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2013年10月12日13:20

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紅葉の山旅ー1 船窪小屋

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10月7日

船窪小屋はかねてから憧れの小屋だった。
ランプに囲炉裏、手作りの食事、お母さんとお父さんの温かそうなお人柄。
山も登りたいが、この小屋に泊まりたい、それも紅葉の季節に。
今年の紅葉の北アルプス、裏剣と迷ったが、船窪小屋に泊まって烏帽子岳まで縦走することにした。

七倉温泉前の駐車場を6時過ぎに出発した。
船窪小屋までの道はブナ立て尾根よりも急だと書いてある記録があった。ブナ立て尾根は以前裏銀座を縦走したときに登ったが、ジグザグについた道はそれほど急には思えなかった。
船窪尾根は最初は急だったが、しばらくすると、傾斜が緩く歩きやすくなった。

しばらくして振り返ると唐沢岳が大きくそびえていた。餓鬼岳からこちらに向かって伸びている稜線にある唐沢岳はまるで独立峰のようで迫力があった。

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やがて八合目、鼻突八丁と書いてある。胸突八丁よりさらに急という意味か。
急な梯子もあるが、それほど急には感じられない。大峰や台高の山には短くてももっと急な道があるからだ。
それに、いつものテント泊に比べて小屋泊のザックはかなり軽かった。
足取りは軽快だった。

やがて周りの木々の紅葉が鮮やかになってきた。草紅葉も綺麗だ。
すると突然視界が開けた。
高瀬ダムの向こうに槍ヶ岳が聳え立っている。天狗の庭だ。
そこはとても気持ちのいいところだった。
右手には明日歩く烏帽子小屋までの稜線がよく見えた。

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ここからは50分になっている。あと一息だ。一歩ずつ足を進める。草紅葉が気持ちいい道だ。
大きな石に「ガンバレ」と書いてある。
その先には「お気をつけて」と書いてある。

そして「ようこそ船窪小屋へ」と書いた石を過ぎた途端・・・
目の前に広がるのは槍ヶ岳から剣岳に続く見事な北アルプスの山並みだった。

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こんな景色が見られるなんて思っても見なかった。
感動のあまり涙が溢れてきた。
自分でもびっくりしたが、涙が止まらない。こんな感動は何年ぶりだろうか。
泣きながら小屋に着くと、小屋の前でくつろいでいたスタッフの皆さんが驚いたようにこちらを見た。そして、お母さんが駆け寄ってきてくれた。
ちょっと照れくさかったがうれしかった。

11時過ぎに小屋に着いた私は今日の一番乗りだった。
船窪小屋、ここには日本一危険とも言われている水場がある。写真で見ると、確かに滑りやすそうな急斜面にある。行ってみたいが、ちょっと怖い。お金を出せば水は買えるが、誰か来たら一緒に行ってみようと思って横になった。

午後になって若い単独のKちゃんが来た。四人ずつに仕切られた部屋は彼女と一緒だった。
それから5人グループのうちの先発隊のY君とYちゃんが来た。
彼らはここの水場のことを知らなかったが、話すと行こうと言ってくれた。
若い3人と一緒なら心強い。ザックを空けて、空のペットボトルとコップを入れた。

水場はテント場を過ぎたところにある。上から見ると、あんなところに水場があるなんて思えないような場所だった。
ロープを使って降りていく。
怖そうだったが、地下足袋に履き替えていたので滑ることもなく降りて行かれた。
細々と出ている水は冷たくて美味しかった。

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お待ちかねの夕飯。手作りのご馳走はとても山の食事とは思えなかった。そして、今日は安曇野在住のNさんの差し入れの松茸が入った松茸ご飯と焼き松茸が特別についた。

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食後は船窪小屋恒例のお茶会。ネパールティーが振舞われた。
針ノ木古道復元のDVDを見た後に皆の自己紹介が始まった。
今日の泊り客は5人グループ、単独のおじさん二人、Kちゃん、安曇野の二人連れと私の11人だ。初めての人もリピーターの人もいる。
あっという間に消灯の8時になった。

10月8日

小屋の少し上から浅間山の肩に昇るご来光を見た。
美味しい朝食後にラジオ体操をして、烏帽子岳への稜線を歩き出した。

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