『万年樹の記憶』六日目の朝だ。真夏なのに、とても風が冷たい。目覚めたぼくは、すぐに体に巻き付けてあった厚いブランケットをほどいた。色あせている上に、あちこちに繕(つくろ)ったあとがある、恐ろしくくたびれた一枚。だが、これが命綱だ。睡眠中の体
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