スペイン人に同情される屈辱

今日のお客さん。
家族は大丈夫か？
原発の問題はちゃんと知っているか？
と心配してくれました。

「政府の情報隠蔽がひどいから、日本人はリスクを理解してないみたいだ。」
って言ったら、
「それは新聞で読んだけど、発表されている数字がまるっきり違うよね。
　でも、それって政府が混乱していて正しい情報を持っていないんじゃないか？」
と聞き返されました。

ハッキリ言いますが、私はこれっぽっちも日本政府が現状を把握出来ていないから
日本で公表される数字が海外情報より小さなものになってるだとか、東電が
隠蔽するから政府が把握していないなんてお人よしな事は思ってません。

だって3号機爆発直後のNHKをリアルタイムで見てましたから。
情報統制が入ったのがあからさまでした。
しかも、管が東電に怒鳴り込んだ時の言いざまを考えると納得できます。
要するにチェルノブイリ並みの最悪の事態に突入した事を知ってたんです。

もちろん、パニックは防がないといけない。
もちろん、避難指示を出せば避難先も確保しないといけない。
だけど、それから10日近くたった今、何の手が打たれましたか？
風評被害をさけましょう。
野菜も水もただちに健康被害の心配はありません。
30キロ圏内の人は、自主退避をお勧めします。
それだけです。
地方自治体に問い合わせて、公営住宅の空き部屋リストを提出させる
ウィークリーマンション等などを一時避難場所として借り受ける。
そして、避難住民を割り振りして疎開させる体制作り。
1週間あれば動き出してる筈です。
でも、まるっきりです。
何もしていない。
お金が無い？
じゃ、子供手当を転用しろよ！
なのに、子供手当を含めた予算案の可決が最優先ってどうゆう事さ？
もう、怒りのあまり手さえ震える昨今です。

で、スペイン人のお客さんに
「情報隠蔽によって多くの放射線障害による被害が出るのは間違いない。
　それを隠し通せる訳もないというのに、そんなこと続けるのは何の
　ためだ？無能にも程がある！」
なんて怒りを爆発させてました。

そうしたら、「きっとそんな政府なら日本人は東京でデモを始めるよ。
そんな政府は国民が正さなくてはいけない。日本人は賢明だから
きっともうデモが始まるんじゃないかな。」
なんて同情されちゃいましたよ。
「諦めないで！日本人は賢明な人々なんだから、大丈夫！」

涙が出て来ますよ。
ぜんぜん賢明でもなければ、デモも起こりそうにない事を容易に想像できる
私としては、日本人はそんな賢明じゃないけどな。。って、同情の言葉に
逆に自虐的な感情を持っておりました。

言っちゃうけどね。
スペイン人に同情されるなんざ、日本人も地に落ちたもんだ。
世界がひっくり返ってもスペイン人に日本人が同情されるような日が
こようとは思ってなかったんだもの。

ほんと、屈辱感と敗北感、無力感にうちひしがられて家に帰って来ました。