でもヒル公の真骨頂は、バカやってただとか豪傑だったとか、そんなチンケなレベルには断じてとどまらない。どんな落第生であろうともぞんざいに扱わず、徹底して一個の人格として対等かつ真摯に向き合ったのが、ヒル公のコンセプトだったという。所詮は学校と
ヒル公こと蛭川幸茂先生というそのひとのことを知ったのは、マンボウ先生の書を読んでからのことだった。そのときは旧制高校にこんな名物教師もいたんだなとおったまげたものだったけど・・・。あとでその名物教師ご本人の著作をひもといてみたら、床が抜ける
嗚呼青春の歓喜よりはえの力は生れ出でて燦らん高き天の座に生命の群のわなゝけば聖歌を聞くやえのきばの木梢に星は瞬きぬ朝に残雪輝くアルペンの峻峰をのぞみ夕に紅染むる王ヶ鼻の山脈を仰ぐ県の森蔭に 一人瞑想するは何ぞ若き魂は人の世の美しさを求めて天