短編集です。久しぶりに小説を面白いと思いました。
解説で北上次郎さんがこう書いています。
<以下引用>
「すごくよかった」と熱烈に語る短編がなんと人によってことごとく異なるのである。大きくそれは四派にわかれた。「鉄道員」「ラブ・レター」「角筈にて」「うらぼんえ」の四派である。
<以上引用>
わたしは「角筈にて」派になりました。解説の北上さんと同じです。中年男性の支持が圧倒的に多いそうです。弱く不遇な父親の哀しみに理屈なく共感するからでしょう。「鉄道員」も男の哀しみが十分迫ってきます。が,ちょっとかっこよすぎるようにも感じます。「ラブ・レター」と「うらぼんえ」は女性の気持ちにより添った作品だと思いました。
あえて「角筈にて」派と言いましたが,どれも面白い。小説とはこういうもんなんだなと思いました。
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