今日も寒い。
「さらに棺桶に余裕があったら連れて行きたい」10枚の中で、最も冬っぽいのはこのアルバムではないかな。
特に“Don't Give Up”や“Mercy Street”なんか、暖炉のそばでシングルモルトのグラスを傾けながら聞きたいもの。
自分がどうにも打ちひしがれている時、“Don't Give Up”にはお世話になったなあ。ケイト・ブッシュみたいな女性にこんな風に励まされたら、僕のような単純な人間は何度でも戦えると思ってしまう。
http://www.youtube.com/watch?v=VjEq-r2agqc
この、戦いに敗れた“Don't Give UP”の主人公は、前作に収められていた“Wallflower”（これも名曲）で描かれた人と同一人物に思える。そして、この人は次作「Us」の“Washing Of The Water”では川を見つめている。誇り高く、自由のために自らの尊厳を賭けて戦った戦士。そんな気がする。
音楽的には、サードアルバムあたりから取り組んできたリズムセクションの再構築が実を結んだ1枚といえるのではないだろうか。ＷＯＭＡＤ（World of Music, Arts and Dance）への取り組みなどを通してアフリカなどのリズムを大胆に導入してできた音楽は、これまでのロックの文法とはまったく異なったもの。それでいて“Sledgehammer”のような大ヒット曲も生んでいる。
捨て曲なしの完璧なアルバム。
冒頭のこの曲を聴いたときの衝撃は今でも覚えている。このリズムの凄さったら。
●Red Rain
http://www.youtube.com/watch?v=FkLTwX0duY4
ラストの"We Do What We're Told"という短い曲、あまり気にも留めていなかったこの小品でさえも実はとても怖い曲であった事を、約1年前に読んだあるマイミクさんのブログで知った。
僕達は言われたことをする
言われたことをする
やれといわれたとおりに
一つの疑問
一つの声
一つの戦争
一つの真実
一つの夢
人は簡単に洗脳されてしまう。
ある状況下に置かれれば、誰もが命じられるままに残虐な事をしてしまう。
そんな事が歌われている。
深い余韻を残してアルバムは終わる。
●We Do What We're Told" (Milgram's 37)
http://www.youtube.com/watch?v=0PIHgV7TRqM
1994年春の来日公演を武道館で見た。
期待が高すぎたな、というのが正直な感想であったが、トニーレヴィンのベースやマヌ・カッチェのドラムを見れただけでも価値があったと思う。
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