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2015年04月17日16:01

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「生誕110年 片岡球子展」(東京国立近代美術館 17日)

http://www.momat.go.jp/Honkan/kataokatamako2015/index.html

片岡球子!50歳で小学校を退職してから本格的な画業。80歳頃から裸婦にも取り組み新境地を目ざし103歳の大往生まで描き続けた画家魂。なんという人生なのだ。生誕110年を記念した東京国立近代美術館ならではの、大回顧展です。彼女の芸術の全貌が味わえ、見事な作品群には圧倒されました。5月17日までの会期。素晴らしいですよ。

<strong>「鮮烈な色彩、大胆にデフォルメされた形、力強い筆使い」</strong>の画風。渡欧で観たミロやフォーヴの画家たちの絵画の影響も、意識下の片隅にはあったかもしれない(?)でしょうが、風景でも人物でも彼女の絵画は、他の誰でもない片岡球子だけの世界なのが、凄いところです。

最初期の「枇杷」の描写、一つ一つの枇杷・葉っぱの色合いが微妙に違う。「炬燵」の質感。すでに卓越した描写力です。そして「カンナ」(48歳)で、彼女の色彩が爆発する。「桜島の夜」・「阿波風景」にみる「ダイナミックな色彩」と「勢い」は、すでに片岡球子の世界!すごいパワーに満ちた作品になっています。

風景では山を描いた作品が圧巻。「火山(浅間山)」では、噴火する凄まじい火山の迫力、と黄金色の麦畑と長閑な家並みとの対比を一枚に描き、見事です。この絵は、いいなあ手(チョキ)

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「死火山(妙義山)」の鋭さ。「山(富士山)」(59歳)も、一度見たら忘れられない。そして同じ富士山でも、なんと83歳のときに描いた「富士に献花」は、いままで対象として描かせていただいた「お礼の気持ち」で、花で飾った振袖を富士山に差し上げたい、という、この山に対するオマージュ、彼女の富士山への感謝の気持ちが昇華された名作です。堂々たる山に「振袖」とひまわり・ぼたんなどの「花」を捧げる!その澄んだ心境にうたれ、ちょっと、涙が滲みましたあせあせ(飛び散る汗)

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歌舞伎や舞楽からインスピレーションを得た作品や、面構(つらがまえ)シリーズは、どれも面白いもので、見ごたえあります。彼女独特の色彩の背後には、日本画の伝統の一つである華麗な装飾性も受け継がれていますね。歴史の人を、過去の史実の中で描くのではなく、その人物を「とことん研究し尽くし」内面をえぐり出すことで、今生きて、私達の眼前に居るみたいに迫真性がある絵画になっています、武士も北斎も写楽も、みな生きているな。面構「浮世絵師歌川国芳と浮世絵研究家鈴木重三先生」は、卓越した構想で時空を超えた世界。自分の作品を背景にした浮世絵師と、その浮世絵を球子に紹介した研究家の二人、なんとも楽しい画面ではないかわーい(嬉しい顔)

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面構シリーズの最後の展示作品は、なんと95歳のときの「一休さま」だったダッシュ(走り出す様)。音楽の感動は生演奏から、と同じく、絵画は複写でなく実物を自分の眼でしっかり観てこそ、感動できます。会場に足を運んでください!



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