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2015年04月05日16:12

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「情報」であって「情報」でないもの

■アジア投資銀参加に賛否 自民、政府見送りに支持
(朝日新聞デジタル - 04月01日 22:06)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3350848

創設時の不参加を決めたアジアインフラ投資銀行(AIIB)への日本の参加是非を巡り、
自民党内で議論されているとのこと。

もっとも、参加の是非は、一長一短あるから一概に言えない。

しかし、参加の意思表示期限が3月31日で、それを過ぎてから政権与党で議論と言うのは、
ちょっと贔屓目に見ても、お粗末という印象が否めない。AIIBに関し、国家としての意思決定
に値すると言う情報が、意思決定者に届いていなかったと考えられる。

しかし、情報そのものが無かったわけではない。

中国が主体となるAIIB構想自体は2012年10月から提唱されていたわけで、その狙いは、
国際的なインフラ投資の主導権において米国に挑戦したいと言う意図は明らかだ。

実際、今回50カ国を超える参加メンバーが出たきっかけとなる先月初めの英国の動きに
ついては、習近平主席とキャメロン首相が数度首脳会談を行ったと報じられており、AIIBに
関する議論がされたと想像するに難くない。

他国についても、財務・金融部門の閣僚級の要人が中国の要人と意見交換をしている
事実自体は、おそらく公開情報だけでも、かなりの部分がわかるはずだと思う。

したがって、問題は情報が無いことではなく、散在し点在する情報を総合・分析し、
インテリジェンスに仕上げ、意思決定者に伝える仕組みなのだろう。

その意味では、外務省、財務省、そしてジャーナリズムは同罪と言えるのではないか。
また、中国とのパイプを自認する政治家も、この件では役に立たなかったと言ってよい。

かつて佐藤優は、著書の中で、国家の情報収集能力は国力に比例し、したがって日本の
情報収集能力は決して低くないという趣旨の発言をしていた。そうであるならば、日本に
足りないのは、情報を集め、比較し、整理し、分析し、形にする力である。

とはいえ、かつて堀栄三の『大本営参謀の情報戦記』などを読む限り、一朝一夕に、
国家、国民全体にそのような力が身につくとは思えない。

わが身を振り返り。ふだんマスコミから情報を得る身としては、点としてのインフォメーション
を得ただけで、「情報」を得たと思いがちである。しかし、それだけでは意思決定に足りない
こともある。

個人として拙いなりに、インフォメーションをインテリジェンスに変える努力も必要なのだろう。

ではまた。


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