昔、銀座にほど近いところで働いていたころ、
銀座の街には、古い昭和の匂いが漂っていた。
ストリームラインや独特の装飾を施されたクリーム色のビル。
個人経営の喫茶店や飲食店、街中華も普通に残っていた。
20代の暑い夏の日盛りをどう駆け抜けてきたのだか、
当たり前すぎてちっとも覚えていないのだけど、
銀座らしさが香る古きよきビアホールの最後のころを見届けていた。
クールを始めとするコリドー街に連なっていた「昔のバー」は残っていないし、
銀座は、東京人の土地というより、
「東京以外の人間が勝手に作る植民地」のようで、
土着のもの、古き時を感じるものはどんどんなくなっていき、
そうして、経済効率を優先した建物や店が増えていく。
完全に都市計画の失敗だと思えるのだが、
為政者にとっては「東京なんてそんなもの」なのだろう。
昨日は、九時半からの録音という事情があって、
「昼飯は、絶対にニュートーキョーへ行っちゃる!」
と決めていた。
仕事をさくさくと終わらせて、
(決してビールが飲みたいために順調に終わらせたのではない!)
よし!行くか!
ということなのだけれど、
役者やスタッフに「銀座でビール飲まねえ?ちょっとおごってやるぜ!」
と声をかけたら、2人ほど乗ってきた。
ビール1杯77円というとんでもないことを説明すると、
やる気のある人間はいっぱいいたのだが、昼ちょっと長めに抜け出せるかどうかは、
本人次第。
よしよしこれで、一人で食わずにすむ。
銀座までは、ほんの10分もあれば着くだろうし、
ニュートーキョービルは、数寄屋橋のほとんと駅の上に立っている。
近い!
今行けば、午前中に入れるからきっと混んでないぞ!
けっこう客はいた。
しかし、もともとでっかいビアホールだから、余裕である。
やったね!
これですよこれ!(今日も寄っちゃうか?
)
「カミカツ」を頼んだら、用意できないとのこと。
昨日、出すぎてしまったという。
ふーん。
まあ、早い時間だから調達できていないのかもしれないし、
今出しちゃうと、夜の分がなくなっちゃうのかもしれないし、
まあ仕方がない。
アイスバインは?
ダメ?あらま。
んじゃハンバーグと、ソーセージとという感じで、
あれこれ。
若い役者に飯食わせ、なんだかんだで、
「おまいら、ビール代だけ払え!ただし1杯100円でな!小銭嫌だもん」
ということで、2人からはほぼ500円ずつほど徴収し、
飲んで食って、それでもぜんぶで6000円ほどだった。
やっす〜〜〜!!
正価だと、あと7000円以上飲んでますな
ぷは(* ̄m ̄)プハプは〜〜〜〜〜〜〜
ニュートーキョービルは、数寄屋橋に残った最後の昭和のような、
そんな気がした。
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