いつもの朝 いつもの散歩 いつも元気なのは犬だけ ふぁ〜 大あくび こっちは睡眠3時間なんだからな ふぁお〜 あくびがうつった こっちは起きてる時間が3時間なんだからな …それもつまんない人生だなぁ ひと足先に色づいて葉を落とした桜の下
これも 現代版‘袖振りあう合うも多生の縁’なのかもしれない お名前も存じ上げず、お目にかかったこともなかったけれど 確かに同じ制服を着て 同じ講義を受け 同じメールを読み 同じ仕事をしていた 26名の中にその人はいた その瞬間 仕事に出ていれば
ゴー ギューン グヮーン キーン 隕石が降ってくる! と見上げると何のことはない 飛行機だった お〜近いよ〜手を振ったら操縦席から見えるよ〜 物珍しさになんとなくウキウキしながら見送った ハタ、と気づいた 沖縄の空ではこれが毎日繰り返される
「がんばってるなぁ、オレ」 給与明細を前に言う 最低賃金の重労働 30余年 「おにぃ、毎日お仕事ご苦労さまってポチが言ってるよォ」 ヤツは犬と会話ができるらしい 「エラいなぁ、オレ」 自己評価が高いことは良いことである しかし これではひ
「大切なのは、その世界で生きていくという覚悟です」 とその人は言った その小さな世界に骨をうずめる覚悟だった 若者の楽しみなど望むべくもなく 仕事と家事の日々、それで満足だった 毎日が戦争、それが充実だと思っていた 10年と少しでボロ雑巾状
毎年 田植えが終わった頃にやって来る仲良しカモが二羽、三羽羽をバタバタして水浴びをしたり上手にさか立してエサを探したりよっ また会えたねいつも楽しみにしていたでも 今年はちょっと勝手が違うようだ水場がとっても狭くなって巨大な四角い箱が出現して
朝の車中 いつもの道中 「カメ、いた?」 「のっしのっし歩いてた」 !? 「のっしのっし、餌に向かって歩いてたよォ」 ・・・どんだけでっかいカメなんだ 恐竜か? 奴は時々、愉快なことを言う
雨に映える紫陽花 帰宅すると 無残にちょん切られた花の山 ボケた親の成せるわざ ごめんね ごめんね 一本一本拾ってバケツに挿した ひとかかえのブーケになった これも一日二日の命だけれど せめてもの慰めになれば
大人になったら 大人のヒトと普通に話せるようになると思っていた 大人になったら ぶ厚くて難しい本を読めるようになると思っていた 大人になったら ピアノを上手に弾けるようになると思っていた 大人になったら 髪を伸ばしてお姉さんっぽくなれると
今年は つくしんぼをひとつも見ないまま 緑のもじゃもじゃになっていた 土筆も外出自粛してたのかな その間に 姿かたちが変わって 名前まで杉菜に変わってた つまんないの… 来年見る時にはもう メンバーチェンジしてるのに 彼らに二度目の春は
ひら ひら ふわり 茶色の背中に着地した 桜色 ひとひら どこから来たのか ぐるりと見渡しても 樹は見当たらない 「よーし、次の風が吹いたら 誰が一番遠くまで行けるか 競争だ!」って 「それー!」って みんなで飛び出したんだ きっと
新しいコールタールのにおい 深呼吸しようとは思わないけれど 真っ黒い真っ直ぐに伸びた道 白線もなにも引かれていない アスファルトで舗装されたばかりの道 人通りのない 冷たい朝 真ん中を歩いてみたり 軽くスキップしてみたり 思いっきり人造的
誰が植えたか 山の斜面に 紫陽花 二つ三つ 花を切られることもなく季節が過ぎた 干からびた花が再び赤くなった 紫陽花も紅葉するんだなぁ 去年は葉をすっかり虫に食われて 一輪の花も咲かせなかった椿 いつの間にか緑におおわれて 今までで一番
40年前の通学路 もっと前からここにあった官舎が取り壊された あっという間にさら地になった …こんなに広かったんだ 徒競走ができるくらいに 空も広くなって 山の稜線が見えるようになった すみっこに咲いていた水仙はどこへ行ったんだろう いずれ
すがすがしい 雲ひとつない青空 …と思って振り返ると 雲がもじゃもじゃしていた 180度視線を変えたら 360度景色が変わった 人生もこんなもの 青空を見るか 雲を見るか 青空に気づかないか 雲に気づかないか 青空ばかりを見て能天気でいるか 雲ば
ぎゃ〜 トイレがバッチリ汚れていた めでたい元旦、目覚めた最初がトイレ掃除 こりゃウンがツイてる年になりそうだ やっとこさ夏を越したマーガレット やらなくていい剪定をしたはずみに引っこ抜いたようだ 慌てて埋め戻したけれど わずかに残って
いつもなら アイリスが終わった頃に咲く のんびり屋のスイセンたち 春めいた日差しに芽を出した 寒かった 早すぎた! 出した頭を引っこめようかどうしようか 相談してる