年が明けましたが、書いていることはまだまだ10月です。
先日長崎亜希子さんのブログを拝見したところ、9月の関西ツアーのことをずっと書き続けておられて応援したくなりました。
実家で年越ししたのですが、平和祈念展示資料館に行って梅田さんの御親族のお話をうかがったりしたことで記憶を喚起したくなり、父の長兄のことを改めて聞いてみました。
その伯父は建築関係の（軍の？）教育で茨城に行っていたこともあるという技術系の人材だったらしいこと（茨城からの葉書が残っているといいます。）、終戦はソ満国境の辺りで迎えたらしいこと、抑留の地はモスクワに近い辺りと聞いていることなどを確認しました（「バルチケン」という言葉を聞いているそうですが展示ではわからなかったことは前にも書きました。これに対し、長崎さんつながりではありませんが、やはり多くの日本人捕虜が抑留されたというビロビジャンは地理的には沿海州ないし極東に位置しています。）。木材関係の労役をさせられていたらしいことは、増毛方面の生還者から伝え聞いたといいます。最期の様子を教えてくれたというのもその人なのでしょう。
演奏を聴きに行くという意識だった平和祈念展示資料館でしたが、普段は意識の底に沈んでいた事柄を思い起こさせてくれるきっかけともなりました。
また、旭川で高空を悠々と偵察飛行するB-29が目撃されたという話も聞きました。サイパンや硫黄島が陥落してB-29による本土爆撃が本格化しても、航続距離の関係で北海道空襲は専ら艦載機によって行われましたが、爆装の代わりに燃料を積んだ偵察仕様のB-29が飛来したことがあったのでしょうか。4本の筋が見えたといいますが、他の4発機の誤認ということはなかったのかどうか。
さて、ここからは2011年10月23日日曜日の18時過ぎ、横浜高速鉄道みなとみらい線〜東急東横線の車中です。日本大通りからみなとみらい線に乗り込み、そのまま横浜駅を過ぎると東急東横線となります。最初は各停で座っていましたが、途中菊名だったかで急行に乗り換えるとやはり各停より混んでいて、そこからしばらく立っていました。
渋谷に着くと19時の開場まで時間を潰すまでのいとまはなく、夕食は摂らずに東急本店にほど近い国境の南に向かいました。
ここは瀬戸さんのゆかりで決まった会場で、JJFの皆さんも初めてだったようです。
中に入るとお客は私が最初で、マスターと瀬戸さんがおられるだけでした。細長いフロアのどこで演奏が行われどこに客が座っていいのか戸惑っていると、瀬戸さんが「ここに座ってください。そこで演奏しますんで」といった感じで教えてくださいました。結果的に最前のような場所となりました。
瀬戸さんは大阪方面を本拠とするクラリネット奏者ですが、北海道や関東の親しみある方々が関西ツアーで共演されたり、電気ジプシーや首都圏を本拠とする熊坂（兄）さんとのロイヤルハンチングスなどでの活動も盛んです。この日お持ちになっていた電気ジプシーやロイヤルハンチングスの最新CD類は、その後、札幌ピヴォのタワーレコードでも並んでいるのを目撃しておお！と思ったのですが、そのうち見かけなくなってしまいました。ピヴォのタワーレコードのワールドコーナーも発売時の入荷に関しては健闘していますが、フロア面積や収支の制約か、店頭在庫をずっと置いておくのは苦しいのでしょうか。
ウーロン茶とソーセージ類をお願いして腹を満たしているうちに、JJFの皆さんもお見えになり、徐々にお客も訪れてきました。終演後に見せていただいたのですが、じょんさんは浅草のMISTで美術か建築関係の御学友が催していらしたワークショップ？で制作した風車をお持ちになっていました。可愛らしい絵柄が施されていたと思います。
客席には年配の客人に前夜若い客人と一緒に音や金時に見えていた方などいつもの面々。若い客人御本人はこの日は発熱で無念の御欠席、よろしく伝えてくれと言っていたなどという会話がもれ聞こえてきました。
2か月以上が経ち、曲目などの記憶はかなり薄れてしまいましたが、最初の数曲ではトシさんが嫌がりながらも瀬戸さんに半ば強要されるような感じでラップを繰り広げていました。はにかみを残したような突き抜けきらない感じがかえっていい味を出していたと思います。落ち着かない感じで私と同じテーブルに置いたビールとレバー焼だったかに何度も手が伸びていました。
この時にかいた悪い汗が、この後12月に開催されたJJF2011年感謝祭序盤でのまさかの展開のひとつの伏線になったのではないかと感じたのですが、限られた機会にしかステージを拝見できない身ですから果たして当たっているかどうか。
クライマックスはやはりSelmaでした。瀬戸さんが「ここは予約席にしておいてください」とおっしゃって確保された場所に着席された女性客の皆さんの手拍子を覚えています。
アンコール曲はその場で決めたようでしたのに、瀬戸さんがまた見事に合わせていました。
開演中は飲食を控えていたのですが、他のお客やはたまた御出演の方々までもが飲んでおられるギネスやコロナがおいしそうだったので、終演後には私もギネスを1杯いただきました（中村さんやじょんさんのコロナは流石に終演後だったと思います。）。
ちょうどギネスで酔いが回ってきた頃に、それまで他のお客さん方とお話しておられたじょんさんが近くに着席されたので、皆さんを知った頃の思い出などをお話しているうち、何だか通勤など当時の苦労を力説してしまったような記憶があります。
酔って若い人に苦労話をするなどとはいかがなものかと反省されますが、そのやり取りの中でいいお話を聞くこともできたのです。頭が濁り気味だったこともあって話の流れなどは曖昧になってしまった部分もありますので順不同になるかもしれませんが、できる限り記しておきたいと思います。
まずは猫野ぺすかさんのお話から。
瀬戸さんが予約席として確保されたスペースに二、三人の女性客がいらして、その中で最初はどういう方なのかはわかっていませんでしたが、私の近くに着席された方がありました。
今回私が宿泊しているのがいつもの品川近辺ではなく半蔵門だという話からの流れだったと思います。品川より近いが終電は早いという話から、山手線沿線に育ったじょんさんは幼い頃は終電に間に合わなくなるという感覚がなかったなどという羨ましいお話をされていました。確かに地下鉄だと24時過ぎくらいまでが多いですが山手線は何だかんだと25時前後まで運行しています。そして、終電間際の「○○線にお乗り継ぎの方はお急ぎください」という駅のアナウンスに日本の鉄道は何て親切なんだろうと思ったといった御発言もあったので、札幌でも遅い時間の大通駅などで同様のアナウンスを受けて客が小走りに急ぐ光景がありますから、3本しか地下鉄がない札幌でも同じ感じですねと申し上げたところ、じょんさんは「3本しかないんですか」とまたしても都会の人らしいことをおっしゃっていましたが、そこでその女性客の方が「札幌なんですか」とお声かけくださったのです。大丸藤井セントラルで12月に展覧会があるのだとおっしゃって。
お話やその後の情報によると、その女性客、猫野ぺすかさんはイラストレーターというのか版画家というのか、消しゴムはんこの世界などで名のある方のようでした
私からは、大丸藤井セントラルは文具店といっても画材なども充実していて、展覧会もけっこうやっている旨お話しさせていただきました。
せっかくのお話ですから忘れないようにしておこうと思っていたところ、12月になってから、ぺすかさんのブログ等で5日から26日までという消しゴムはんこフェアの開催期間を知ることができました。北海道在住の方など3人の作家さんが参加され、版画やカード類の展示に加えて10日からはぺすかさんの消しゴムはんこ作品も販売されるとのこと。
12月10日はちょうど開催後初めての休日でもあり行ってみました。昼過ぎに訪れるとぺすかさんの限定10個の消しゴムはんこは既にかなりの数が売れており、中でもペンギンのキャラクターなのでしょうか、「プルースト氏」の蔵書票などはなくなってしまっていましたが、記念にぜひ一つとぺすかさんの記名の入っているものを買い、ついでに例年大丸藤井で買っている年賀状用の葉書ホルダーも買って帰りました。
瀬戸さんやJJFの皆さんの縁で普段は遠く離れている方の作品に地元で触れることができ、嬉しく不思議な気持ちになりました−と、すっかり話が12月に飛んでしまいましたが、国境の南ではぺすかさんは、トシさんやじょんさんと御自分の作品が売られているお店のお話や小田急や京王線沿線の地理のお話をされていました。ぺすかさんがじょんさんに「調布といっても仙川」というようなお話をされていたので、私も話の流れはあまりわかっていなかったのに「それならちょっと離れてますね」などと調子よく口をはさんでしまいました。
ぺすかさんはその辺りの方なのでしょうか。じょんさんはしゅうぞうバンド時代には調布のKenny'sに通われていたのだと思います。私も調布には敬愛する作家の森下一仁さんがお住まいだったり、Kenny'sやジャズアート仙川に行った経験で，距離感は何となくわかる気がしたのでした（続く）。
ログインしてコメントを確認・投稿する