。

写真のは私が装着したロボットスーツで日本用、るてんさんの装着したのはヨーロッパ用でした。違いはサイズです。日本用だと最大でも180cm程度の人までですが、ヨーロッパ用は200cmまで可能だそうです。それとヨーロッパ用のは有線のコントローラーが付いています。これはドイツで医療機器としての認可を取る時に無線だと許可を取るのが大変だったために有線を付けたのだそうです。現在ドイツでは無線モデルも認可が下りているそうです。
日本モデルではパソコンに情報がリアルタイムで表示される仕組みです。

ロボットスーツ装着後まず立ったり座ったりをしてみます。正直アシストは実感できません。それどころかロボットスーツがあるので立ちにくいです。座るときも抵抗があって変な感じでした。ですが勢いよく座ろうとするとスーツのアシストがかかります。これは安全のためで勢いよく座るなどして怪我をしないための考えからだそうです。
ちなみに日本モデルは重さ11kg、ヨーロッパモデルは重さ16kgもありますが、装着してしまうとロボットスーツの重さはほとんど感じませんでした。むしろそんなに重たいのかと驚いたくらいです。

次に歩いてみると、上手く歩けません。ロボットのおもちゃがぎこちなくガッシャンガッシャンと歩くような感じになってしまいます。サンダーバードの歩き方のような感じです。
おっかなびっくりではなく、ある程度思い切って歩いたほうが歩きやすく、歩幅を小さくして、膝から下を使い蹴飛ばすような感じにすると多少はスムーズに歩けるようになりました。
健常者の場合どうしても自分の筋力を使って歩こうとしてしまうので、逆に疲れてしまうそうなのです。むしろ障害者の方が最初から上手く歩けると言っていました。
こうしてスタジオ内を歩いたのですが、その間右足につけた重りを全く感じませんでした。
多少慣れてきたところでルームランナーに乗り歩いてみます。この時パソコンには自分の出している足を動かす電気信号や重心のかかり方などがリアルタイムで表示されました。
アシストではなく完全に自動モードもるてんさんが体験しました。重心を片足に乗せると逆の足が勝手に上がる仕組みです。これを交互に繰り返すと自分の意思とは関係なく歩けるのです。

階段の上り下りもやりましたが、ロボットスーツでは足首が固定されてしまっているのでかなり変な感じです。普段よりも高く足を上げる感じで上らないと足が階段に引っかかってしまいます。普段は気にしていませんが階段の上り下りって足首も結構使っていたのですね。

こうして約2時間程度の体験が終わりました。終わった頃には汗をかいていて結構疲れました。やはり筋力で強引に動かそうとしていたのでしょう。
面白いことに次の日重りを付けていない方の足だけが筋肉痛になりました。重りをつけていた方は何ともないのです。不自由なほどアシストの実感が大きいのでしょうね。

ただ歩く事をこんなに意識したのは初めてでした。普段は何も考えずに歩けますので。

体験後にアレコレと話を聞きましたが、今現在恐れているのは技術流出と軍事転用のようです。レンタルも医療系の法人に限られるそうで、個人で借りる事は出来ません。軍需産業からもかなりオファーがきているようですが断っているそうです。ですが皮肉なことにこの手の技術が発達する最も早い手段は軍事転用なんですよね。

また腰だけに装着するタイプの物も見せてもらいました。これは建築現場などで腰痛持ちの人用で、これを装着すると作業効率が3倍程度に上がったというので驚きです。
パワーアシストの側面よりも、腰痛を気にせずに作業が出来る事が大きいのだそうです。それに疲れてきてからのアシストも大きいのでしょう。大林組が導入するそうですが、これは建築現場や工場などでかなり需要があると思いました。最近は私も腰に来る肉体労働系の作業が多いので、欲しい所です。

ロボットスーツに関しては日本ではまだ医療系の認可も下りていなく普及もまだまだですが、需要が確実にあるものなので、認可が下りて保健などで格安で使えるようになったら爆発的に普及していくものなのでしょうね。
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