小学校の教科書で読んだ「最後の授業」という作品。
普仏戦争でフランスが敗れたため、仏領アルザス地方がプロイセンの支配下に
入る事になり、フランス語の授業は明日からできなくなってしまった。
その最後の授業には生徒のみならず、村の大人たちが正装して集まってきます。
先生は言います。
「ある民族が奴隸となっても、その国語を保っている限り、牢獄の鍵を握っているようなものなのです」
この作品を読んだ当初は、それまでフランス人としての自覚を持って生きてきたアルザス人が
隣国に侵略され、国語を奪われようとしているように見えました。
しかし今になって調べなおしてみると、アルザスはもともとドイツ系のアルザス人が住み、
ドイツ語系のアルザス語を母語としていて、フランス語の使用は公文書など、ごく限定的なものだったそうです。
つまりこの先生は、アルザス人に母語ではない仏語を教える立場だったわけですね。
戦前の台湾で日本語を教えてきた教師の、内地引き上げ寸前の姿に近かったのかもしれません。
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