mixiユーザー(id:2230648)

2015年05月03日21:32

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ふやすお話。

憲法記念日に寄せて,というわけでもないけれど。
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先日,電車に乗っていたときのこと。
私が座っていた席の後ろのあたりに,途中駅から,中高年男性5人ほどのグループが乗ってきた。
職場の旅行会か何かの帰りだろうか。

列車の心地良い揺れに半ば居眠りしながら,そのグループのおしゃべりを聞くともなしに聞いていた。
彼らの職場では最近,若い女の子が結婚したらしい。
そこから話題は「できちゃった婚」「授かり婚」の話になり,「かにばさみ」「かにばさまれる」というような単語が会話中に頻発するようになった。

かにばさみ?
あれって,確か,柔道の技のひとつじゃなかったっけ?
それがどうして,できちゃった婚の文脈で出てくるんだろう。
意味が分からず,ケータイからネットにつないで調べてみた。

要するに,男女がいい雰囲気になって,女性の方が「今日は大丈夫な日だから」と言うのでノーガードでコトを始めてしまって,しかしいざクライマックスという段階になるとやっぱり妊娠させちゃったらやばいので男性の方が腰を引き抜こうとすると,女性が男性の腰を両足でしっかりと挟み込んで(かにばさんで)腰を引かせない。
その結果としてめでたく?ご懐妊,結果として「できちゃった婚」へ。
これが「かにばさみ」ということだそうで。
要するに,女性側から「できちゃった婚」を狙うための手段なのだそうで。
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これらのことを解説していたネット記事が,なかなか面白いことを指摘していた。

若い独身女性の間では,約3割強が専業主婦指向を有しているという。
反面,若い独身男性の間では,自分の配偶者に専業主婦になって欲しいと望んでいるのは約2割弱。

今の日本では,女性の職場状況はまだまだ厳しい。
特に,共働きの女性にとっては,いろいろな意味で職場環境が厳しいと言って良いだろう。
若い女性が専業主婦を指向するのには,現実のそんな社会状況が影響していると思われる。
専業主婦になりたい女性は,将来有望で自分を養ってくれるだけの経済力がありそうな若手男性を無理矢理にでも捕まえるために,「かにばさみ」等の手段を駆使してでも結婚を迫るわけだ。

一方,今の日本では,終身雇用制が崩壊しつつある。
勤続し続ければ黙っていても稼ぎの額が増えていく,なんてことはありえない。
女性が「かにばさ」んででも捕まえたいような若い男性がそうそういるとは,思えない。
無収入の配偶者を養えるだけの収入を確保できない若手男性の方が,むしろ多数派だろう。
とすれば,結婚後も自分の配偶者には稼いで欲しいという,若い男性の考えは当然だといえる。
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現代日本社会が抱える問題点のひとつは,少子化による人口減少であろう。
そして,少子化のひとつの原因は,若者が結婚しなくなっていることにあるという。
よって,少子化状況を改善するためには,若者が結婚するための障害を取り除くことが有効だ。

方向性は,2つ。
方策1 若い男性の稼ぎの額が黙っていても増えるようにして,専業主婦指向の女性がバンバン結婚して専業主婦になれるようにする。
方策2 共働き女性の職場環境を改善することで共働き指向の女性を増やし,共働き指向の男性がバンバン結婚できるようにする。


方策1は,要するに夫の稼ぎだけで夫と妻と子どもの生活をまかなえるような,そんな高収入者を増やせという話だ。
これは,今後の日本経済を考えると,あまり現実味がないような気がする。

とすれば,有効なのは方策2だろう。
共働き女性にとって働きやすい環境を整えることは,少子化対策になるはずなのだ。

しかしどういうわけか,現政権で重用されている「有識者」の方々のうちには,女性の社会進出・女性の活用を好ましく思わない人が少なくない。
いわく,「育休を取るくらいなら仕事を辞めて育児に専念しろ」とか,「妊娠したら仕事を辞めろ」とか。
ついでに言うと,「選択的夫婦別姓反対」なんていうのも,女性の社会活用にとってマイナスの作用をもたらしているのではないか。
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理想社会というものがあるとしたら,それは,あらゆる選択の自由が最大限に保障される社会だろうと思う。

もちろん,あらゆる選択の自由が最大限に保障されるなんてことは,あり得ない。
例えば,殺人行為を選択する自由,なんてことは認められないわけのだから。

しかし,他者の選択の自由・他者の利益との調整を上手く行いながら,自己の選択の自由をできるだけ保障するように社会制度を改善していくことは,自由で公正な社会を実現することに資するはずだ。

日本国憲法の第13条が「すべて国民は,個人として尊重される」と規定しているのは,選択の自由をできるだけ保障するようにしよう,という意味ではなかろうか。
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まあ,憲法を持ち出すまでもない。
現在の少子化状況を改善し子どもの数を増やすためには,共働き女性にとって働きやすい環境を整える必要があるのだ。

言い換えれば,「育休を取るくらいなら仕事を辞めて育児に専念しろ」とか,「妊娠したら仕事を辞めろ」とか言っている人たちは,少子化状況を真剣に改善する気が無いのだろう(というのは,言い過ぎかな)。

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