２８日は「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN �祇弔て靴離�ャスバル」
「ニック・ケイヴ／20,000デイズ・オン・アース」を観に行きました。
「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN �祇弔て靴離�ャスバル」、
安彦良和の同名マンガのアニメ化ですね。
総監督：安彦良和 監督：今西隆志 で
絵コンテも安彦さんが描いてるみたいです。
お、面白かった！
お話はマンガを読んでるから知っているんだけど
演出がよくて…ね。
めっちゃ面白かったんです。
ハモンさん、カッコいいなぁ！(笑)
「ニック・ケイヴ／20,000デイズ・オン・アース」、
サンダンスでドキュメンタリー部門の賞を獲っているのでドキュメンタリーかと思っていたら
めちゃくちゃフィクション寄りのドキュメンタリー…というか
自分で自分をプロデュースしてる人なんだよね？ ニック・ケイヴって人。
なんというか…
寺山修司が自分の履歴を幾通りも創作して 周りをけむに巻いたように
ニック・ケイヴも
この映画の中だけの“私”を演出していて
ドキュメンタリーにしては設えられた画角がカッコよすぎで、
ああこれ
うそつきセルフ・ドキュメンタリーと思えば
とっても面白いよねぇ…と思ったのでした。
本日は、１月に観た中国映画。
これはちゃんと感想書いておかないと
絶対 年間ランキングに関わってくる作品なので。
そう、優れた映画なんです。
「薄氷の殺人」 ’14 (中･香)
監督･脚本：刁亦男(ﾃﾞｨｱｵ･ｲｰﾅﾝ)
ｍ：廖凡(ﾘｬｵ･ﾌｧﾝ)，余皚磊(ﾕｰ･ｱｲﾚｲ)，王景春(ﾜﾝ･ｼﾞﾝﾁｭﾝ)，王学兵(ﾜﾝ･ｼｭｴﾋﾋﾟﾝ)
ｆ ：桂綸鎂(ｸﾞｲ･ﾙﾝﾒｲ)，倪景陽(ﾆｰ･ｼﾞﾝｾﾝ)
’14 ベルリン国際映画祭 金熊賞(グランプリ)，銀熊賞(主演男優賞)
ディアオ･イーナンは『スパイシー･ラブスープ』や『こころの湯』の脚本家で
監督としては３作目の本作でベルリンで作品賞を獲得した。
1999年夏、華北の地方都市の石炭工場で人体の一部が発見される。
６つの町１５ヶ所の選炭場で見つかったバラバラ死体事件を追う刑事ジャンは
容疑者を追い詰めた理美容室で銃撃戦となり負傷、
命は取り留めたが退職を余儀なくされ、事件は迷宮入りする。
2004年冬、ジャンは警備員として働き飲んだくれていた。
ところが 前回の“被害者の妻”ウーの周りでまたしてもバラバラ殺人が起こり
元同僚の刑事からそれを聞いたジャンは密かに女を調べ始めるが―。
クライムサスペンスなのだが 謎解きを愉しむのではなく
凍える寒冷な空気を映した画が
追う男と追われる女のどうしようもなさを
哀しみのような不穏に塗りこめて行くのを眺めるしかない…
そんな映画なのだ。
傾斜のある選炭場を転がり落ちて行く空き瓶にしても
99年のトンネルを抜けると04年の雪景色が広がる自動車道にしても
屋外スケート場から凍った道をするすると滑り出て行くウーのスケーティングにしても
だだっ広い大陸を透視法で切り取って
どこか消滅点に向うかのような画角が示されるけれども、
物語は明解でも爽快でもない収束を示すばかりで
原題である「白日焰火」そのまま
集合住宅の上の青い空に白煙を拡げる白昼の花火が
上げる者と眺める者の二人のどうしようもなさを
あえかな優しさのように響かせるのに静かに感動するしかないのだった。
圧倒的な画のよさを保証するハルピンのロケーションには
羨望や嫉妬を催しそうで、
本物の寒気がグイ･ルンメイの白い鼻先を桃色に染め
夜の闇が黄や赤や青で彩られるのに
ほとんど悔しいような思いで見入ってしまう。
カッコいいのだ。
それは 理美容室を捉える固定カメラの前で突然起こる
ワンカットに収められた銃撃戦に顕著で、
ここを観るだけでもお金を払う価値があると思う。
それくらいこの映画はカッコいい。
その画が語るのが寂しすぎる男女の哀しい交感で、
この二人から眺める“事件”はもはや犯罪ではなく
中国社会の不健康が落とす翳に落ち込んだ男と女の
愛情以前 恋愛未満の 交情の物語なのだった。
ラスト花火を上げ続ける顔の映らない男―と
空に広がる白煙を見て幽かに微笑む女と
あまりにぶっきらぼうなラストカットに
激しく心揺さぶられる優れた作品である。
秀作。
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