礫川浮世絵美術館でやっていた文化期国貞 『美人・役者絵』展 後期を見てきました。
チケットは、毎度お馴染み新聞屋さんからの貰い物。新聞屋さん、いつも有難う〜。
美人と役者がズラリと勢揃い！
私は、国貞は、美人画より役者絵の方が好みなのですが（美人画は英泉が好きなんだ）、『新吉原三枚絵図：玉芝 こうばい 江川、さきはえ、あかし、吉十郎、あふみ、小間戸 ます花』は好きでした。廓内を描いた絵。江川や玉芝と言うのは、お女郎さんの名前。人物絵の横に名前も書いてあった。香炉を持ってる花魁がいたり、花魁の世話係りの小僧が、他の花魁に『あかんべぇ』をしていたり、男に口説かれて、ちょっと困り顔の花魁がいたり・・・・・・。
今で言う、写真のスナップショットみたいな感じです。皆、表情豊か。
『雛鳥 瀬川路考 さだか 市川団之助（市村座「妹背山女庭訓）』と、『雛鳥 瀬川菊之丞 さだか 中村芝翫（中村座「妹背山女庭訓）』。この2枚の対比が面白かったです。構図は全く一緒なのですが、役者が違うので、顔が違うのです。
路考の方が若干キツイ顔をしているような気がする。まぁ、菊之丞は、美少年役者だからなぁ。
構図は、雛鳥が川面を眺めて、そばに、父親がいる・・・そんな場面。
そう言えば、私、『妹背山女庭訓』好きなんだよなぁ。日本版、ロミオとジュリエット。
『俳優日時計 巳ノ刻 沢村田之助�供戞Ｅ椎圭�、綺麗〜。
鏡ケースを持って、簪を直している。後ろには黄百合が飾ってある。コレは、多分、今で言う役者のブロマイドよね。
簪を直してる田之助が色っぽくて、なかなか良いですなっ！
『知盛の息女玉虫姫、岩井判四郎�后⊇�六部飛鳥 中村大吉、歌姫太夫、岩井判四郎�后迷舅詑臾樟號楮�〕』。その役になりきった役者がズラリ。女六部は山伏のような出で立ちでしゃくじょうを持ち、数珠を持っている。手紙を持つ歌姫太夫、鉄の棍棒を持つ玉虫姫。足元には、ドクロの形の蟹がいる。
ポーズが皆恰好良い！
『大和名所千本桜 女湯の場』も面白い。女湯に、人気役者達が大集合。男性として描かれている（三助さんなのかな？）役者もいるが、女性として描かれていて、おっぱいが描いてある役者までいるのが面白い。歌舞伎は、当たり前だが、男性しかいないので、絵の中で性転換しちゃったってコトね(笑）。
菊之丞が、なかなかに色っぽいのだが、菊之丞にも微妙〜に胸があるように見える（着物が少しはだけているので）。
こういう妖しい感覚は、日本らしいなぁ〜と思ってしまう。性別取り替えちゃうとかサ、とりかえばやとかサ、日本人、大好きじゃん（笑）。
『尾上菊五郎、市川団十郎、志ら拍子 坂東三津五郎』。白拍子の三津五郎が美しい。でも、コレ、白拍子って書いてあるケド、所謂白拍子の衣装じゃないんだ。普通の振袖っぽい服を着ている。お姫様っぽいよ。何故？白拍子は男装の舞姫なのに。
団十郎と菊五郎は、坊主の役です。
『役者はんじ物 沢村田之助』。コレは白拍子の恰好だよね。烏帽子を被って男装してる。なかなか色っぽくて恰好良いです。流石は田之助！
後ろにはんじ物が描いてあるのが面白い。はんじ物って今の方、分かりますかしら？『絵解き文字』のコトです。千両箱に的に矢、沢が描いてあって、鴫に魚。らむって書いてある帳面が逆さま・・・つまり『むら（村）』。
千両箱は、千両役者って言う意味かなぁ〜。色々推理しながら見られるよ。
この展示は、25日で終了してしまいました。
５月1日からは、歌川広重展をやるそうです。
帰り、受付の方に「以前もいらっしゃいましたよね？」と言われた。私、見るの遅いモンなぁ〜。メモ取りながらゆっくり見て、何回も何回も会場内巡るから目立つのだろう。しかも、礫川浮世絵美術館、浮世絵関連の本が置いてあって、それも読んじゃう。
そんなコトもあって、受付の人に覚えられちゃったみたい(^_^;)。ちょっとこっ恥ずかしい・・・・・・。
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